77 2004年8月号
太田知事のフライング

配慮にかける発言
議会日程変更続々 距離縮める努力を

 6月15日の日経新聞夕刊を見て驚きました。
大阪府が7月1日にオープンする「JOBカフェOSAKA」の名誉館長に元財務大臣の塩川正十郎氏を就任
要請することが掲載されていました。
 その日の定例記者会見の知事発言は、「塩川元財務大臣は、若者に活を入れられる人だ。『働くことは
大事だ』と言ってくれると思うので、まだ、きっちりと話はしていないが、(名誉館長の)希望を私自身
持っている」。この発言が記事に。
 塩川氏は人物、識見とも申し分のない人で、特に「塩爺」と親しまれている人物で、私は否定するわけ
ではありません。
しかし、参院選直前で各党がしのぎを削っている最中に、勇退したとはいえ参院自民党候補の有力
支援者の人を推薦することは、「政治家」として配慮が足りません。
民主党・無所属ネットワークからも強い反発の声が上がりました。
 記者会見の時点では、府職員が塩川正十郎事務所の内諾を得ただけで、直接、ご本人と面談しておらず
明らかに、知事のフライングです。
 翌16日の私ども府議団会議でも話題になり、所管する府商工労働部幹部に、真意を訪ねました。
私どもや民主などの指摘をうけ、「この時期での公表はまずかった」と選挙後まで凍結することを表明
されました。
 名誉館長の選考には、当初は星野仙一氏、上沼恵美子氏などに交渉したがうまくいかず、塩川氏に
落ち着いたようです。
この間、知事から各会派代表に一言の釈明もありませんでした。
 その後の7月21日は、知事に対し、主要会派が当初予算要望とあわせ年2回行う府政運営に対する
要望の日です。
しかし、知事は、「国交省に陳情で上京したいので時間変更してほしい」と府職員から申し入れが
ありました。
府への要望事項は、各会派にとって重要な会合です。
 今年の5月議会でも、「全国知事会で発言したい」からと一般質問日を変更したことがありました。
 議運理事会で決定した日程を変更することは異例ですが、この時は、初めてのことでもあり申し入れを
受け入れました。
今回は違います。
議会日程変更を職員から伝達させることや名誉館長問題など知事の態度を見ると、2月の知事選から半年も
たたずに知事と各会派の距離が開いてきました。
知事から直接、各会派代表に電話一本すれば済むことです。
 21日の要望の席上で、議会との距離を縮め、信頼関係を深めようと、敢えて知事に苦言を呈しました。
今後の知事の姿勢を見守りたいと思います。


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