119 2010年1月号
国家要望も様変わり

第2京阪道料金で国交省へ
ETCを否定する担当課長 省庁に直接要望できない訳

  昨年の12月号で紹介した割高な第2京阪道路通行料金見直しを、12月17日、府議会第2京阪議連役員と府幹部職員で国交大臣、官房長官に要望しました。(料金制の詳細は前号を参照して下さい)

 有料道路課長との会話――。
【鈴木】区間料金制でなく、距離制か割引制を導入して欲しい
【課長】距離制にするには料金所設置が必要}
【鈴木】今頃、料金所を造れとは?
【課長】区間制は地元の要望だ
【鈴木】なぜ?
【課長】一旦停止で排気ガス、騒音発生するので、料金所を少なくするよう建設当時から地元の意向があった
【鈴木】その当時とは20数年前のこと、ETCが導入され状況が違う
【課長】地元でよく議論してほしい
【鈴木】今日は地元を代表してやって来た。今更そのような議論はできない
【課長】現金利用者もおり、ETC利用者だけの特別扱いはできない
【鈴木】!?

 有料道路課はETCを普及させる立場でありながら、ETCを特別扱いできない答弁にはびっくり。まったく聞く耳のない態度には開いた口が塞がりませんでした。
 その後の前原誠司大臣との面談時に有料道路課長も同席。

【大臣】要望内容は理解。担当課に指示を出したので必ずフォローアップする
【鈴木】担当課とは相当、意見の相違がある
【大臣】(課長に)なぜ距離制ができないのか
【課長】距離制が望ましいが…
【大臣】対距離導入不可の原因が料金所の問題なら、ETC車限定にすればよい。私の案はいいと思わないか?
【課長】検討する

いかに省庁の官僚のしたたかさがお判り頂けたと思います。
これまで料金制の見直しを毎年要望してきたにもかかわらず、開通直前になって料金所設置問題を理由にされても間に合いません。
出口部分ににETC受信機器を設置すれば対応は可能な筈です。

■要望一元化は民主の選挙戦略 自治体や業界団体への踏み絵■
 もう一つ、困った出来事がありました。
 これまで第2京阪議連の要望は、北河内沿道の自民・公明・民主党の国会議員が窓口になり、国交省の大臣や官僚に取り次いで頂いていましたが、民主政権に変わり民主以外の国会議員は排除されるようになりました。
 まず民主大阪府連に民主議員を介して要望を行い、受け入れられると国会の党本部幹事長室に要請、担当副幹事長が選別のうえ、ようやく国交省に要望できる仕組みです。
 幹事長室である国会議員は、「これだけ大量の要望を処理するのは大変だ」と嘆いておられました。
 地元でない全国の要望内容を国会議員が官僚のように把握するのは大変なことです。
 自治体や業界団体からの要望・陳情を省庁の官僚に受けさせないのは、政官業の癒着を排除するからと言われますが、小沢一郎幹事長が師と仰ぐ田中角栄元首相への“目白詣”の小沢一郎版でしょうか。
 要望を一元化する方式は、民主の支持拡大を図る選挙対策そのもので、従来から超党派で支持をうけてきた首長や業界団体は、「民主支持への踏み絵だ」と言われています。
 過去の自民時代に行ってきた選挙支援の圧力を民主でも行おうとしていると映ります。



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