ぼう
 どんずる峯 (二上山麓)

どんずる峯

 勤めて間もない1963年、大阪府科学教育センターの長期研修に出向いた。そこで地学担当の加藤磐雄氏に地学教育についてあれこれ学んで以来地学界に突入することになった。その加藤さんに最初に見学ルートとして紹介されたのがこのどんずる峯界隈だった。この地は、いわばわたしの地学かけだしの地になった。
 まず、屯鶴峯(どんずるぼう)を見て大阪近くにこんな景観があるのかと驚かされた。一面の白い地層で火砕流の角レキ凝灰岩の層だ。また、今は見れなくなったが、どんずる峯から南下して見られた石切り場跡、見事な安山岩(含ザクロ石黒雲母安山岩)の柱状節理が見られた。また近辺は含ザクロ石安山岩が転がっておりガーネットが入っている個体もよく見付かった。また、場所によっては真っ黒なサヌカイトが見られた。近辺の川原では多くのザクロ石が拾えた。ここ二上山麓は多様な火山性岩石見学ルートになった。またサヌカイトは破断面が鋭く縄文時代には刃物として用いられた。遺跡に多数出土する。
 1500万年前、今の近畿地方は火成活動が活発で、たくさんの火山が噴火した。そのひとつが今の二上山近くにあった。主に安山岩質溶岩(含ザクロ石黒雲母安山岩)が流出した。また、大量の火砕流や火山灰が今のどんずる峯を作っている。
 大阪かもよく見える二上山は後日(2014年6月も)行くことになるが、奈良県との境に位置する二こぶの美しい山容を見せている。二上山そのものは火山ではないが近くで火砕流や安山岩など堆積して二体のとがった形をしている。その後、どんずる峯は子どもたちの遠足など含めて何度も訪れた。

      二上山(香芝市から)

        近畿の火成活動

       どんずる峯

       どんずる峯

    石切り場跡(安山岩柱状節理)   

    石切り場跡 1967 子どもと

 サヌカイト(無斑晶質安山岩 風化面は白い)

         サヌカイト(1300万年前)
     
    ぶら下げるといい音がするので
        別名 カンカン石

         赤いのがザクロ石

      含ザクロ石黒雲母安山岩

      川原で拾ったザクロ石

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