2007年・夏/初秋号(バックナンバー)


  1. 臨時府議会で副知事を選任
  2. 政務調査費の使途基準などが決まる
    【 政務調査費29万円を修正処理 】
  3. 知事らが国の予算などに要望
  4. 中村議員らが知事に具体的な提案と要望
  5. 枚方市に設置の高等職業技術専門校の検討が進む
  6. 関空の二期工事はすごい
  7. 第二京阪道路もいよいよ大詰め
(項目上をクリックするとその項目部分へリンクします)

  大阪府議会ホームページ
  大阪府ホームページ

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1.臨時府議会で副知事を選任

 大阪府議会は臨時会を開き、空席となった副知事人事を決議しました。もともと、参議院選挙が7月22日に終了することを予測して立てられた日程であっただけに、選挙が1週間、政府の勝手な理由で伸ばされたため、前任者との間の空白が長くなってしまい、様々な分野に今回の期間延長が影響していることを示しました。
 選任された2人はともに、行政経験が豊かで人望もあり、活躍が大いに期待されます。

2.政務調査費の使途基準などが決まる

 府議会の政務調査費の遣い方が大問題になり、そのため、各会派の代表による「政務調査費あり方協議会」が設置され、使途基準や帳票の作成方法などについて議論され、この程、その結論がまとまりました。
 今後、9月の定例府議会に改正条例が提案され、可決・施行の運びとなります。政調費については、議員の第二報酬ではないかと、これまで度々指摘されてきました。今回の外部監査によって、政調費のあらましが判明し、その中に一部、余りにもひどい「これが政調費?」といわれるものが白日の下にさらされ、これほど府民の厳しい批判が出されたことはありませんでした。
 政調費は公金であり、透明性・妥当性をしっかりとしなければならないのは当然のことですが、世論の厳しい視線の中で、議会としての「あり方」や事務処理のあり方などの議論が、当面の批判をかわさなければという方向での議論になってはいなかったかなど、改めて考えなければなりません。
 また、この基準づくりにどの会派も真剣に望んだことは事実ですが、実施後、不都合があれば大胆に見直ししていく勇気も持たなければなりません。
 私自身もこれを機に、一層襟を正し、府民の皆さんの期待に応えていきたいと考えています。

  【 政務調査費29万円を修正処理 】 ”政務調査費について中村議員の考えと対応について”

3.再生重点枠(目玉予算)事業などが決まる

 太田知事と教育長・警察本部長ら府の幹部は6月17日、民主党の国会議員らを通じて、平成20年度の国の予算・施策に対しての要望・提案を行い、府政推進への協力を求めました。またこれに、中村議員ら民主党議員団の役員も出席しました。
 今回の最重点は、【1】地方主権の実現のための税財政の改革、【2】次世代育成の支援、【3】安全なまち大阪づくりのために、警察力の充実や、セーフティネットの確保、【4】都市魅力向上のための基盤づくり、【5】日本の国土形成に必要な役割を果たすことの5項目で、知事は同時にこれまでの大阪府の取組みの成果なども説明しました。

 5項目の中でも特に次世代育成支援では、
  1. 出産・子育て家庭の経済的負担の軽減
  2. 育児休業給付の引き上げや、原職への復帰を確保した職場復帰支援、多様な保育制度の充実など、働き方の見直しを進める施策の強化
  3. 若者の就職支援策強化
  4. 周産期・小児医療体制の充実
  5. 子どもの「学びと育み」を支える教育施策の充実
を訴えました。

 また、安全なまち大阪を確立するための警察力の充実・強化では、

  1. 警察官らの増員
  2. 効率的な警察活動推進のため、拘置所等の収容能力の拡充や、経費節減に役立つ集中護送を可能にするための同行施設(公判や取調べのために護送された複数の被留置者を収容する施設)を整備>
を強く求めているのが特徴的です。

*印刷物をご希望の方にはお届けしますので、事務所へご連絡ください。

4.中村議員らが知事に具体的な提案と要望

 中村議員の所属する民主党無所属ネット府議団は8月3日、太田知事に9月定例議会と来年度予算編成に向けた重要課題についての提案・要望(以下、提言)を行いました。
 この提言は、改選直後の5月定例会で議会の役員構成が行われ、これに合わせて民主議員団でも会派役員を新たに選出しました。
 とりわけ、政務調査会(以下、政調会)はこれまで、知事への提言はもとより、議会での代表質問作成など政策の多くを議論してきただけに、今期も前期同様にしっかりと対応していくため、6つ専門部会を設け、この部会などを中心にまとめたものです。なお、中村議員は総務部会の部会長を務めています

 具体的なものの代表例としては、

  • 情報の漏洩などの防止
    これまで行政も民間も、電子入札システムや税務申告などにみられるように、IT化促進に力を入れてきました。この整備促進に今後も取組まなければならないのは当然ですが、今日、情報漏洩が全国で多発し、大きな問題を引き起していることから、「情報管理」は最重要課題です。 議員団は情報管理について、システムの改良、職員の意識改革、問題解決のための市町村との効率的な連携を一層促進するよう求めました。

  • 公共事業とまちづくり
    公共事業のあり方・まちづくりに関しては12項目を取上げましたが、特に維持補修対策、用途地域問題を強く指摘しました。 高度成長期に建設された道路・橋梁・上下水道などの都市基盤設備が老朽化などによって大量更新の時期を迎えます。新規事業から維持補修に重点を移し、後世にツケを回さない大胆な行政執行が必要です。
     さらに、最近の住宅建設は府内各地で、(準)工業地域やこの周辺で住宅開発が行われ、地域で長く製造業などを営む中小零細企業が厳しい状況に置かれています。法的用件を遵守しているにも拘らず、地域事情を知らない新住民との間で摩擦が生じ、操業自体が危ぶまれることも多く、まちづくりそのものが破壊してしまう恐れがあります。
     中村議員らは、早急に市町村と連携し、地域事情に合った自治体の取組みが実行されるよう、国への働きかけを強めるなど、その課題に力を入れていきたいとしています。

  • 農業の育成と農空間を守る
     大阪の農業・農空間は府民の身近にあって、安全で新鮮な農作物を供給することはもちろん、ヒートアイランド現象の緩和や、生物の生息の場となるなど、豊かな都市環境・自然環境の形成に大きく寄与しています。さらに教育や福祉・防災などの分野でも重要な役割を果たし、安全で快適な暮らしの実現には欠かすことのできないものです。
     そのため、団塊の世代をはじめとした新規就農の促進など、農業者・府民・行政が一体となった都市農業の展開が必要です。
     さらに、食の安全が脅やかされ、とりわけ外国産の食品に厳しい目が注がれている中、地産地消の推進は大阪の農業振興と農空間の保全・活用にもつながります。民主議員団はそのための条例など府独自制度をつくることを求めました。
 中小企業対策と雇用促進では、【1】十分な資金供給を行うこと、保証協会の財務基盤の強化、【2】パート・アルバイトや派遣社員など非正規で働く人達の待遇改善に向けた施策の展開、【3】就職困難者への雇用就労支援策の充実、【4】中小企業の人材育成・確保のため、職業能力開発計画を積極的に展開することなどを取上げました。この他、子育て対策、医療対策、安全なまちづくりなどがあります。
 詳しくは下記の資料をご覧下さい。

  平成19年9月議会および平成20年度予算に向けた府政に関する提言(表紙・目次等)  (PDF・約27k・全6頁)
  平成19年9月議会および平成20年度予算に向けた府政に関する提言 (PDF・約85k・全6頁)

▼この提言に対する皆さんのご意見をぜひお聞かせください。

5.枚方市に設置の高等職業技術専門校の検討が進む

 大阪府内の企業の90%以上を占める中小企業の人材育成と確保、就職困難者への施策としてこれまで、大きな役割を果たしてきた府立高等職業技術専門校(以下、技専校)の再編整備計画が進められ、北部校の設置が待たれています。

  イメージ図 (PDF・約56k・全1頁)
  再編計画図 (PDF・約17k・全1頁)


 上記リンク図のように、府は昨年4月に堺校・松原校を統合した南大阪校を開校し、次いで、守口校と東淀川校を統合した新しい技専校として枚方市東部の「津田サイエンスヒルズ」に北部校を設置します。

 昨年9月に制定した大阪府の職業能力開発計画では、

  1. 就職困難者(障害者・母子家庭の母親・中高年齢者・若年者等)の雇用就労環境が依然として厳しく、そのためのきめ細かな対応が必要なこと、
  2. 人材の育成・確保を積極的に支援するため、技術指導や職業訓練を実施し、さらに周辺の立地企業などと連携した高度な人材を育成するとしています。
 北部校ではすでに開校している南大阪校の成果や訓練内容などを考慮し、
  1. 公共職業能力開発機能
  2. 中小企業の能力開発支援機能
  3. 相談・情報提供機能
を持たせる予定です。さらに特色として、枚方市や交野市など北河内地域には中小製造業が多く立地していることから「ものづくり系」として位置づけ、訓練分野と科目はイメージ図のとおり、機械系、電気・電子系、建築系の3分野を置く案が出されています。
 現在、学識経験者や地元商工関係者らを含んだ「技専校基本構想策定検討委員会」が設けられ、機能、訓練内容・方法、教育機関との連携などについての検討が続けられています。
 検討委員会は今年度中に構想をまとめることになっていることから、中村議員は早期に開校できるよう地元関係者や他党の議員らと力を合わせ、就職困難者や地元中小企業の皆さんらの期待に応えていきたいと決意を語りました。

6.関空の二期工事はすごい

 中村議員は商工労働常任委員として、「関空の二期工事現場」と、「貨物の取扱」を管内視察しました。
 8月2日に供用開始となった第二滑走路は延長が4,000メートル、幅も60メートルですから、丁度、御堂筋とまったく同じとか。真ん中の3本線のところから端を見ても、霞んで何も見えません。海の中に土を入れて埋め立て、滑走路だけでも御堂筋と同じ長さのものを造るわけですから、その苦労はなるほど大変だと思います。そして、驚くのは土を入れてから、もう既に11メートル程度の沈下があったとのことで、これから10年ほどの間にさらに6~7メートル程度の沈下を見込んでいるとのこと。そのため、フェンスなどが今は波打っていますが、その内に「真っ直ぐ」になるようです。土質と地盤などを分析して、最新の土木技術を駆使すると、想像もできない将来の姿がわかるようです。

関空滑走路(a)

滑走路は御堂筋と同じ
 ところで、写真(a)は中村議員が滑走路の真ん中あたりの表面の様子について説明を受けて、感心しているところです。滑走路は航空機が確実に離着陸できるように、加重計算などは当然充分にやられていますが、「すべり」を防ぐため、1センチ程度の幅で規則正しく凸凹が設けられています。これは摩擦力を強力に生じさせるとともに、雨などの際、タイヤと路面の間に「水」が入ってスリップしないようにし、それとともにミニ水路の役割で両端に排水させるのだそうです。スゴイ・スゴイと感心です。

 また、関空の貨物便が相当に増えている中、巨大な倉庫を見せていただきました。中は、果実・野菜・魚貝・肉などによってすべて温度が異なるため、しっかりと保冷。その量の多さとともに、過酷な職場にも感心。私たちの胃袋などを満たすため、多くの人達が働き、世界の各地から運ばれてくる今の時代のすごさを実感します。この日、食品の箱に印刷されているだけでも、ノルウェー、アメリカ、中国、カナダ‥と、様々でした。

【写真】貨物便の保管庫


7.第二京阪道路もいよいよ大詰め

  中村議員ら第二京阪道路建設促進議員連盟の役員らは8月2日、今年度の総会を開催し、新たな役員の改選を行うとともに、在阪の国土交通省・近畿地方整備局や旧道路公団などへの要望活動を行いました。

総会で挨拶と礼を述べる国土交通省幹部
(後ろ向き右側が中村議員)

津田地区の工事現場
 道路建設のために必要となる用地の買収率は現在、表(下記リンクの表)に示されているとおり、6月末で、府域全体で98%、枚方市では100%、寝屋川市では99%、交野市でも99%となっています。
 工事の発注率は全体で94%ですが、平成21年度末に全線の開通を実現するためには今年度中にすべての工事区間の発注が不可欠です。
 中村議員らはこれからも引き続いて、国土交通省や西日本高速道路鰍ノ対して事業の確実な実施を要請するとともに、沿線各市がそれぞれ抱える様々な課題に迅速な対応ができるように取組んでいきたいと語っています。

  第二京阪道路の進捗表 (PDF・約8k・全1頁)

21広場 /  府議会・府政だよりこの町のかたち