「空気と水のじっけん」と       1999年8月27日
   トルネードボトルの製作      岡山県笠岡市立図書館
 
  笠岡市立図書館で、夏休みの親子科学教室を開くという。岡山の仲間にして
もらうべく電話したら、ついでに倉敷でも話をしてほしいから、ぜひ来てほしい
と依頼を受ける。「それでは、…」と、ありがたく受託する。
 笠岡図書館の藤井教子さんが、早くからいろいろと準備の連絡を下さる。図書
館なので、まったくの科学遊びとはいかない。やはり、科学の本と結びつけて実験
ともの作りにしたい。
 こういう場所でのむつかしさは、低学年児童から高学年児童までをいかに満足
させる内容にするかということである。ちょうど夏だしドライアイスか水がいい。
 そこで、テーマは『空気と水のじっけん』。申し込み人数は、子ども50人、
大人20人という。これは、大人数だ。ボトルの口栓に穴をあける準備が大変。
 
 さて、当日、読書会のお母さんたちもたくさん出ておられて、着々と会場準備
が進められていく。なかなか、パワーのあるお母さんたち。近くの笠岡カブトガ
ニ博物館から大きな水槽も4個も用意されている。定刻になると、たくさんの子
どもたち、大人たちが集まってこられた。
 
 いよいよ、お話開始。
 国土社の『空気と水のじっけん』の「問題」にそって、問いかけていく。
 「問題1」のコップを水中に入れる実験や、「問題2」の水中からコップを引
き上げる問題では、そんなに予想は偏らない。でも、みんな実験には真剣そのも
の。やはり、このように問いかけられると、横向いてはいられない。
 次のジュースのかんに一つ穴をあける問題では、大きく予想が分かれる。中で
も「正解」に予想しているのは数人。
 いよいよ、実験。
 ジュースの缶に一つ穴をあけてかんを逆さにしても水は一滴も落ちない。
 みんな唖然! 
 この瞬間ほど、ステキな時はない。やがて高学年児童から、その理屈に察しが
ついてくる。大人の人もおられるので、さらに追加実験。
 かんに数十の穴をあけて、中に水を入れてそのかんを逆さにすると…
 これでも、水は出ない。
 次に、ペットボトルに水をいっぱい入れて、ふたに9mmほどの穴をあけて
栓をして、そのペットボトルを逆さにすると…水は出ない! 水を出すには、空
気の通り道が必要で、振り回して渦を作ると見事に水は流れ出る。まさに、〈空
気と水の実験〉そのもの。
 最後に、一人ずつこのトルネーダーの栓を作って楽しんだ。

                                「科学あそび」