奈良県川上村
中奥の火砕岩岩脈
Taffite dikes
地団研・教師グループ巡検

案内  奈良教育大学 和田穣隆さん
2005年4月17日(日)

「奈良県川上村中奥には大規模な火砕岩岩脈群が存在する。」という
和田穣隆さん(奈良教育大学)に案内されて,中奥川をさかのぼる。

「火砕岩岩脈」というのは聞き慣れない地学用語である。それもそのはず
この岩体が研究されだしたのは,ほんの10年ほど前とのことである。

火砕岩といえば火山噴出によって形成されものというのが今までの概念で
あった。それが,なんと貫入岩体として形成されているというのである。
今までの常識を完全に覆された。
マグマが地下でうごめいているときに,そのマグマの先輩格の岩石を取り
 込んだり,周辺の異質岩石を取り込んだり,なかなか複雑な形成過程
をしていることがわかる。
一見,礫岩と見られるこの岩体にはマグマ貫入時での地下での意外な
動きを記録している,ロマンに満ちた岩体である。


        火砕岩(Taffite)  異質岩片火砕岩

       異質岩片

       中奥川

 石英斑岩(左)と玄武岩質安山岩  (右)との複合岩脈   

     説明する和田さん

   異質岩片を含む岩体

    細粒物からなる岩体

 溶結した本質岩片を含む

  円礫や本質岩片を含む岩体
 円礫は,プレート沈み込み部で混成

本質岩片(流紋岩・レンズ状)をはさむ

 強溶結した本質レンズをはさむ
      強溶結火砕岩

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