75 2004年4月号
銀行税土壇場の攻防 メンツでなく府民利益優先
 銀行税は、府提案の0.92%から民主・公明修正案の0.9%で府議会閉会日に決着しました。
民主、公明が税率を変えたのは「与党会派のメンツと銀行団の意向に飛びついた」と一部の新聞報道が
ありましたが、正確ではないので舞台裏を明かにします。
 私は3月8日の代表質問で、「東京都が和解した0.9%より高い0.92%では、銀行団の主張に対抗
できないのではないか」と指摘。
東京方式で算出すると0.6%になり、府の0.92%に設定した根拠の正当性が乏しいと16日の総務委でも
追及しましたが、明確な答弁がありませんでした。
 その2日後の18日、全国銀行協会A部長より「あなたの議会発言を知りぜひ会いたい」と電話が
ありました。
翌19日、公明党控室に全国銀行協会、東京三菱銀行幹部が来られ、私は、あいにく枚方市でセミナーを
開催しており野田政調会長が面談。
「0.92%では訴訟を続けるしかない」と明言されました。
週明けの22日朝、報告を聞いた私は、A部長と電話会談。

鈴木「0.9%なら銀行団14行が納得するのか」。
A部長「可能性はある」
鈴木「出来るのならまだ1日チャンスがあるが」
A部長「ありがたい。1日待ってほしい」
鈴木「まとめられる担保がほしい」
A部長「時間がない。信頼してほしい」
鈴木「わかった」。
翌23日朝9時すぎ、「とりまとめられる」とA部長から電話。

これで大きく流れが変わりました。
民主、無所属クラブに修正案提出で働きかけ。
上阪していた銀行団も各会派を回り理解を求めました。
最大会派の自民党に共同歩調を働きかけましたが、翌日の団総会で拒否の返事。
 本会議最終日の24日は、目まぐるしい動き。
民主・公明・さわやかで修正案を提出。
総務常任委(15人)では、自民・共産(6人)が反対、民主・公明・無所属ク・さわやか(8人)の賛成多数で
修正案が可決。
本会議でも同様に可決。
 以上のように、銀行団の要求で動いたのではありません。
訴訟が長引くことは、両者に不利益です。
府が敗訴すれば、1年間で約4億円の還付加算金を負担しなければなりません。
0.02%下げれば実質5000万円の減収になりますが、府民の利益確保を最優先するなら、早急に和解に
入った方が得策ではないかと考えたからです。
 全国銀行協会のA部長が、たった1日で14行をとりまとめた手際よさも決め手になりました。
翌日の25日、全国銀行協会の三木繁光会長(東京三菱銀行頭取)より、わざわざ御礼の電話を
頂いたのには恐縮しました。
いまさら民間パワーの凄さを見せつけられた思いです。
議会という官の発想に閉じこもってはならないと反省した次第です。
4月にはいり銀行団の訴訟取り下げる動きが活発化してきました。



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