108 2008年9月号
東京で出前府議会

超党派で知事と一致団結
地方から政府に議論挑む 霞ヶ関の役人に怒り心頭

 8月28日に東京で大阪府議会を催した「大阪府議会フォーラムin東京」は、マスコミからも「出前議会」と評され、大きな反響を呼びました。
 日頃は、主要会派の自民・公明対民主・共産という構図や知事と府議会の対決ですが、このときばかりは橋下徹知事と思いを一つにして政府に訴えることになりました。
 これは、大阪府がすべての事務事業、出資法人、公の施設を聖域なくゼロベースで総点検・見直しを行い、今年度だけで1100億円という削減をしたにもかかわらず、地方にとって必要な財源を賄うことができない税収制度や政府からの関与や義務付けなどの課題が5月、7月議会で知事や各会派から出されたことから実現したものです。
 国へは要望書が定番ですが、橋下知事の存在からアピール度が高いフォーラムを選択したわけです。だから民主・共産のパネラーから連立与党批判でなく、政府へ意見を言うことで一致したことは意義のあることで、他府県議会からも注目されました。
 当日の司会進行役の私としたら、主要会派のパネラーよりも橋下知事が「過激発言をするのではないか」と心配しましたが、「霞ヶ関解体」を声高に言われた程度で、取り越し苦労でした。府議会が主催と言うことで遠慮されたと思います。
 場内には在阪の自民、民主、公明、共産、社民の国会議員も20名も参加していただきました。しかし、コーディネーターを務めていて、国会議員の皆さんにも発言をして頂ければ良かったのではないかと思いました。
ある女性国会議員を見ると「私にも発言させてよ」と言わんばかりで、発言してもらってもと思いましたが、パネラーとの事前打ち合わせで発言を求めない事になっていたので申し訳ありませんでした。 機会があれば、ぜひ国会議員の皆さんと議論したいと思っています。
 その後、首相官邸でハプニング。
 町村信孝官房長官に、要望書とフォーラムでの決議文を手渡すために、知事と一緒に首相官邸の官房長官室に到着しましたが、面会予定時間より約10分早かったため、総理大臣宛の要望書を総理大臣秘書官に渡そうと官房長官秘書官に取り次ぎを頼みました。
 同じフロアーだから連絡だけでもしてくれると思いましたが、「総理大臣秘書官のアポを取っていますか?」、「アポなしではだめですよ!」と冷たい対応をされ、その場がシラケました。
 最後の要望を終了した総務省で知事と合同記者会見をした時、知事から「首相官邸の役人の態度はとんでもない。880万府民の代表の知事と府議会が来ているのに、何という態度か」と憤懣を披瀝しました。私も何度か同じ経験をして、霞ヶ関の役人の態度はそんなものと思っていた自分の惰性を反省しました。翌日のメディアには要望の内容より霞ヶ関の役人への不満が記事になる始末、知事の「メディアへの売り込み」の凄さには感心!。

福田総理大臣の辞任
 大阪に戻って4日後の9月1日の防災の日に、岸和田市で行われた政府の総合防災訓練に福田康夫総理大臣が出席され、式場では総理大臣、府知事、府議長の隣に座らせていただき、淡々とした物腰で話をされている姿を見て、その日の夕刻に辞任表明されたのには驚きました。首相官邸の役人に取り囲まれていると世界が見えなくなるのでしょうか。一寸先は闇の政治の世界ですから。



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