90 2006年6月号
波乱含みの府議長選

2年ぶり自民の周到な議長奪還
協調姿勢で多数派工作が成功 民主へ昨年の“義理”果たせず

 今年の府議会議長選も波乱含みで終わりました。
 第1党の自民党が過半数に達せず、これまでの「自由奔放な議会運営」や議長経験者ら幹部3人が逮捕
されたことなどから昨年は、公明党の美坂房洋氏を民主党無所属ネット、主権おおさか(現=府民ネットおお
さか)、富田林市民クラブが擁立し、自民候補を1票差で破り33年ぶりに非自民の議長を誕生さしました。
(本誌17年6月号、HP一筆啓上82参照)
 次は、私ども公明が民主の議長候補者を擁立するのは昨年の“義理”を返すうえでも当然のことです。
しかし、非自民議長の誕生で、議会運営上の混乱が各方面から危惧されましたが、逆に、自民は議長
ポストを失ったことから、各会派に協力的な姿勢を重視してきました。“議長奪還”への一貫した協調姿勢は、
議会の雰囲気をかえ始めました。議長選への自民の動きが活発だと民主に忠告したほどでした。
 特に、政党に所属しない議員集団の府民ネットの態度が勝敗を決すると着眼した自民の早い時期からの
アプローチは凄まじいものがありました。
 選挙になれば、自民・共産の51人に対し、民主・公明で48人。諸派2人が仮に民主側でも51対50。府民
ネット(8人)が二分しても1票差で民主候補が敗北に。
府民ネットが“草刈り場”にされ、二分すれば会派分裂の可能性もでてくることから、私ども会派は、昨年の
経験から選挙を避けるべきとの意見が大半を占め話し合い決着を提唱してきました。
 大詰めで、自民が監査委員ポストを府民ネットに譲ることが判明したことで、昨年の非自民議長の枠組みが
崩れ勝敗は決したと私たちは判断しました。
 その間にいろんな怪情報が流されました。一部新聞報道で、35年間独占してきた警察常任委員長ポストを
“公明対策“のため譲ったとされましたが、事実は民間校長問題などで府教委を所管する教育文化常任
委員長を自民が希望したためであり、“取引”ではありません。
それでも民主は、「負けない」と選挙を主張されましたが、私どもの票読みから敗北は確実で負ける選挙は
出来ないと申し入れ、最終的に、民主の立候補辞退で、自民の議長が誕生しました。
 自民が議長奪還に成功したのは、各会派と不必要な摩擦をさけ配慮を続けてきたこと、周到な議会対策が
早くから行われたこと、議会3役の監査委員ポストを辞退したことなど議長ポストへの執念が勝ったのでは
ないでしょうか。
 これからも民主的な議会運営が確保されなければなりません。もとへ戻るなら再度、非自民議長への
挑戦をしなければなりません。
民主とは今後も議会改革を目指して友好的な関係を保つよう申し合わせをいたしております。念のため。


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