80 2005年4月号
代表質問一問一答3時間1分の攻防

大阪府庁舎はお役人のものか
答弁をしたくないのが本音? 観光スポット土日開放が実現

 欧米では県庁や市役所の庁舎を、土、日曜日でもシティホールとして住民や観光客に開放しています。
大阪府庁は、大正時代(1926年)に建築された貴重な建築遺産であること。
観光名所の大阪城の目前にあり、観光に来た内外の人が気軽に立ち寄れる立地であることから、
観光スポットのひとつとして「土、日曜などの休日に、本会議場、知事室の見学や吹き抜けの正面玄関
ホールを使いコンサートや府民ギャラリーに開放することが出来ないか」と考え代表質問のひとつに
加えることにしました。
執行部に質問通告すると、庁舎管理する総務部、観光の視点で企画調整部、商工労働部、コンサートなど
文化面で生活文化部と4部から総勢11名がヒアリングに来られました。
執行部からすると無理難題に映ったようです。
どの部も答弁したくないのが明白で、窓口を決めるのに私の面前で堂々巡り。
ようやく2日後に、庁舎を管理する総務部が担当することになりました。
そのときの答弁案が次の通りです。
「府庁本館は大阪府政の事務・事業の要の施設であり、約1800名の本府職員を初めとして、公用に
直接使用することが本来の目的である行政財産であることから、他の目的に利用することについては
一定の制限がある……(以下抜粋)」。
つまり、庁舎は役人のものであり、府民に利用させることは目的外使用にあたるという考えです。
皆さんおかしいとは思いませんか。
庁舎は府民の税金で建てられたものであり府民の財産です。
本来の府民のためという基本が欠落しています。
それでは、「今回初めて導入された一問一答方式で、どちらの意見が正しいか、質問回数無制限で
トコトン本会議場でやりましょう」と宣戦布告。
しかし、3日後の代表質問の本番では、はやばやと「関係部局と連携し17年度中には実現させる」と答弁。
これほどスピーディーな方針変更は、初めてです。
これも議会の活性化をめざし、今回の代表質問から導入された一問一答方式の効果でしょうか。
従来の一括質問方式は、再質問が2回しか認められておらず事前の答弁調整が行われるため、
これほどの答弁は引き出せなかったかも知れません。
その他にも観光局の設置、観光戦略アドバイザー制度・大阪版外国語対応認定制度・外国人ツアーガイド
制度の創設など多くの成果がありました。
しかし、3時間1分にわたる質疑時間は疲れました。
一問一答の模様は、3月4日のNHKニュースで放映されました。
鈴木和夫のホームページに転載(動画)していますのでご覧下さい。


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