96 2007年7月号
全額返還の政務調査費

不明確な使途基準は議会責任
外部監査人の基準根拠も曖昧 後払い清算方式の導入を提案

 府議会の平成16年、17年度政務調査費の外部監査人(弁護士)による監査で、一部、目的外支出と指摘
されました。
 見解の相違や不明確な判断が散見されますが、府議会が承認した監査人による結果であることを真摯に
受け止め、どこの会派よりもいち早く指摘された全額を返還することにしました。
ご心配をおかけし深くお詫び申し上げます。
 個人分で、指摘された最高額の人は1176万円。最低はゼロ。平均は255万円。
 私自身は、誠実に調査研究活動に支出してきたと自信を持っていましたから、外部監査人に提出する
領収書は1万円以上ですが、私は全ての領収書を提出しました。ところが、全議員114名中103番目の低さ
でしたが約33万円が目的外支出とされました。
 内容を紹介すると、事務所の経費が認められているのに、自宅から事務所までの交通費が否認。
少額のタクシー代も領収書を添付しているのに説明も聞かず否認。ガソリン代は年間約25万円ですが、
個人使用を差し引き約10万円だけを計上したのに1/2は否認。携帯電話代も1/2の按分。議会手帳や
名刺は否認でした。
 特に、名刺は、調査研究で国や地方自治体を訪問するとき、身分や立場を明確にするための手段として
必要です。
 私は、名刺を政務調査用と一般活動用に区別して使用しており、一般活動用名刺は、政調費で計上して
おらず、年間200枚の調査活動用名刺を否定されることは政務調査そのものの否定になり強く反論しまし
たが、外部監査人は、弘前市議会の判例をもとに認めませんでした。
 これまで使途基準を明確にしてこなかった府議会に責任がありますが、今回の個別外部監査にも、二つの
問題点がありました。
府が毎年行っている包括外部監査は、一テーマを弁護士6名、公認会計士6名程度がチームを組み、1年
がかりで監査を行っているのに対し、今回の監査期間はわずか46日で、8会派と個人114名の2カ年分を
4人の弁護士で行うものでした。
 先ほど紹介しましたように、外部監査人に一貫した根拠がなく、他自治体の判例を監査基準にしており、
4人の監査人の基準もちぐはぐで、同じ品目で判断が違うケースが多々ありました。
目的外支出が"ゼロ"とされた議員の場合、多額な家賃、人件費が大半で、調査研究費はゼロ。
事務所経費の上限基準を決めていない結果です。
 いずれにしても、府議会に「政務調査費のあり方協議会」を立ち上げ、9月議会を目途に、使途基準の
明確化などの検討に着手していますが、府民の皆様にご理解していただけるよう、さらに@減額を含めた
支給額の見直し、A領収書の全面公開、Bチェック機能強化のための第三者機関の設置、C実現すれば
全国初になる毎月清算の後払い方式の導入などを提案し、実現に向け懸命に取り組んで参ります。


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