55 2001年6月号
内側から見た役選議会

枚方市議会42年ぶり珍事
抽選で共産副議長が誕生 府議会議長職は自民死守

 多くの地方議会の5月議会は、正副議長などを選ぶため「役選議会」と言われています。
正副議長の任期は地方自治法103条で議員の任期とされ4年間ですが、ほとんどの議会では申し合わせで1年で
交替しています。
タライ回しの批判がありますが、一方で4年は長すぎるという意見もあります。
1年改選の是非は紙面の都合で次の機会にしたいと思います。
いずれにしても、ポストに関心のある方々にとっては”重要な議会”となる訳です。
 先月、地元の枚方市議会(定数36)の5月議会で42年ぶりの珍事がありました。
議長選挙は順当に決まりましたが、副議長選挙が難航自民会派(4人)から立候補したところ、
保守系会派(4人)も立候補する構えを見せ、共産(7人)と合わせ三つ巴の様相となりました。
キャスティンクボードを握った公明票(8人)で勝敗が決する形になり、公明会派で協議の未、人物評価で
自民候補を推すを決定したところ、保守系会派が共産候補を推す動きに出ました。
調整が整わず選挙に持ち込まれ、結果は、17票対17票の同数(白票2票)で、全くの互角です。
 公選法95条の規定によりくじ引きで共産議員が副議長になりました。
枚方市議会では42年ぶりの出来事だそうです。
保守系や諸派が共産候補に投票したのは、議会対策上の作用が働いたのでしょう。

 大阪府議会では、長年、最大会派の自民党から議長、第2会派から副議長を出すことになっています。
ところが、この2年間に議長経験者2人を含む自民議員が3人も汚職事件で逮捕され、セクハラ訴訟をうける
自民議員も出たことで、議会内から「今回は最大会派へ議長ポストを渡すべきでない」の声が上がり
始めました。
 当初は、自主的にけじめをつける意味から議長候補を辞退するのではないかと見られていましたが、
一向にその気配がありません。
そのため、各会派が反発し民主・府民ネットワーク、公明、共産が議長擁立の意向を示しました。
民主・府民ネットワーク(25人)と公明(22人)が組めば、自民(42人)を上回ります。
慌てた自民は、汚職事件のケジメをつける反省文「議員の綱紀保持に関する決意表明」を提出、セクハラ
訴訟の議員を会派から離団させました。
 私たちが民主と協カして議長を取っても自民の反発を呼ぶだけで今後の議会運営に支障をきたしメリットは
ないと判断をしました。
もともと私たちはポストに執着のない会派です。
それよりも大阪の改革に執念を燃やすことが大事と考えます。


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