2004年・春号(バックナンバー)


府議会だより
 

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  1. 中村議員が太田知事らに代表質問
  2. 銀行税で修正案を出し、可決
  3. 教育課題の解決へ論戦をリード(常任委員会)
  4. 鳥インフルエンザ事件で現場を視察 
  5. 第二名神高速道路の状況を調査 
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  1.中村議員が太田知事らに代表質問 

  3月2日から始まった「大阪府議会3月定例会」で、中村哲之助議員が3月8日、代表質問を行いました。 先月の知事選挙で当選し、引き続いて府政を担当することになった太田知事は議会初日、向こう4年間の府政運営の基本と決意を表明しました。これに対して各党・各会派から3日間にわたって代表質問が行われ、中村議員が民主ネット議員団を代表して質問したものです。
(写真)代表質問の中村議員
 中村議員が取上げたテーマは、
  1. 子ども達を育み安全な環境をつくる施策
    • 35人学級の促進
    • 児童虐待防止と24時間保育
    • 保育所待機児童ゼロ実現
    • 少年サポートセンター(補導)の充実
    • 定時制高校の充実策
  2. 厳しい雇用環境の中で雇用を促進する施策
    • リストラの中の中高年齢者
    • 若年者対策としてのJOBカフェ
    • ITを利用した障害者雇用の促進
  3. ひったくり・凶悪な犯罪の多発する大阪の安全対策
  4. ますます進むIT化の中で安全なデータセンターづくり
  5. 銀行税対策
  6. 福祉医療制度の改革とセーフティネット整備
  7. 鳥インフルエンザの蔓延防止と被害者救済・食の安全
  8. 公共事業での下請業者の保護
  9. 歩行者・自転車などの安全な交通政策
  10. ダム事業・道路整備などの対応
「代表質問」 詳細はこちらから (PDF・129k)

  2.銀行税で修正案を出し、可決 

 3月定例会の主要なテーマである「銀行税条例」の改正議案は、新年度から外形標準課税が実施されるため、府の銀行税は03年度限りで失効します。これまで知事は、大阪府の条例では税率が3%で徴収すると決めているものを、東京都が同じ条例で東京地裁・高裁で敗訴していることから、大阪府も東京都と同じように敗訴すれば、還付加算金を支払うのは大変なため、徴収を見送ってきました。そして、先に、東京都が最高裁で0.9で和解したことから、知事は府の銀行税条例3%の税率を、0.92%に引下げる案を提出したものです。
 中村議員は代表質問で、「0.92%では本当のリスク回避にはならない」と指摘しました。民主議員団は、その後の総務常任委員会などでの状況を考慮して、リスク回避のためにどうするのかなどをいろいろと議論の末、「0.9」ならリスク回避ができると判断し、0.90%にした修正案を出したものです。詳細はこの間、毎日のように新聞などで報道されていましたので、省略します。

  3.教育課題の解決へ論戦をリード

 中村議員は所属する文化教育常任委員会でも、多くの直面する課題を取上げて奮闘しました。今回重点的に取上げた課題は、
  1. 邦楽教育の推進
  2. 障害教育対策
  3. 児童虐待とその防止策・不登校問題
  4. 私学の振興対策
  5. 悪徳商法から消費者を守る対策
邦楽教育の推進

 邦楽教育は、三味線や箏などを用いるもので、2年前に文部科学省が「邦楽教育」を学校の授業の中に取り入れることを義務付けたものの、未だに十分とは言えないもので、関係者からその充実が望まれています。
 中村議員はこれを取上げ、学校での授業の充実を図るように求めました。

障害教育対策

 障害教育では、

  1. 養護学校と養護学級
     近年、小学校中学校へ入学する子どもたちが減り続けているのに、逆に養護学級・養護学校へ進む子どもたちが年々増加し、さらに、重度・重複の子どもたちへの対策が特に求められています。しかし、これに対する教員が専門的な知識を持っていない場合が多く、具体的な支援策が必要だと、中村議員は昨年の委員会でも指摘してきました。今回の質問は昨年の続きで、これに対する教育委員会の取組みの充実が答えられたものです。

  2. 知的障害を持つ生徒の高校入学
     知的障害のある生徒の高校受入れ事業がスタートして3年が経過し、先日、初の卒業生を送り出しました。今後、どのような形でこれを推進するのか、その方向性を示す時期にきています。

  3. 障害教育のシフト
     これまで、障害教育は常に「養護学校」重点できています。全日制も定時制もダイナミックに改革をすすめている今、障害教育でもノーマライゼーションの理念に基づいて、今後は地域に軸足を移していく必要があります。府教委は「新規事業の相談・支援事業も盲・聾・養護学校改革の第一段階として位置付けている」と答えました。


児童虐待と不登校対策

 岸和田市の悲惨な児童虐待問題は、私達に大きな問題を提起しました。この生徒は1年以上にわたって不登校で、不登校の影に虐待が潜んでいたわけです。いま、中学校では大阪府内の不登校は約9,000人も存在し、ゆゆしき事態です。
 中村議員はこれを取上げ、一人ひとりへのきめ細かな対策と、市町村ごとの不登校の実態公表と対策を求めました。

私学振興対策

 中村議員は私学振興対策として、

  1. 安全安心のために、ホイッスルなどの物品を購入するなどした私学への助成対策
  2. 就職困難者が増加する中で、特に専任の担当教員を配置するなどの措置を講じている学校への手厚い支援策
  3. 大胆な私学助成措置を展開する方策
などを、具体的な提案を含めて質問しました。


悪徳商法への対策

 最近、消費者を悪質な手口で騙したり脅したりする商法が多発しています。消費生活センターへの相談・苦情を調べてみると、使った覚えもない電話代の請求や、債権回収業者を名乗る者からまったくでたらめな請求書を送りつけるなど、様々な手口があります。
 中村議員はこれを少しでも減らすため、警察などと連携して対応するよう求めました。


委員会で質問する中村議員

詳細は質問原稿の骨子を (PDF・40k)

  4.鳥インフルエンザ事件で現場を視察 

 中村議員は3月定例会で、鳥インフルエンザ問題を取上げ、このことは日刊紙などにも掲載されました。問題点は、
  1. 被害をこれ以上出さないために、まん延防止に万全を期すこと
  2. 風評被害などに対する適切な対応
  3. 幼稚園や小学校など、鶏を飼育しているところへの適切な対応    などです。
 また、中村議員ら民主党議員団は、鶏を食品として加工している事業所とその安全対策がどうなっているのかを先日、視察しました。
 ここは府の検査員も常駐している優秀な施設で、安全性に問題はないと思われましたが、今後も十分に気をつけて府民の食の安全に寄与してほしいとお願いしました。
 一方、この施設の経営者はじめ関係者は、「鳥インフルエンザ事件以来、府民は鶏を何か敬遠するようになってしまい、最近では半分近くになってしまっている。このままでは営業が成り立たない」と、強い懸念を示されるとともに、十分な対応をお願いしたいと要請されました。
 中村議員やこの施設を訪問した議員団はこぞって、「さっそく十分な対応ができるように取組みたい」と答えました。

  5.第二名神高速道路を視察 

 中村議員ら第二名神高速道路の建設予定地の関係議員で構成する「第二名神建設促進議員連盟」は7日、建設工事が急ピッチで進む栗東地域などを視察しました。地上70mの高さで建設されている道路や、トンネル工事を見て、改めて大阪の近くまで進んでいることに気付きます。道路公団や府の担当者、現場の工事責任者らの話の中に、国幹会議(今後の国の幹線道路をどうしていくかという会議)の結論がどうなるのか、大阪地域は本当に進んでいくのかという「不安」があることが随所に出ていました。

トンネルの中を視察する中村議員
 いま高速道路のあり方、公団の民営化などの議論が盛んです。北海道や東北地域など、車の通行がほとんどなく、赤字路線になることは分りきっているのに、政治的に進めてきたこれまでの「ツケ」をきっちりと整理することは大事ですが、だからといって、交通渋滞の中で、経済活動も大きく損なわれる大阪などでの整備とは訳が違います。第二京阪道路とともに、第二名神も極めて重要な道路です。一日も早い開通のために、中村議員らは議員団で、精一杯頑張らなければと語りました。


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