56 2001年7月号
大阪教育大付属池田小訪問

校門閉鎖が再発防止でない
児童や家族の心のケア最優先 地元市と学校の連携が必要

 死者8人、重軽傷者15人の被害者を出した大阪教育大学付属池田小学校の児童殺傷事件は、
信じられない許すことのできない最悪の事件でした。
 当初、学校の安全管理体制や被疑者の精神異常が注目されましたが、このような事件が起こったから
直ちに校門を閉鎖し部外者をシャッターアウトする学校もでてきました。
果たして、校門閉鎖が再発防止策になるのでしょうか?。
直後には模倣犯による類似事件が起こる可能性があり、緊急処置として必要かも知れませんが、被害を
受けた幼い児童や家族の心のケアの取り組み、触法精神障害者とそうでない精神障害者を区別した対策が
必要です。
 このことで、精神障害者の方への偏見差別を助長させてはなりません。
そのために、我が党の府議団は、6月13日、太田房江・大阪府知事に対し同小学校の児童殺傷事件再発
防止の緊急申し入れを行いました。
内容は次の通り。

@府内の小・中学校等の安全管理について、万全を期すため総点検を行なうとともに、民間警備会社の
ガードマンや退織警察官を活用した「スクールポリス」システムの導入など警備体制の強化を図られたい。
A触法精神障害者の退院の際の判断が、現行、医師のみに委ねられているが、第三者機関を設置し、
判断することも検討されたい。
とくに「保安処分」等、微妙な人権問題に低触する部分があるが、地方自治体としても、識者を交えて
一歩踏み込んだ本格的な論議を開始すべきである。
B今回の痛ましい事件は、被害を受けた幼い児童にとって、心の傷は深いものがあり、我が党が強く
主張してきたスクールカウンセラーの全学校への配置など更なるケア体制の拡充に努められたい。

 知事は、「法を犯した障害者のために、法を犯していない障害者が差別を受けることがあってはならない。
両者を峻別する対策を検討する」と表明しました。
 また、同小学校関係者から今後の対応策について意見を聴くため6月25日に、北側一雄・党政調会長らと
同校を訪間しました。
山根祥雄校長始め大阪教育大関係者文部科学省、府、池田市の行政関係者が出席し、お互いが
名刺交換…?。
特に同事件担当の池田市助役と同校関係者が名刺交換したのには驚きました。
事件から2週間が経過して初対面ということは、学校と地元市の連携が取れていなかったことになります。
席上、このことが話題となりました。
関係者間の連携は、今後、長期にわたる児童や家族のケアには一体で取り組むことが大事です。
今回の訪問で連携窓口が明確になったことは間違いありません。


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