爬虫類博士 千石正一さん

まれに見る希有な動物学者,というより徹底的に生き物と共に生きた人。
エリマキトカゲの魅力を茶の間に伝えたのは千石さん。
○十年前,自然環境研究センターで爬虫類について楽しく伺った。
おしまれつつ2012年2 月に他界された。1949年生まれ。

 俺は、自分がガンで死ぬのはどうってことないと思っている。
 いや、どうってことないことはないな、本当は死ぬのは嫌だ。嫌に決まっている。死ぬのが嫌なのは、生き物としてあたりまえのことだから、ぜんぜん恥ずかしくなんかないよ。ただ、自分がガンで死ぬのは、個体としての死なのだから、「しようがねぇなぁ」という気がしているんだ。
 でも、他の生き物が意味もなく絶滅−−、つまり、個体だけでなく、その種族全体が死んでしまったり、人間のエゴで環境が破壊されたり、地球そのものが死んでしまうような事態には、がまんがならないんだ。もっと、みんな「いのちについて」考えるべきなんだ。
             千石正一『つながりあういのち』Discoverより


 
    Discover 2012,4,10
 
    2003,2,20
  岩波ジュニア新書

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