栗生鉱山
(長野・南相木村)

磁鉄鉱・方解石・さ゜くろ石

2002年6月30日

市販の磁鉄鉱標本の採掘先をさぐっていたら長野県南相木村の栗生鉱山が
明記されていた。もし、かなり磁性の持つ磁鉄鉱であれば、「ふふしぎな石 じしゃく」の
授業にサンプルとして利用できる。そこで、長野の北村秀夫さん、黒岩寛明さん案内され
て、現場におもむくことになった。 

当地は、地質的には糸魚川―静岡線の東部に位置し、千曲川をはさんで東部に中古生
界が分布している。その中古生界にマグマが貫入し、熱変成による接触鉱床を作ってい
  る。近くに同質の磁鉄鉱などを産出していた大日向鉱山(S38年閉鎖)もある。 

現地に行くと、まず石灰岩、方解石、ホルンヘルスなどがごろごろしている。もともとあった石
灰岩、泥岩層に花崗岩質マグマが貫入し、たくさんの方解石、ホルンヘルスを作ったらしい。
また、一部にざくろ石も産出している。 

 現場では、石灰岩の合間に磁鉄鉱がころがり落ちていた。部分的に磁鉄鉱の鉱脈を形作って
いるようである。この採掘場の上部にも磁鉄鉱の鉱脈が現れていた。ここの磁鉄鉱は鉄の含
有率は高く(約90% 『長野県地学図鑑』)、良質の鉄の原料として利用されていたらしい。

             鉱    脈 
       石灰岩採石場       晶質石灰岩      磁鉄鉱をくだく北村さん
     かなり磁化した磁鉄鉱       磁鉄鉱鉱脈 上部       磁鉄鉱鉱脈 下部


        ざくろ石

        ざくろ石

       磁鉄鉱標本

      かなり強力な磁力

方解石

「地質巡検記」へ