79 2005年3月号
寝屋川市立小学校教職員殺傷事件

安全確保緊急申し入れ
小学校に警備員配置 知事の素早い決断に評価

 2月14日に寝屋川市立中央小学校で不審者の侵入による教職員殺傷事件が起こりました。
 思えば4年前、大阪教育大付属池田小学校での児童殺傷事件の直後、北側一雄政調会長(現国交相)
らとともに同校を訪れた時のことを思い出しました。
教室には血痕が残り、痛ましい殺人現場を初めて見た私は「二度とこのようなことは繰り返してはならない」と
府や府教委に対し、安全対策をことあるごとに訴えてきました。
しかし、寝屋川小学校側も付属池田小の教訓を受け、不審者の侵入等の安全対策がたてていたにも
かかわらず、今回の事件が起こったことは極めて残念です。
 そのため、事件翌日の15日午後、知事公館で太田房江大阪府知事、竹内脩教育長に会い、小中学校の
安全確保に関する緊急の申し入れを行いました。
内容は、府内小中学校の危機管理体制の緊急総点検と危機管理マニュアルの見直し、教職員の
防犯意識の向上、また被害校に加え周辺の学校の児童・教職員に対し心のケアの充実、不登校生徒と
その保護者に対する相談事業の強化などを図るものです。
太田知事は、「各学校に対し危機管理体制の総点検を打ち出した。府としてできることはすべて行う。
マニュアルも見直したい」。
また、竹内教育長は、「臨床心理士、精神科医ら10人からなる現地対策本部を軸に心のケアなどに万全を
尽くす」と答えました。
 3日後の18日、早速、太田知事は小学校への警備員配置(6億2700万円)、子供の安全見回り隊(7300
万円)、引きこもり・不登校対策の強化(3700万円)を新年度から実施できるよう府議会に提案しました。
緊急申し入れから、わずか3日後の提案は画期的なことです。
 予算議会のまっただ中での決断で、府の当初予算に追加提案する慌ただしさでしたが、保護者や
学校関係者、教育委員会からは喜びの声が上がりました。
ところが、府内の市町村では、当初予算案が仕上がっていた時期と費用の半分を負担しなければ
ならないため戸惑いがありました。
府の独断専行との批判もありましたが、市町村と協議をしてからでは恐らく実施は半年先になっていた
でしょう。
子どもの安全には一刻の猶予も許されません。
本来、小中学校の整備は市町村で行いますが、府も財政状況が厳しいなかで予算措置したものです。
 私は、今回の太田知事の素早い決断とトップダウンのリーダーシップを、大変に評価をしています。


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