バックナンバー 2017年 秋号
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1.課題山積の定例府議会

 秋の定例府議会が始まり、開会日の冒頭に松井知事が府政運営に関する考えを述べ、各党からの代表質問・一般質問が行われました。

挨拶を兼ねて考え方を述べる松井知事

 この議会は、IR、大阪市廃止・特別区設置構想、府立大と大阪市立大の統合問題、カジノ、万博、消防の広域化、成長戦略…と、本当に大きな、また重大な案件が多く並んでいます。ただ、解散総選挙が突然実施されたため、議会の日程を大幅に修正し、一般質問終了後、休会になってしまいました。中村議員らは国政選挙であると言っても、やはり議会はしっかりと開くべきだと主張しましたが、維新と公明は日程変更を主張したため、総選挙終了後に、8常任委員会を開催することになっています。具体的な質疑は26日から再開となりますので、ご了承ください。


2.知事の所信・考え方は疑問?

 9月27日の定例議会の冒頭、松井知事が議案の提案説明とともに「府政の課題に対する考え方」を述べました。
 知事は2期目の折り返しを目前にして、「これまでの改革の方向性をさらに加速し、大阪の成長を軌道に乗せていく。さらにその成果を府民の暮らしの豊かさやセーフティネットの充実につなげていく」と延べ、次の課題を強調しました。

■成長《万博・IR》

  • 成長への大きなインパクトになるのが、万国博覧会の誘致だ。相手はいずれも強敵だが、国・自治体・経済界が一丸となって誘致活動を展開し、開催に勝ちたいを勝ち取りたい。
  • ・新たな観光資源となるIRは、そのための重要な仕掛けだ。他の自治体に先駆けて、大阪が目指す。IRの姿を示し、ギャンブル等依存症などの懸念事項を最小化する手立てを検討していく。ビジネス客からファミリー層まで安心して楽しめる、世界最高水準のIRを核とした国際観光拠点を実現させたい。
  • ・都市の成長には知的インフラの中核をなす大学機能が不可欠だ。府立大と市立大を統合して全国ナンバーワンの公立大学にし、都市問題の解決などに貢献するため、まずは大学を運営する法人の統合をしたい。

■安全・安心・災害
 成長と合わせて、府民の暮らしを支える「安全・安心」を確保するためのセーフティネットの充実に力を入れる。子ども達が同じスタートラインに立って将来を目指せるよう、困窮世帯への経済的支援、学習環境づくり、孤立を防ぐ取組み、子育て環境の整備などに力を入れる。
  • 九州北部の豪雨災害を教訓として、自然災害から府民を守るための事業を確実・迅速に進めていく。
◆問題が多すぎる
 松井知事が本会議で述べた考え方は非常に短時間で簡単なものでしたが、中村議員は「相当な問題・課題を含んでいる」と語っています。
 まず、IR・カジノはいま大阪で開設すべきではありません。さらに、2大学の統合問題も先に開かれた大阪市議会の委員会で、統合後の姿が充分に見えない、府市の運営費負担をはじめ大学運営がこれまで同様にきっちりと出来るのかなど、多くの問題点が指摘されています。
また、安全・安心に力を入れ、セーフティネットの充実を図ると言いながら、住吉市民病院の廃止など、地域の方々が大変な不安を感じている課題なども方向が見えません。
 中村議員は、「国政は大きく変わったが、府政の課題は変わることがない。これからも問題点はしっかりと指摘していきたい」と述べました。


3.中村議員が政調会などで取上げている課題をお知らせ

 9月定例会は開会の約3週間前に政調会が開かれ、この場で府の担当部局が会派毎に、順に提出予定議案や補正予算案のあらまし、主要事業の取組み状況などを説明し、議員からの質問などが行われます。
 これまで民主党議員団時代には、会派に多くの議員が所属していましたので、福祉・医療分野はA・B議員、教育関係はC・D、街づくりなどの分野はE・F議員というようにそれぞれ分担して専門的に取り扱ってきました。従って、それぞれの分野を精査し、政策提言や質問を行うことができましたが、現在はただ一人になってしまいましたので、このような取組みはできません。
 そのため、中村議員は政調会での質問だけではなく、政調会前後に書面で、現在進めている事業の成果・課題がどのようになっているか等を取上げるとともに、各部局担当者との意見交換などを通じて考え方を伝えるなどしています。今号では、政調会と各部局との意見交換などで取上げた約55項目の府の事業の内、主なものをお知らせします。

政調会の様子
会派ごとに実施されますが、少数会派の場合は合同開催です。


政調会で質問する中村議員

 人口減少、高齢社会の中で、移動に困難が生じる人が今後ますます増加することが予測されるだけに、公共交通の維持と活性化は欠かすことができません。さらに交通機関の利用が安全であることや障害のある方にとっても利用しやすいものとなるよう、今後の精力的な取り組みが必要です。

◆公安委員会
 成長と合わせて、府民の暮らしを支える「安全・安心」を確保するためのセーフティネットの充実に力を入れる。子ども達が同じスタートラインに立って将来を目指せるよう、困窮世帯への経済的支援、学習環境づくり、孤立を防ぐ取組み、子育て環境の整備などに力を入れる。
  • 新型LED信号の切り替えの現状と今後の計画。
  • 警察官の「職務質問能力が劣化している」との報道があった。府警はどんな取組みをしているのか。 → 指摘のとおりだ。精力的に研修などを実施し、効果が出始めている。
  • 関空で在日中国人の悪質な白タクが横行(約1,200人が登録)していると言われる件でどのように対処しているのか。
  • 特殊詐欺被害の実態と取組みはどうなっているか。
    → 今年1月〜8月で約1,200件、対前年比約20%増。被害額も昨年だけで52億円超となっている。
  • 警察庁による都道府県別の「体感治安」が大阪は昨年最下位と発表されたが今年はどうなっているか。
◆政策・危機管理
  • 防犯カメラの設置補助金の現行ルールを見直してほしいと市町村から要望されていることに対してどうするのか。
  • 震災避難者「大量の集計漏れ」と題して、ズサンで府の支援姿勢を感じないとの新聞記事(6月)があった。失敗・間違いはありうるが、ズサンというのは許されない。どういうことか。
  • 日刊紙で福祉避難所のあり方と、その周知に厳しい論評。大阪府内の状況はどうか。
  • 部落差別解消に向けた取組み姿勢の後退が指摘されている。
  • JKビジネスは大きな社会問題であり、早期に規制条例を。
    → 指摘のとおりだ。適法な営業を装いながら、性的サービスを提供させる店舗が存在している。来年に条例案を提出できるよう審議会で検討を進めている。
  • 各地の災害を受け、大阪府の受援体制を強化していく方針が出されているが、どうなったか。
  • 枚方市駅前再整備構想が「国・府・市連絡会議」の中で、府はなぜB街区への移転が好ましいと考えたのか、このことによって財政負担はどの程度になると予測しているのか。
◆府民文化・ I R
  • 民泊が増加しているが、「やみ民泊」が横行している。この状況はどうなっているか、また防止対策の効果は上がっているのか。
    → 今年春の調査で、府が所管するインターネット仲介サイトを再調査したところ、違法民泊と思われる掲載は308件だった。営業をやめさせた件数は108件。
  • 海外からの来訪者向けに交通標識をはじめとした整備・見直しを行っているが、現状はどうか。
  • 男女共同参画を進める ため、女性活躍のための公共調達制度の導入等が叫ばれているが、府の状況はどうなっているか。
◆都市整備
  • 自転車ネットワーク計画の状況。
  • 各地域における再開発計画への助成(補助)は近年どうなっているのか。現在、府内でどの程度が計画しているのか。
  • アドプトロードなどの制度は最近、有名無実化しているとの批判がある。現在の府の活動状況はどうなっているか。
    → アドブト団体は現在、道路、河川など約640ある。昨年1年間で解除となった団体は19団体、新規登録は9団体となっている。
◆教育と子ども
  • 府内市町村の少人数学級の状況と市町村の超過支出の状況はどうなっているのか。府は市町村が実施するこの施策を積極的に支援すべきだ。
  • 学童保育事業へ「異業種」が相当参入していると言われているが、現在その実態はどうなっているか。
  • 昨年からスタートした義務教育学校発足1年の成果と課題はどうか。
  • ブラック企業問題やブラックバイト、過重労働などが大問題となっているが、若者に「ワークルール」について学ぶ機会をどの程度とっているのか。中学・高校でもしっかりと教えよ。
  • 中学校の部活で外部指導員は現在どの程度存在し、報酬はどうなっているか。また、顧問教諭の暴力や暴言を指導の一環として今なお容認する姿勢がある。根絶に向け、実態把握状況を報告してほしい。
  • 再任用教員の配置の状況と勤務体系はどうなっているか。校長・教頭、担任持ち・担任関係なし…、現場で時々生じる長期の病気休暇などの際の混乱にどう対処しているのか。
    → 今年度の再任用者は約2,100人。その内、校長は57人、教頭は14人。校種別では高校が半分以上を占めている。
  • 教員の勤務時間把握のためのタイムカードなどはどの程度導入されているか。
◆総務・財務
  • 2月に発表した府の財政の粗い試算の見通しは現時点で大きな変化はあるか。
  • 庁舎の管理と駐車の有料化、無料のところはどこにあるか。駐車場は原則すべて有料にすべきだ。
  • 府の補助・助成のルールの見直しはどうなっているのか。
  • ふるさと納税による府の税収の変化。
  • 職員の職場環境とスキルアップはどう改善されたか。
  • 枚方市駅前再整備構想が「国・府・市連絡会議」の中で、府はなぜB街区への移転が好ましいと考えたのか、財政負担はどの程度になると予測しているのか。
◆福 祉
  • グループホームへのスプリンクラー設置の義務付けに対する消防との協議などはその後どうなったか。
    → 府内各消防との協議は難航した。そこで、消防庁と協議を重ね、一定の方向性を共に確認した。スプリンクラーの設置免除基準の代替案の適用例などを説明する冊子も用意し、配布する。
  • 重症障害児の保育園開設が堺市で実施されるが、他の市町村での計画は。
  • 病児向け訪問保育の実施状況は現在どのようになっているか。
  • 障害者差別解消法施行後の状況、関係者の声はどうか。具体的な事例も。
  • 就労継続支援A型の事業所が相次いで閉鎖と新聞に掲載されているが、大阪ではどうか。また閉鎖となってしまった際のフォローはきちんと出来ているのか。
  • 市町村の生活保護への体制はどうか。ケースワーカー(CW)の過重な負担は軽減されているのか。
    → CW1人当たりの担当世帯数は大きくは改善されておらず、非常に厳しい状況だ。また保護費の不正受給などで変換等の徴収決定は昨年度、政令市を除いても2,700件を超えている。
  • 内閣府が今年初めに示した「企業主導型保育事業」について、府内の現状はどうなっているのか。
    → 国が認めた府内事業所数は76ヶ所で、1,739人分、全国一だ。
◆健康医療
  • 住吉市民病院問題は大きな混乱を生じさせ、現在は大阪市の再募集が行われているが、医療空白は生じないのか。
  • 歯科医師会への助成などが医師会に比べて低い状況に置かれていると指摘されている。休日・夜間診療などの事業は全国トップの実績もあり、しっかりと連携・支援していくべきだ。
  • 中核市へ移行した自治体の保健所行政は順調に執行されているか。
  • 小児救急電話相談(#8000)、救急安心センターおおさか(#7119)の推移はどうなっているか。
    → #8000は昨年度、約53,000、#7119は着信が25万件を超え、大きな役割を果たしている。(写真は電車内の吊り広告)

電車にもこんな案内広告がありました

◆環境農林
  • 九州北部や広島での最近の被害を考えると、治山ダム等の事業費はこのままで問題はないのか、もっと増額すべきではないか。
  • 府内の獣医師は足りているのか。
  • 食品ロス削減対策が必要だとして、今年度の新規事業としたが、この間の取組み内容と成果を聞きたい。
◆商工労働
  • 障害者の雇用促進への取組みは目標数値を達成できるのか。
  • 高等技術専門校の機能強化を進めるとしていたが、どうなったのか。また、技専校は近年、定員割れが目立つがなぜか。
  • 産業医を十分に活用できていないのではないか。メンタルヘルスを初め、実態はどのように把握しているのか。
◆住宅まちづくり
  • 管理不全分譲マンションへの対策の現状。
  • 府営住宅の空き家活用の現在の実態。(保育所、若者の就職サポート 他)。
  • サービス付き高齢者住宅での事故が多発していると報道されている。大阪ではどうなっているか。
  • 空き家バンクの市町村設置状況と府としての取組み成果はどうか。
    → 市町村の取組みが積極的になり、いま11市町村だが、今年度6〜7増加する見込み。
  • 高齢者・障害者向けの住宅計画はどの程度進んでいるか。
  • 府営住宅等の家賃見直しはどうなっているか。
         (民間分譲マンションの階層別の税見直しと関連して)


4.伏見市長が中村議員らに要望

 枚方市は来年度の大阪府当初予算編成にあたって、@安全・安心、A健康・医療、B都市基盤、C広域交通ネットワーク整備、D教育・子どもに関する事の5つの分野24項目の課題で配慮を求めました。また、これらの要望を地元選出の4人の府議会議員にも積極的な応援をしてほしいと、このほど伏見市長が直接、担当部長らとともに要請しました。多くの課題の中で伏見市長は、
  1. 市町村が設置する防犯カメラに対する財政支援
  2. 既設道路の交通安全対策や改良工事の実施
  3. 京阪本線立体交差事業の支援
  4. 加配教員の配置
  5. 子どもの貧困対策
を特に重点項目として支援を求めましたので、あらましをお伝えします。

防犯カメラ
 防犯カメラは、犯罪を考えている者に犯行を思いとどまらせる抑制効果、住民への安心感、犯罪発生時の捜査への活用という3つの効果が期待でき、安全・安心なまちづくりに寄与する力は極めて大きなものがあります。
このため枚方市は防犯カメラの設置に積極的に取組んできましたが、設置費用は高額なため、市町村が設置や更新を進める防犯カメラ整備事業への財政措置を講じてほしい。

交差点改良等
 既設道路の改良対策などでは、交差点改良、歩道整備、段差解消、自転車ネットワークの整備などを求めています。
 市内には交通の要所となる交差点が多く、頻繁に交通渋滞が発生しています。このため、・国道307号については、津田山手から杉1丁目区間は渋滞が発生しており、右折レーンの設置や、平成25年度に矢印信号の増設をされましたが、右折レーン延伸など早期完成に向け取組んでほしい。

  • 枚方交野寝屋川線(招提口交差点)は、交差する両府道に右折車線がなく車両通行に支障をきたしているため、改良してほしい。
  • 枚方高槻線の招提交差点は交差点西側に左折レーンを設置したものの、依然として東側で渋滞が発生しており、改良事業を引き続き取組んでほしい。

歩道整備等
 杉田口禁野線の現事業区間の早期完了、枚方茨木線の未整備区間についても引き続き歩道整備を、交野久御山線、枚方高槻線、京都守口線については、歩道設置をはじめとする道路整備などです。

連立事業等
 現在、京阪本線の連続立体交差事業として、用地買収などが行われています。その中で、光善寺駅西地区において、地元権利者の有志が、再開発準備組合を設立し、枚方市などの支援を受けて再開発事業を行おうとしています。この事業成立には膨大な費用を必要とするため、大阪府に対して必要な予算確保に努めてほしいというものです。

教員の加配等
 少子化傾向が続く中、小・中学校の学校規模の適正化に取組まなければならない現状の中、統合を行った場合には、児童・生徒・保護者へのきめ細かな対応や、安心で安全な学校運営が必要であること、さらにきめ細かな指導、家庭における虐待等を含む生徒指導上の問題の低年齢化・複雑多様化へ対応する必要があり、加配教員をお願いしたいとしています。

子どもの支援
 子どもの貧困対策に向けては、平成28年度に、大阪府と府内13市町との共同で「子どもの生活に関する実態調査」を行ったところです。今後、調査結果を踏まえ、大阪府と府内各市町村が連携し、対策に取り組んでいく必要があります。居場所づくりや、支援が必要な家庭への就労・経済的支援の他、福祉と教育の連携施策など、効果的な仕組みをリードしてほしいと求めています。


5.北陸新幹線の早期整備へ国土交通省に要望

 中村議員ら民進党系の府県会議員らで構成している「北陸新幹線の整備を推進する議員の会」は9月1日、国土交通省の池光・幹線鉄道課長に面会し、早期整備を求めました。

要望書を手渡した議員団
(前列右端が中村議員、その隣が池光幹線鉄道課長、山本・議員の会会長)


 また、この後に民進党の野田幹事長や羽田元国土交通相らにも面会して趣旨を説明し、国交省への働きかけを求めました。


6.森友疑惑の隠ぺいを許すのか

 総選挙に入り、すっかり森友と加計学園問題は影をひそめていますが、疑惑が晴れたわけではありません。国有地の不当な価格での売却問題とその交渉経過、なぜ小学校の認可が妥当と判断されたのか、障害を理由とする助成金を不正に取得したと言われる疑惑など、多くが未解明です。
 このような中、府議会で籠池前理事長を招いての質疑が行われ、安倍首相夫人との関係などが明らかになりました。その後、強力な調査等が可能となる100条委員会を開催しようとしましたが、維新・公明などが100条委員会の設置は必要ないとして反対したため、設置できていません。
 さらに、森友学園の小学校設置認可の経過を、「府議会で徹底的に真相究明を求める決議を」と府私学審議会に求めたとして、維新の会が教育常任委員会の密城委員長(自民)の問責決議案を9月27日の委員会に提出し、共産党や自民党などが退席する中で可決しました。問責決議は、「府議会を貶める恥ずべき言動である」と非難し「猛省」を促し他ものとなっています。このことは大阪民主新報にも詳細に報道されています。
 今回の問責決議は、森友疑惑の真相究明を困難にさせようとする動きだと言われても仕方がないものです。


7.カジノ誘致は大間違いだ

 大阪府では今、万博誘致と合わせて統合型リゾート(IR)・カジノの開設に向けた準備が進められ、府庁の組織にはIR推進局までが置かれています。
 国は昨年12月、IR推進法を施行し、今年中をめどにカジノを設置するための詳細な法整備を行い、その後、カジノ誘致を希望する地方自治体の申請を受けて、国が認めた区域にカジノが開設されることになっています。
 府は今年4月に第1回IR推進本部会議を開き、その後、度々この会議を開いてきました。そのような中、9月定例府議会に「IRを核とした新たな国際観光拠点の形成に向け、大阪IRの事業化検討、事業設計・事業者公募を補助するアドバイザリー業務委託」等を実施するためとして、570万円余りの補正予算を上程しました。また債務負担行為として今年度からH32年度までの4年間に約3億8千万円を予定しています。
 中村議員はこれまでから多くの方々からの要請を受け、一貫して「大阪にカジノはいらない」と主張し、8月3日、松井知事への提言・要望の中でも、「カジノは不要」だと主張しました。
 さらに、9月16日に大阪弁護士会主催で、「カジノ実施法の制定阻止に向けて」と題してのシンポジウムが開かれました。中村議員もシンポジウムに参加し、多くの弁護士や大学教授らと意見交換しました。
このシンポジウムでは、青少年への悪影響、風俗環境の悪化、ギャンブル依存症、マネーロンダリングを始めとする様々な懸念材料がありながら、それらが何一つ具体的に整理されておらず、我が国史上初めて、刑罰の対象とされてきた賭博行為を、「特定の場所・特定の者に限定して非犯罪化するもので、重大な問題だ」と指摘しました。
この日の様子は新聞でも取上げられましたが、中村議員は、「カジノは大阪に不要だ。依存症者のお金で依存症対策を実施するなど間違っている。府は速やかに誘致から撤退すべきだ。今後、弁護士会や多くの関係団体の方々と連携して取組んでいきたい」と語りました。

シンポジウムでは各氏がそれぞれの専門的立場から問題点を指摘.

桜田教授が海外の具体例なども示しながら解説.


8.法定協議会に大阪市の「廃止・分割案」が示される

 2年前の住民投票で否決されたのに、再び大阪市を廃止し特別区に分割しようという都構想案が9月29日、第3回大都市制度(特別区設置)協議会=法定協に示されました。
 前回の特別区案(大阪市分割)は5区でしたが、今回は4区案と6区案が2種類ずつ出されています。今後、この事務局案を基に議論されますが、今の大阪市を残したままで、24行政区を8行政区に合区し、財源・権限を大幅に行政区に移してより自治権拡大を図る「総合区案」については既に示されています。
 今回は総合区案・特別区案の両方を法定協で議論していきますが、どちらの案にしても、事務局が財政力や人口などを基に作成したもので、市民自ら作成したものではないため、大きな問題を含んでいます。
 中村議員は「残念ながら法定協に参加して意見を述べられないが、問題点はしっかりと主張し、都構想は決して大都市制度の問題を解決することにならないと主張していく」と語りました。

中村議員は傍聴席で.


9.治山ダムを視察

 中村議員をはじめ、枚方市・高槻市の議員らは8月23日、枚方市津田で実施されている治山ダム現場を視察しました。
 治山ダムは砂防ダムとよく似ていますが、砂防ダムは、ダム本体で土砂の流出を止めることを目的としているため、規模は相当大きいものです。これに対して治山ダムは名前のとおり、その周辺の森林を守ることで、ダムと森林の土砂流出防止機能を一体的に発揮させることを目的としているため比較的小規模なものとなっています。そして、このダムは単独ではなく、階段状に何カ所か設置するということが通常です。

説明に先立って、中村議員からお礼の挨拶

 今回の治山ダムの視察は、先月、府庁控室で中村議員が「中部農と緑の総合事務所」から今年度事業の実施計画などの説明を受けた際、「九州北部の大災害などを聞き、これらの事業は非常に重要なものだと思うが、写真だけではなかなか理解できないので、機会があれば現地を見せてほしい」と要請していたものです。
 この日はまず、農と緑の担当者から、
 @ 昔の大阪の森林の状況
 A 大阪の治山事業の歴史
 B 昭和40年代までの生駒山系の状況
 C 近年の災害の状況
 D 山地災害防止の取組み内容
 E 森林環境税の導入による事業
 F 枚方市における治山事業の概要
の説明を受けた後に、枚方市津田の治山事業現場を視察しました。
 現地へ向かうと、住宅や福祉施設があるところから、急に森林が現れ、「エッ、こんなところに渓流や余り手入れがされていない森林があるのか」と言う感じです。少し中へ入っていくと、杉などの倒木が結構現れ、完全に渓流に倒れてしまっているものなどもあり、「住宅地の直ぐ傍がこんなことになっているのか」と、驚きます。農と緑の担当者から案内・説明を聞き、すごいなと感心です。
 百聞は一見にしかずで、その写真の一部をごらんください。

渓流沿いを足元に気を付けながら登ります

平成2年に完成した治山ダム

昨年度完成した治山ダム

担当者からいろいろと説明を受ける

階段状に設置されている治山ダム

治山ダム前で
(現場は長袖、長ズボン、虫よけにタオルを首に)


 中村議員は、「枚方市内で治山事業がされていることは聞いていたが、こうして現地を見せてもらったのは初めてで、すごいものだなと思った。九州北部や広島の大災害を振返ると、本当に大切な事業だということがよく分かった。安全・安心のために今後とも、計画的に実施していってほしい」とお礼を述べました。


10.松井知事へ提言・要望

 中村議員は今年も松井知事に対して、府政の各分野における提言・要望を8月3日、提出しました。
 この日は松井知事に代わって新井副知事が対応しました。中村議員はこの提言・要望活動を民進党議員団として、毎年8月・12月に行っています。今回は8分野・59項目で構成しています。
 中村議員は府政の直面している様々な課題の中で、各党が共通して取組んでいる物とは別に、特に下記の4項目を重点的に要請しました。
  1. 財政規律
  2. 子どもの貧困と虐待などの防止
  3. 部活動と教員の多忙化対策
  4. 異常気象と環境対策
 中村議員の指摘に新井副知事は、「今回の指摘、とりわけ特別の4項目については松井知事にこの旨を伝えるとともに、非常に幅広い課題でもあり、教育庁などとも連携し、対応していきたい。いろいろと提言いただいたことに感謝する」と述べました。

新井副知事に手交する

提言・要望の全文


 大阪府議会議員 中村哲之助ホームページ