70 2003年6月号 |
2003統一選の課題
政策では投票率があがらない |
前号でもお知らせしたように、このたびの統一地方選の特長は全国的な投票率の低さにつきます。 投票率の低さは、有権者の政治離れがますます顕著になったということです。 全国的な傾向で、前半戦の知事選(52.63%、前回比4.15ポイントマイナス)、道府県議選(52.48%、 同4.22ポイントマイナス)、政令市議選(47.70%、同2.99ポイントマイナス)、といずれも過去最低でした。 後半戦の選挙でも、町村長選で前回比マイナス5.12ポイント、東京特別区議選で同マイナス4.13ポイントなど 軒並み過去最低を記録しました。 投票率は1951年をピークにずっと落ち続けています。 投票率を回復させるため、前回から時間延長までした効果は無しに等しく、制度をいじくっても限界が あります。 「平成の大合併」と市町村合併が叫ばれるなか、全国約3200の自治体の約8割が合併を検討し、 後半戦の首長選が実施された668市町村のうち約6割が合併協議会に参加しているにもかかわらず、 市町村合併が大きな争点にならなかったし、投票率も上がらなかったのは意外でした。 有権者にとって身近な政策が何であるのか。考え直す必要があります。 「地方政治がよく見えない」。「政党の存在感が乏しい」。「政党が信頼できない」という『無党派』の声が 聞こえてきます。 そのため、今回の知事選でも、候補者が政党と名乗らず、前回10人だった政党推薦の与野党相乗り 候補が今回は2人だけでした。 選挙で無党派の人に投票しても実態は、当選後の議会で政党の協力を得て運営しているでは ありませんか。 無党派を名乗る人に中央官僚や元国会議員出身の方が多いのもうなずけます。 選挙で『無党派』を隠れ蓑にしても有権者の人には次の選挙では気がつかれます。 このような繰り返しが、ますます政治離れを起こしているのです。 完全に政党が市民から信頼を失っているとは思いません。 政党の役割と首長のあり方が問われるわけで、首長に強いリーダーシップと個性が発揮され、政党とも 適度な緊張関係が保たれる自治体にこそ地方分権の時代に行き抜く存在があるのではないかと考えます。 |
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