この議会では、《1》でご説明した、都構想、万博等以外でも多くのテーマが取上げられています。改めて、ご説明します。
○万博の誘致活動
万博の大阪開催に向けた誘致活動が積極的に展開されていますが、開催経費に関する課題を無視することはできません。会場建設費(約1250億円)は政府・地元・経済界がそれぞれ1/3ずつ負担する取り決めですが、建設費が増額された場合はどうなるのか、またこれ以外の関連経費も相当発生する恐れがあります。このような場合、一体誰が、どの程度の負担をするのか、明確にはなっていません。府は厳しい財政状況の中にあり、先の東京オリンピックの開催経費でも大問題となったように、青天井のようなことにならないか、多くの府民が心配しています。
中村議員は、「フランスが将来への財政負担の問題で万博開催から撤退したことは、ある意味凄い判断だ。府もその点は真摯に受け止め、将来への負担を最小限にしなければならない。国会議員団へもしっかりとお願いしていく」と語りました。
○カジノは不要
万博予定会場に隣接して計画されている、カジノを含むIR事業は、今なお国民の多数が反対していることは、これまでの世論調査でも明らかです。民進党府議団はこれまでから一貫して、カジノを含む統合型リゾートIRには反対してきました。
さらにこの問題では、いわゆる依存症対策をどうするのかという議論が盛んです。アルコール、賭博、薬物等で府議会でも取上げられています。現在でも依存症の人達が多数いる中、さらにその様な問題を心配せざるを得ないカジノ問題とはきっぱりと縁を切るべきです。
万博・IRの予定地の夢洲 (クリックで拡大)
○大都市制度
大阪市を廃止して、中核市(一般市)のような規模の特別区に分割する「大阪市廃止構想=都構想」が再び議論されています。松井知事・吉村市長らは、「二重行政を解消し、大阪の成長のためには都構想しかない」と言い続け、今秋にもう一度、大阪市廃止を問う住民投票を実施したいと、既に法定協議会が3月末までに8回実施され、4月初めには特別区の名称や区役所の場所、それぞれの区の議会議員の数等が提案される予定です。
今回の法定協では大阪市を4分割の計画ですが、前回の5区案とほとんど内容が変わらず、前回、膨大な経済効果があると言いながらほとんど効果のないことが分かった経済効果の件では、今回全く明らかになっていません。
事務方の計画では、6月〜7月初め頃には大阪市廃止の協定書をまとめなければ、住民投票には間に合わないため、都構想問題は今春の最大課題になります。「都構想は百害あって一利なし」と、4〜5月はしっかりと訴えていく予定です。
○違法民泊問題
いま民泊問題が深刻な状況になっています。とりわけ、大阪市内で民泊施設が急増し、マンションの隣部屋に不特定の外国人が多数訪れ、騒音がひどい、ゴミのルールを守らずに出される、深夜にインターホーンを乱打するなど、多くの問題が指摘されています。また先日は、非常に傷ましい事件も発生しました。これらの問題の多くは無許可の違法な民泊によるものと思われます。今年6月の新法によって、ますます民泊が増加すると思われ、悪質な事業者には警察とともに徹底した姿勢で臨まなければなりません。
府は政令市等とともに住民の不安をなくすため、ガイドラインの見直しとともに、告発も辞さない強い姿勢で臨むとしています。
大阪府でこの条例案が提出された時、住民の不安を解消するための方策がまだ十分ではなく、急いで府が条例をつくるべきではないと、条例案に反対したのは中村議員ただ一人でした。維新はもとより、自民、公明、共産までが賛成したこの条例制定がいかに性急すぎたか、改めて考え直さなければなりません。
当時を振り返ると、松井知事は議会終了後に、中村議員のところに駆け寄り、「他の議員は全員賛成なのに、なぜ中村議員だけが反対なのか」と聞いたくらいでした。この時、「まだ解決しなければならない課題が山ほどあるのに、急いで実施したら大変なことになる。どうしても実施するのであれば、交通拠点の都心部と静かな住宅街などで、まず試行実施し、半年、1年の状況をしっかりと検証し、これなら問題ない、或いはこの点に配慮する必要があるなどを整理した上でないと大きな問題を抱えることになる」と説明したことに、知事は『よく分かりました』と答えていました。
○鉄道駅の安全柵の設置
近年、駅ホームからの転落等が多発し、転落防止のための可動式ホーム柵設置を要望する声が多くあります。中村議員も昨年暮れ、松井知事に対し、「柵の設置を進めてほしい」と申入れしていました。
府は平成30年度の当初予算に、可動式ホーム柵を主要駅に設置しようとする鉄道事業者に対して、7駅(JRの大阪・京橋・高槻、南海・難波、近鉄・大阪阿部野橋、阪急・十三、モノレール・千里中央)に約2億円(国・府・地元市とともに補助)の予算を計上しました。設置費用は1ホーム分で約3億円と言われ、鉄道事業者の負担は大変なため、中村議員らは国で一層の助成をしてほしいと要請しています。
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