チャート・ブロックの山
金華山
(岐阜城)

2002年1月5日

  2002年仮説実験授業研究会の冬の大会に参加するために岐阜市内に出向いた。
「チャートの発明発見物語」という科学読み物を書いていた関係で、この東海地方では
犬山城周辺、木曽川周辺でのチャートを含む中古生界の分布のあることは文献でも知っ
ていたし何度か訪れたこともある。 しかし、ここ岐阜市内にまでチャートの地層が及んで
いるとは思ってもいなかった。                                   
                                
 記録的な大雪のあとで、まだ時折雪が舞う岐阜城(金華山)にケーブルで上ってびっく
りした。ケーブルの山上駅を出たところから立派なチャートの層がむき出しになっているで
はないか。そうか、金華山が岐阜平野から急に高々と飛び出して標高300m以上の山塊
を作り出したのはこの堅いチャートの地層のおかげなのだ。かなり苔むして地層を覆い隠
している所もあるが、所々にはチャートの肌が露出していて、最適のチャート見学コース
であった。さらに、驚いたのは、岐阜城の石垣はすべてチャートのブロックで築城され
ていた。当地の石を使うのはあたりまえといえば当たり前であるが、おそらく全国的にも、
チャートの石垣はここだけではないか。                             
 こういう城の案内といえば、戦国の歴史が中心になるのも仕方ないが、地質的な視点
での解説も加われば、もっと市民に親しまれる観光地になるのではないか。   
        

   チャートブロックで組み上げられた石垣
 ほぼ垂直に走るチャート層       層状チャート     チャートの縞状褶曲

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