76 2004年6月号
パスポートの日曜交付

日曜と土曜がなぜ違う
費用と利便の見解違い 旅券法改正を見越せ!

 府民の視点に立ち利便の向上のために、パスポートの日曜交付を平成16年6月6日からパスポート
センター本所(大阪府庁新別館南館・午前9時15分から午後5時迄)で、実施されるようになりました。
「大変いいことだ」と喜んでおりました。
ところが、土曜日は交付していません。
日曜交付が出来てなぜ「土曜日」が出来ないのでしょう。

【府の言い分】
 総費用が現在よりも嵩まないことや、現在17府県で実施されているが、いずれも日曜日の開庁のみ
 だから。
 要するに予算がないから土曜日はあけられない。

【私の言い分】
 府のパスポート交付は、3カ所で行っています。
 発行件数は、平成14年度で27万4000件、本所が約5割、阿倍野分室(近鉄百貨店内)が4割強、りんくう
 分室が1割弱です。
 府民の利便と費用を理由にするならば、交通の利便も良く、日曜日に営業している近鉄百貨店内の
 阿倍野分室で日曜交付にする方がコスト安ではないか。

【府の言い分】
 阿倍野分室の面積が本所の5分の1で非常に狭隘で、混雑時の待ち時間や待合スペース不足などの
 問題を抱えており、日曜交付を実施した場合、待ち時間や行列ができトラブル等の増加が想定される。

【私の言い分】
 阿倍野分室が交付の4割を占めることや混雑しているならば、大阪北部の府民の利便性からすると、
 北部地域に分室を開設すべきだ。

【府の言い分】
 パスポートの申請件数は今後大幅な伸びがほぼ見込めない状況で、費用対効果の観点から非常に
 困難である。

【私の言い分】
 旅券発給の委託禁止規定を削除し、市町村に委託することが可能となる旅券法の改正が、
 議員立法により通常国会に上程される予定である。
 府が拡充するよりも、希望する市町村に支援策をとる方が、府にも府民にとっても得策ではないか。

【府の言い分】
 この法律が成立した場合、市町村における実施体制の可否等を勘案しながら対処していくことになる。

………堂々巡りの論議になりました。
これは、3月16日の総務常任委員会の質疑の要旨です。
「議員立法による旅券法の一部改正」は、5月27日の衆議院本会議で可決されました。
公布の日から2年以内に施行されるので、早晩、市町村でもパスポート交付が可能になります。
詳細は、府議会のホームページ会議録で全文がご覧頂けます。



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