枚方地学友の会
 
31次 夏期地質巡検 

能登半島 

2006年8月20−21日

講師 落合清茂さん(科学教育センター)

 能登半島は新第三紀中新世の火山や堆積岩が広く基盤を覆っている。 3000万年前までは日本海は存在せず, 日本列島はアジア大陸の東縁をなす大陸の一部であった。中新世の初め頃から日本海付近の火成活動が 活発化し,日本海を開く原動力になった。その時の火山性の堆積物が能登半島を広く覆っている。最近の説によると,日本海付近にプリュームのわき上がり現象が確認できているとのことである。                 

ヤセの断崖

下部にある水平状の堆積物は,火砕岩の堆積物で,級化構造がないことから,水蒸気爆発による水平噴射(サージ堆積物)と考えられる。上部は玄武岩質
溶岩である。
黒崎・琴ヶ浜
上部の玄武岩溶岩が「石灰質砂岩に貫入した」という記載がある」が貫入岩というより, 砂岩の上部に流出した溶岩の可能性が強い。接触部は細かく結晶している。背面には玄武岩節理の見事な放射状構造が見られる。


能登金剛付近地質図


     荒木浦 火砕流
    荒木浦 火山弾混入
  ヤセの断崖 サージ堆積物

  サージ堆積物(礫がばらばら)

   義経の舟隠し

   サージによる火砕岩

  花崗岩を捕獲した玄武岩

  関野鼻・石灰質砂岩層

      石灰質砂岩

   黒崎・砂岩・玄武岩接合部

   玄武岩の放射状節理

      千枚田

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