凝灰岩 竜山石

                    

 兵庫県高砂市を中心に噴出した流紋岩質の火砕流堆積物で、形は凝灰岩と言ってもいい石である。白亜紀後期の流紋岩質マグマの噴火による。しかし、凝灰岩特有のガス噴出口は見られずかなり緻密な石材となっている。古くから国会議事堂や姫路城石垣など各地の名建築に使われている。
 緻密な石材の理由は、この火砕流の特別な堆積環境にある。研究によると、火砕流が流れた場所は火口湖になっていて淡水の中に突入した。水の中で水蒸気爆発を起こし粉々に粉砕されて堆積した石ができた。(層状ハイアロクラスタイト) 
冷却時には節理面が発達した。ふつう、ハイアロクラスタイトは海底火山によることが多いが、竜山石のようにカルデラに噴出した流紋岩質のハイアロクラスタイトは珍しい。
 竜山石にはおおむね三種の石が見られる。節理面の深部には淡赤色凝灰岩、淡青色凝灰岩が発達し、節理面の周りは淡黄色凝灰岩となっている。違いは冷却時の温度変化や風化作用によるらしい。石質は、斑晶の斜長石と石英、火山ガラスが主で軽石の粉砕片など含む。石によっては、赤鉄鉱、酸化鉄、カルサイトなどを含むという。                                                                   
(参照=加古川東高校地学部論文)
          高砂市の麦倉みゆきさん、及び松下石材さんにお世話になりました。
                               
   

       石の宝殿

    石の宝殿階段 竜山石

   石の宝殿・社殿竜山石 層理が見える

     石の宝殿・社殿竜山石 赤部分

        竜山石・採石場

淡赤色竜山石、淡青色竜山石、淡黄色竜山石

 竜山石冷却時温度変化による色変化

      竜山石ペンダント

                              
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