1800mの近畿の尾根からも
深海の化石がぞくぞく

(古生代付加帯,大峰・大台山系)

2010年4月18日

    


 【見どころ解説】
  標高1800m級の山々が連なる大峰・大台山系は,数億年前にはるか南の深海
で堆積した地層です。その証拠に,この山地を含む地層(秩父帯)からは,かつて
の深海で堆積した放散虫化石のつまったチャートや,フズリナやサンゴ化石がつま
った石灰岩,そして,海底火山で流れ出た溶岩(枕状溶岩)が出ています。  ・
いずれも,数億年前に,プレートにのって今のアジア大陸に付加したものです。
それが現在の日本列島の原型になっています。                ・
  アルプス山,ヒマラヤ山などで出るアンモナイトのような大型の化石ではありま
せんが,古生代の小さな化石(微化石)が,〈日本列島はかつての深海の堆積物
がもとになって(ブロックが付加して)できている〉ということがわかります。 ・
  また,その後今から1500年前にこのあたりも大規模な火山活動があった証拠も
見つけられています。その時のカルデラ跡がコールドロンとして特定されています。
(くわしいくは大和大峯研究グループ著『大峰山・大台ヶ原山』築地書館刊を参照)

今回は,上記の証拠をたずねて@ABCDEのポイントを巡検しました。
(地団研大阪支部 2010春巡検)

                              五番関山上に見えるチャート


@チャート層とそれをつらぬくプルーム

@チャート層

@プルーム内メタドレライト岩

Aチャートが見える大峰連山

Aコンプレックスの境界断層

B不動窟前に見える石灰岩の崖

Bコンプレックスの境界

C大峰ー大台スラスト(境界断層)

D中新世火砕岩岩脈片

E赤滝コンプレックス枕状溶岩

E赤滝コンプレックス枕状溶岩

E枕状溶岩 (拡大)


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