2002,7,25
 
                                     
      砂鉄のダンス 舞台の作り方
                                       
                                     西 村 寿 雄

 授業書案「砂鉄」(『仮説実験授業研究』第4集、授業書研究双書『磁石・ふしぎな石
=じしゃく』所収)で、砂鉄を厚紙の上に立てさせておいて、下から磁石を近づけて、そ
の様子を見る問題があります。
 ここでは、下の磁石のN,Sを代えることによって砂鉄が棒(人)のように立ち上がって
動き回るので〈まるで、砂鉄が踊っている〉ように見えるのです。これはいくら見ていて
もあきません。
 この様子を、少しの工夫で連続して見れるように簡単な〈砂鉄の舞台〉を工夫しまし
た。みなさんも作ってみませんか。
 また、問題のあとの〈お話〉に、砂鉄そのものは角と角でつながって立ち上がってい
ることが書かれています。「個々の砂鉄一つ一つにもN,Sがある」ことを話にしているの
ですが、砂鉄が小さくてそのままでは見えにくいです。
そこで、大きく見る方法をいくつか紹介します。
             
 
 〈砂鉄の舞台〉作り
  
     材料  紙コップ、 竹串(1長さ2cmでよい) 
         フェライト磁石(直径10〜15mm程度の円形、長方形型 
     用具・道具
         木工用ボンド、千枚通し、 カッター、 セロテープ
 
   【作り方】
    1. 竹串磁石の作り方
 
     竹串の中心にフェライト磁石をボンドで接着する。
     普通の木工用白ボンドでよい。ただし、乾くのに1時間ほどかかる。 
     瞬間接着剤なら数分でくっつく。
  
   2.〈舞台〉の作り方
 
  @ 紙コップをさかさにして、上(底)から1cmぐらいのところに竹串がささるくらいの
    穴をあける。

 
  A さきほど開けた穴の丁度反対側にも同じ穴を開け、穴の下にフェライト磁石が通
    る大きさの切れ込みを入れる。
   
  B 切れ込み部分を開けて中にフェライト磁石のくっついた竹串を通し、開閉部を閉じ
    セロテープで固定する。
 
  C 上に砂鉄をのせて完成。
    竹串を回転させることによって砂鉄が踊る。
 
◆ 砂鉄を拡大して見る方法
 
 1. 双眼実体顕微鏡で見る。
     これは高価な顕微鏡なので、学校には数台ぐらいしかないと思います。交代
     にしてでもぜひ見せると楽しいです。双眼なので立体に見え、迫力いっぱい
     に砂鉄の動きが見られます。また、砂鉄同士が角と角とつながっている様子
     がはっきりと見られます。
      この顕微鏡下に、砂鉄のダンス舞台(低いもの)を置いて磁石を動かすと、
    それこそ、生き物のような砂鉄が大迫力で動き回ります。
     
 2. ビデオカメラとテレビ映像
     比較的簡単に手持ちの器具で拡大して見れるのに、ビデオカメラがあります。
    別に録画する必要がないので、ビデオテープは入れないで撮影のみを行います。
    そして、映像出力をテレビ受像器に入れると、今見ている場面がそのままテレビ
    に写ります。
     教室などでは、最近の投影プロジェクターにつなげばさらに拡大して、生徒み
    んなが同時に見ることができます。


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