125 2010年8月号
参院選の世論調査の裏側

読めなかったお笑い票
限界に来た調査方法 NHK異例の20時当確

 猛暑のなかでの参院選は終わりました。
大阪選挙区は10人が立候補し大激戦。これまでの選挙では3議席を民主党、自民党、公明党が分け合ってきましたが、民主から二人目のタレント候補の岡部が出馬、支持率の高いみんなの党の川平の立候補によって状況が一変しました。
 民主、自民、公明、共産の固定票から基礎的な票読みが出来ますが、大阪には、横山ノック、西川きよし、橋下徹が得票した“お笑い100万票“といわれる票の行方によって勝敗が決まります。私は岡部と川平が分け合うのではないかと思いました。台風の目の岡部がどれだけ得票するのかがカギです。
 注目されるのがマスコミの世論調査。石川博崇選挙事務所の副事務長として、マスコミの方々と接する中で、今回ほど混沌とした情報が交差したことはありませんでした。
 公示直後の世論調査(別表)では、A社は@岡部、A石川、B北川、C尾立。Y社は@尾立、@北川、B岡部、C石川。M社は@尾立、@北川、B石川、C岡部。K社は@尾立、A北川、B石川、C岡部。N社は@北川、A尾立、B石川、C岡部。F社は@尾立、A石川、B岡部、C北川と各社で順位がまったく違う結果です。特にA社は他社と比べまったく逆な結果です。
選挙結果は、@石川、A北川、B尾立、C岡部の順位でした。世論調査で石川を1位にしたのは、K社の投票日直前の2回目調査分だけでした。
 マスコミ世論調査は、投票当日の開票速報のため、新聞社よりもテレビ局が精度が高いと思います。投票当日、NHKから「石川候補がトップ当選しそう。投票締め切りの20時に当確を打つ」と言う一報が入りました。
民放でなくNHKが20時に当確を打つことは異例のことでした。それほど、混沌とし読めない選挙であったことは事実でした。
 地域、サンプル数など調査方法の違いがあるとしてもこれだけ結果が違えば調査そのものの真価が問われます。これらの調査結果を判断材料にして投票する有権者もおられ、選挙報道の影響は大きいものがあります。
 各社とも調査先が一般家庭の固定電話に行っており、在宅される層が限定され、携帯電話を主流にする若年層やサラリーマン層の意識が反映されず、偏りがあります。ネット普及を考慮すると調査方法を見直す必要があります。
 石川選対では、調査結果に一喜一憂していては選挙に勝てるはずもなく、厳しい結果を発憤材料にして、昨年の衆院選小選挙区で完敗した辛い思いをバネに、選挙中盤から大きなエネルギーとなりました。街頭演説会や個人演説会では予想を超える多くの方が参集され、支持者の熱烈な支援で調査結果を覆し、トップ当選させて頂きました。(敬称略)


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