ベトナムの政治システム

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【政 治】1995年のASEANへの加盟や米国との国交回復等、国際社会へ完全復帰を果たしたベトナム
政府の動向。政治改革の実態

<現在の政治体制>

<政策決定システム>

<党組織>
<組織> 社会主義共和国、共産党の一党独裁
<元首> レ・ドック・アイン(Le Duc Anh)国家主席
<議会> 国家は人民の最高代表機関で、最高国家権力であり唯一の立法機関。
一院制で議席数は395、議員の任期は5年、全国で158の選挙区を有する。
民族、男女、信仰を問わず公民は満18歳以上で国会議員の選挙権、満21歳
以上で被選挙権が与えられている。
<憲法> 1980年に制定された憲法は92年4月改正され、新憲法が4月18日に公布
された。
1945年9月「ベトナム民主共和国」独立後、46年に同国初の憲法が制定され、
その後、59年、80年に改正が行われた。
92年の3回目の憲法改正では、86年12月の第6回党大会で議決され
刷新政策「ドイ・モイ政策」を明文化し、法的に確認した点に特徴がある。
新憲法では共産党の指導的役割を依然認めてはいるものの、国家と党の分離、
三権分立を明記している。
経済制度では国家管理社会主義経済運営方式から、個人経営、資本主義
経営を含む「多要素混合市場経済方式」への転換を認め、個人の自由経営権、
個人の資産所有権のほか、外国資本の非国有化も明記した。
土地所有権は国家に属するが、個人や組織に対し土地の長期使用権、
使用権の相続、譲渡を認めた。
<ベトナム政府首脳> 95年10月に開催された第9期第8国会において、省庁の統廃合が決定された。
これに伴い、大幅な人事入替えが行われた。
しかし、新体制での運営には余剰公務員の処遇問題や各省庁の既得権益
調整など、多くの難点が残されており今回の合理化が効果を発揮できるまで
には、相当の時間を要することが予想される。
<政策決定システム> 共産党は1992年改正憲法(以下:憲法)上、国家と社会を指導する勢力で
あると規定されており、その指導の下、基本路線や政策が決定され、その
内容を国会で審議・採決した上で、政府がこれを政策化し、行政機関を通じて
国民に対して施行するシステム。
一方、共産党が指導するということは、憲法の内容までも党が決定すると
いうことであり、国の基本法である憲法は共産党の憲法である政治網領の
枠内で機能するということである。
なお、共産党の具体的な指導方法は次の通り。(改正党規約第40条)
(1)網領、戦略、政策方向、活動方針によって指導したり、思想、組織、幹部
   対策や政策の実行を検査、観察によって指導する。
(2)国家機関、人民団体に幹部を紹介する。


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