枚方地学班 
地質研修 

柏原・志貴山の地質 

2004年2月28日(土)

大阪もかつては火山のメッカ


   『大地のおいたち』地学団体研究会大阪支部編著 築地書館より
 ここ大阪も1500万年ほど前はこんな火山列島の様子を呈していました。その痕
跡が今も一部に残っています。柏原市の横穴遺跡は,凝灰岩(火砕流)をうまくくり
ぬいたものですし,近くには玄武岩,安山岩の山があります。芝山では,大阪では珍
しい玄武岩が採集できます。また,亀の瀬近くの大和川では,安山岩の岩脈が川底
に見えています。志貴山では,当時の一つの火山であったと推定される火道角礫
岩が見られます。
 志貴山,生駒山の岩そのものは,かなり古い時代にできています。まず,2億年ほ
ど前に生駒の斑れい岩が陥入し,そのあと1億年から7000万年くらい前に,その下
部に花崗岩ができています。そして,百二十万年ほど前から花崗岩の隆起が始ま
り,生駒山,志貴山が頭を出しました。その時から,生駒山周辺にいくつもの断層を
作っています。今も徐々に動いている活断層の一つです。
 大和川はその影響で流路を変え山間部では蛇行した川に変化しています。
 わが大阪も,なかなか変化に富んだ地域だと言えます。そんな,大阪を地学の目
から,枚方の地学研究会のみなさんと巡検してみました。講師として大阪府教育セ
ンターの落合清茂さんが来てくれました。 
   柏原横穴古墳群前   二上山付近からの火砕流   芝山玄武岩 大阪では珍しい路頭
      典型的な玄武岩  玄武岩 (内部にかんらん石,ザクロ石
      などの鉱物が見える)
   明神安山岩(大和川河原)
 明神安山岩(鉄分が多く空気に触れ
         ると酸化する)
   安山岩 (流れた構造が見える)  志貴山流紋岩 (花崗岩を突き抜けて
          地表に出る-)
  
   断層破砕(花崗片麻岩)     火道角礫岩層(マグマの火道?)  斑れい岩(生駒石-生駒山頂上付近)
 鉄分が風化して赤茶けた色を呈している
 斑れい岩(約2億年前の貫入-輝石,角閃
     石,かんらん岩などを含む)
   暗峠-斑れい岩の敷石   斑れい岩の標識

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