枚方地学友の会
 
32次 夏期地質巡検
 

御嶽・乗鞍岳・焼岳 

2007年8月17−19日

講師 落合清茂さん(科学教育センター)


全容を見せる活火山・焼岳


                                     原山智原図

  飛騨高原では御嶽山・乗鞍岳・焼岳と並んで第四紀の火山群を形成して
  いる。中部地方のもともとの基盤岩は,大陸生まれの古い地層から,中生
 代付加帯の地層まで順々に並んで日本の地質を網羅している。日本海側
 には,飛騨帯,飛騨外縁帯,美濃帯など古い層が並ぶ。かでも飛騨帯は
 10〜20億年前に生成された大陸古来の岩帯である。この飛騨高原の中
部領家帯の上に新生代になって新しい火山が噴火した。南から御嶽,乗
鞍,焼岳と並ぶ。今回は,これらの新生火山群を探勝した。また,焼岳の
北に鋭い壁を作る穂高連峰は巨大カルデラにできた溶結凝灰岩を花崗岩
が押し上げてできたという。しかも,その花崗岩は約100万年前にできたと
いうから驚き。世界一新しい花崗岩である。なんとも,不思議な地球の造
   形物を見学できた。天気も3日とも快晴,焼岳の溶岩ドームもすばらしい。  

乗鞍岳

1:50000地質図乗鞍岳(地質調査所)より転載(第63500-A-20071023-002号) 

 乗鞍山は地質図のように,何層にも,新生火山が噴火している。古い火山
で100万年,最も新しい火山は権現池を作る約1万年前の火山である。


穂高

日本アルプスの最高峰を連ねる穂高は,溶結凝灰岩を下の滝谷花崗岩(閃緑岩)
が押し上げて山を作っている。しかも,この滝谷花崗岩は,100万年前にマグマから
成長したものであることがわかってきた。この滝谷花崗岩の隆起によって,穂高連峰
が形作られてきた。この滝谷花崗岩は世界でも,もっとも新しい花崗岩とされている。




         夕刻の御嶽

        朝の御嶽

          乗鞍・剣が峰

       鶴が池

       剣が峰・溶岩(パン皮)

       溶岩凝灰岩

        三本滝

      溶結凝灰岩が滝を作る

      焼岳(溶岩ドーム)

    大正池と穂高連峰(溶結凝灰岩)

   滝谷花崗岩と溶結凝灰岩

    福地・オソブ谷(古生代化石)

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