47 2000年6月号 |
大阪府議会・銀行税が可決
そんなに急いでなぜ決める |
5月30日の府議会本会議。 自民議員団が提案した大手金融機関を対象にした外形標準課税条例案(銀行税)は、公明、民主などが 継続審議を主張したのに対し、自民、共産、社民が反対し、採決の結果、導入が決まりました。 本会議に先立つ総務委員会(15人)。 5月22日に質疑を打ち切り、6月25日に採決。 賛成派の自民、共産、社民が7人、継続蕃議派の会明、民主、躍進も7人で可否同数。 委員長判断で可決というきわどいものでした。 府義会では史上初の議員同士の論議に答弁する疲れもあったのではと思います。 水面下の動きは大変なものでした。 賛成派から「共産だけでは組みたくない」。「可否が拮抗しては都合が悪い」。「自民案を修正してでも公明を 引き込め」と実施期間の短縮や課税率引下げといった案もマスコミを通じて聞こえてきましたが、 ”知事選挙のしこり”ともいわれる銀行税導入を政治的妥協だけで決定してはならないと当初から考えて いました。 私共の党は提案された条例案の施行が、平成13年4月であり9月や12月議会の採決でも遅くなく その間、いろんな問題点を十分に論議すべきと継続審議を主張したわけです。 問題点は、 @資本量5兆円以上の銀行30行に課税するのは不公平との銀行側の提訴問題、 A業務粗利益の3%課税の根拠、 B増収分の8割の地方交付税が減額され府財政への影響、 C納税は2年後の平成14年6月で即効性がない、 D徴収期間内(5年)で景気回復すれば現行税制の方が得になる(跡田阪大教授試算)、 E大阪の中小企業への影響、 F政府税制調査会が実施時期は未定としながら全業種で全国一律導人の動向を見極める必要性、 G増税の前にまだ府のりストラ策の余地はないのか、 H府の自主財源検討プロジェクトが外形標準課税を含め自主財源確保策を9月議会をメドに提出を 予定しているなど条例案が本当にベストかどうか、さらに学術経験者、府理事者、関経連、中小企業者など から意見を聴くべきです。 実質3日間の総務委員会審議は尽くされたとはいえません。 条例案は東京都の二番煎じ、東京都で最善でも大阪で最善とはいえません。 大阪の銀行は、東京に比べ体力が弱く導入によって大阪経済界へのダメージを与えます。 銀行側は当初、府議会では否決になるだろうと楽観視されていましたが、今回、銀行税が辛うじて成立した 背景には、ゼロ金利のなかで多くの府民が銀行への不信感を力にしていることを銀行は忘れては なりません。 行政訴訟を起こすより銀行税にかわる中小企業のためのファンド創設や府への寄付を提案するなど 努カすべきです。 |
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