83 2005年10月号
太田知事の衆院選

時間でなく真心が大事 高みの見物は公平か

 今回の衆院選は「小泉旋風」で、自民党新人候補者には思いがけない票が転がり込みました。
まったく予想もせず比例区単独で当選したどころか、搭載名簿が足らず社民党へ当選人が配分されるなど
異例づくめの選挙でした。
 その人の政治家としての真価が問われるのは、2期目と思います。
 政治家にとって選挙は、裁判のようなもの。
現職ならば「任期中に何をしたのか」の評価を有権者から「投票用紙」で審判を受けるからです。
その評価が得票数として現れます。
そのために全力投球するのは当然のことです。
しかし、選挙は、候補者の力量だけでは勝てません。
多くの支援者の力を借りて総力戦で行うものです。
全く顔も知らない人が熱烈に応援してくださることもあります。
必死で応援して下さる人のことは忘れられるものではありません。
 前回(04年)の知事選では、江本孟紀さんの出馬もあり私たちは初出馬の時以上に太田房江さんに熱烈な
応援をしました。
 ところが、今回の衆院選では、太田さんは、支援をうけた自民、民主、公明のどの陣営にも応援演説に
行かず、まったくの高みの見物、ダンマリ作戦。
府議会ではオール与党の自民・公明、民主が、衆院選では、与党VS野党の対立で遠慮されたので
しょうか。
9月26日に知事公館で知事と意見交換する機会があったので聞いてみました。

鈴木「なぜ各陣営の応援に行かなかったのか」
太田「候補者が多く、全てに行けないから」
鈴木「知事選であれだけ応援をもらい知らぬ顔はないでしょう」
太田「行けない人が出ると公平性に欠けるから」
鈴木「演説は時間的に無理でも、選挙事務所に激励に行けたでしょう」
太田「これから、そういう意見があるなら前もって言ってくださいよ。」
鈴木「……」

 知事の返答には驚きました。
言われなくても、2回も厳しい選挙の洗礼を受ければ、痛いほど分かる筈ですが?
 応援演説でマイクを握らなくても、応援してくれた3党の候補者選挙事務所を訪れるくらいの時間は
作れたと思います。
直接会えば気さくな人柄で好感をもてる知事です。
訪問するだけでも、陣営は活気づき喜ばれます。
官僚出身の体質から脱却し、気軽にカッコをつけず出向けるナニワの「オバチャン知事」で良いと
思うのですが。



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