82 2001年1月号
21世紀の開幕を心からお喜び申し上げます
今年もよろしくお願い申し上げます
20世紀は「進歩と破局」の世紀

 新年明けましておめでとうございます。
いよいよ20世紀から21世紀の開幕です。
20世紀の100年間は、大きく世の中を変えました。
ライト兄弟が12馬力のモーターで12秒の人類初の動力飛行に成功したのが1903年。
それから僅か60数年でアポロ11号が月面着陸(69年)し人類が宇宙にまで行けるようになりました。
飛行機の出現は鉄道や船舶とは比べものにならない移動速度は行動範囲を広げ、市民レベルの国際化を
可能にしました。
 本格的な電子式コンピューターの完成は46年に米国ペンシルベニア大学で作られた1万8000本の
真空管からなる「エニアック」と言われています。
その後、トランジスターの発明や集積回路(IC)の登場で、ラジオやテレビの普及、瞬時で世界とつながる
インターネットの誕生など電子技術の飛躍的な発展につながりました。
 このように20世紀は科学や技術の進歩と戦争による破局の世紀であったといえます。
誰もが想像を絶する激動の時代でしたが、21世紀はどのような時代になるのでしょうか。

明治人の100年前の予言が的中

 ところで、年未にインターネットでおもしろいものを見つけました。
01年(明治34年)1月2日、3日付の報知新聞で20世紀の23の予言を行っています。
台風に大砲を撃ち雨に変えるや五大陸を鉄道で結ぶとか実現しないものがありますが、ほとんどが
的中しており明治の時代の洞察力に驚かされます。
例えば、東京からロンドン、ニューヨークと自由に対話が出来る無線電話の出現。
写真電話により遠距離にある買い物が出来る。
世界一周は8日間で出来、文明国の人は年間に1回以上は海外旅行をする。
東京神戸間は2時間半で行ける。
興味深いので全文を転載しました。(全文ページへ)

関西は創業、起業の発信地

 関西は、江戸時代の米市場から物資の集積地として商都を形成、20世紀には紡績業が基幹産業として
関西経済を支えてきましたが、もう一つの特長は創業、起業の気風の満ちた土地柄といえます。
 シャープペンシル(15年)から出発したシャープは情報機器産業の最大手。
二股ソケット(18年)からスタートし世界最大の家電メーカーに躍り出た松下電器産業。
千林商店街に開店した主婦の店ダイエー(57年)は価格破壊を旗頭にスーパーマーケットの原点に。
日清食品が開発したインスタントラーメン(58年)は今や世界各地で年間400億食が生産されています。
 そのほかにも関西で生まれた「初物」にはゴルフ場(03年神戸)ケーブルカー(18年生駒山)、
ロープウエー(29年)、タコ焼き(35年)、冷房電車(36年)、2階建電車(58年)、プレハブ住宅(59年)、
電子レンジ(62年)、自動改札機(67年)、カラオケ(72年)ファミコン(83年)があります。
 これらはいずれも生活に密着した発想で庶民の知恵からでたものであり、合理的精神に富む関西人の
厳しい目により鍛えられてきた強さがあります。
関西はアイデアをビジネスに結び付ける起業家精神で数多くのヒット商品を全国に向け発信してきた
ニュービジネス先進地域といえます。

万博以降から凋落の一途

 ところが、大阪万国博(70年)を境に関西経済の地盤沈下が始まります。
09年には関西の製造品出荷額は全国シェアの39%を占め関東の2倍を誇っていましたが、45年には25%に
下落、80年代以降は中部にも抜き去られました。
鉄鋼、化学、紡績の素材型産業から自動車、電気、パソコンなどの加工組み立て産業の転換に乗り遅れが
主な原因です。
関西地域の総生産の全国シェアも70年度の19.9%から99年度には16%台にまで下落し歯止めが
ききません。
関西地域の総生産(GDP)は87.5兆円(97年度)でイギリスについで7位、カナダを凌ぐほどの大きな
経済圏であり、自信をもって21世紀に再び、創業精神を発揮し世界の関西にしなけれぱなりません。
構造転換に立ち遅れた関西経済を浮上させるためITやバイオを主力産業することがカギとなります。
 今年の4月に開業するUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を起爆剤に、関西国際空港や2008年
オリンピック誘致などの経営資源を活用し大阪が実力を出し切り関西を引っ張り挙げなけれぱなりません。
大阪府が「大阪産業再生プログラム」で打ち出した創業や企業誘致を促進する法人事業税の優遇策
以外にも中小企業信用保証制度は一度でも返済が滞ると融資保証しないのでなく失敗しても何度でも
創業にチャレンジできるシステムなど様々な大阪の中小企業が元気を出せる支援策を府議会を通じ
提言して行きますので今年もご支援ください。


無限大のシンボルマーク

21世紀の幕開けにあたり新しいシンボルマークをデザイナーの森本紀正氏の協力で
制作しました。
21世紀への希望と大阪の再生、そして次世代の子供達にバトンタッチできるよう
願いを込め鈴木のSと無限大∞を重ね合わせ未来へ飛翔するイメージしたものです。



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