黄長石霞石玄武岩と石畳
島根県浜田市
2019年1月31日
浜田の砂礫層と石畳
浜田市の北東、下府駅近くに天然記念物となっている石見畳が浦がある。波蝕棚(ほう)と呼ばれている広い台
地でところどころに球状のノジュールが、まるでボールを転がしたように点々と並んでいる。
この台地は1600万年前に堆積した地層で、縦横の節理が見られる。断層による深い亀裂もある。
このノジュールは主に炭酸カルシウムとのことで、その成因として「エイが摂食時に海底を攪拌してできた窪地に
貝が密集したために貝殻のCaが溶けて固結したもの」 と記載。「浜田市パンフレット(高知大学などの論文が元)」
浜田の黄長石霞石玄武岩
日本で見られる玄武岩は通常Ma,Feが多いかんらん石玄武岩である。しかし、この山陰海岸や焼津(2014年3月巡検)
などまれにアルカリ玄武岩が見られる。その一つに日本では珍しい霞石((Na,K)AlSiO4)や黄長石(Caリン酸塩鉱物)を
含む玄武岩が島根県浜田市近くに出ている。
霞石は1884年に小藤文次郎によって語源のnepheie(雲)から「雲石」とするところを「霞石」と命名した(『地学事典』)。
この黄長石霞石玄武岩は日本ではこの浜田にしかなく、県指定の天然記念物になっている。
第三紀600万年前に噴出したとされる。見た目では真っ黒の緻密な玄武岩で磁鉄鉱も多く強い磁性がある。
当日は幸いにも、石見畳が浦資料館館長 桑田龍三氏に案内していただいた。
黄長石霞石玄武岩(畳が浦資料館標本) 強磁性 |
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海食崖 |
礫岩「ふんばり石」 2019年1月落下 |
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礫層と砂岩層の不整合 |
海食洞(穴観音)より | 波食棚 疊が浦 |
畳が浦 節理・断層線 |
ノジュール | ノジュール群 |
黄長石霞石玄武岩 |
黄長石霞石玄武岩 放射状節理 | 黄長石霞石玄武岩 |
黄長石霞石玄武岩 |
黄長石霞石玄武岩 接写 |
黄長石霞石玄武岩 ×20 |