バックナンバー 2017年 新春号
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1.2017年度予算へ提言と要望
 民進党議員団代表の中村議員は12月9日、松井知事に対して「府政の課題と来年度予算編成に向けた提言・要望」をまとめ、「府民の命と暮らしを大切にする府政」を進めるため、知事が先頭に立って奮闘していただきたいと要請しました。その一部をご紹介します。

知事代理の新井副知事に手交
 中村議員は府政の進め方では、橋下知事時代から「改革・競争」をキーワードに様々な取組みがなされ、一定の成果をあげたものがある反面、課題を残したものも多くあると指摘しました。
 中村議員はさらに、「競争の全てを否定はしないが、競争のスタートラインにさえ立てない人達も数多く存在し、競争そのものが不合理なものもある。互いの違いを認め合い、誰もが共生できる社会づくりへともに頑張っていこう」と、語りました。
 中村議員が手渡した提言・要望書は、
@信頼の府政を築く、A平和と人権・自治を尊重する、B子ども・女性に笑顔を、C福祉・医療の充実、D人を育てる教育、E暮らしを支える、F勤労者・中小企業・大阪を元気に、G安全・快適なまちを、という8分野で構成しています。
福祉・医療

 府には「子ども総合計画」、「障がい者計画」、「高齢者計画」、「地域福祉支援計画」など、多くの計画がありますが、必要な人に、必要なとき、必要なサービスがしっかりと確保されなければなりません。そして住み慣れた地域で安心して医療が受けられる体制を築くことも重要です。
 このような中、「福祉医療費助成制度」を全面的に見直し、今年の秋から新たな制度で実施したいという問題があります。中村議員は、「持続可能な制度の維持という美名のもと、総枠抑制のための見直しとなってはならない。今回の制度再構築(見直し案)では、これまで助成の対象だった人の多くが対象外となってしまう。多くの障害者や高齢者が『府の計画どおりに変更されたら、私たちは受診を控えなければならなくなる』と、怒っている。何のための制度かと指摘されることのないよう、関係者の意見を聴取し、課題を整理してセーフティネットとしての役割を十分に果たすこと」と申入れました。

虐待対策も

 中村議員は、「いじめ・虐待で落命する子どもが後を絶たない。『絶対に子ども達の命を守る』という強い姿勢で、あらゆる政策に優先して対策を講じてほしい」と要請し、妊娠や出産、子育ての間を埋める切れ目のない体制づくり、シームレスなサポート体制、特に妊婦の相談・健診などに十分な支援策を求めました。

子どもの貧困

 また、昨年施行された「子どもの貧困対策法」で、貧困対策は国と自治体の責務とされました。法律に基づいて昨年6月から「子どもの生活に関する実態調査」が行われましたが、精緻な分析をもとに、「貧困は自己責任」という市場原理から脱却し、「子どもの育ちは社会全体で支える」という理念に沿った総合的政策を実施することが必要です。

子どもの暴力

教育関係では、いじめ・不登校・暴力行為などへの対策、夜間中学、通学安全、教員配置と医療的ケア、部活動と教員の多忙化対策、私学助成のあり方、奨学金問題、日本語指導の充実などを取上げました。
 中でも、子ども達の暴力問題では、中学校では減少傾向にありますが、小学校低学年で激増しており、幼少時にしっかりとした対応を講じることが必要です。

部活・多忙化

また、多忙を極める教員が子どもと向き合う時間や指導の質の確保につながる動きとして、部活動指導員(仮称)が今年度中に省令上明確化される予定です。
府内の「教育現場」をみれば、一刻も早く実現を求められる内容ですから、府でも権限・予算などの検討を早急に始める必要があります。
さらに、「働き方改革や教職員の健康管理の観点から、長時間勤務の一層の縮減を図る必要があるとして、教育長が「全校一斉退庁日」、「ノークラブデー」の考えを記者会見で示しました。府立学校だけではなく市町村立学校でも、その趣旨が実効あるものとなるよう、指導・助言を徹底してほしいと求めました。

安全・快適なまち

公共交通問題では、連続立体交差事業の着実な推進を進めること、鉄道駅の転落防止柵やエレベーターの設置、新名神高速道路と淀川渡架橋の推進を要請しました。

予防保全

 道路、橋梁、上下水道管など、府民の暮らしに不可欠な都市インフラについては、高度経済成長期に建造されたものが多数存在し、今後、大規模な修繕や施設更新が一時期に集中する恐れのあることをかねてから指摘してきました。
 現実に、全国各地で道路の陥没が年間3千件以上発生し、また信号機の心臓部ともいうべき制御機の老朽化が進み、4万基以上が危険な状態のまま放置されています。
府ではこれらの都市インフラ事故を防ぐとともに長寿命化へ向け、中長期的に保全工事を進めるため、一定枠の予算を確保していますが、現在の取組みスピードのままでは老朽化対策は決して万全とはいえません。さらに大規模な予算枠が必要です。

働き方改革

いま非正規雇用労働者の待遇改善や就職困難者の支援、女性の就労支援、長時間労働の是正、ブラック企業問題などが大きく取上げられ、働き方改革が重要な課題となっています。
そのような中、公労使(府もメンバー)で働き方改革推進に向けた推進会議が昨年秋に設置され、14項目を掲げた共同宣言を出しました。宣言だけで終わってはならず、真に実効性のあるものとしていくため、数値目標を含めた取組みにするとともに、大阪府の職員が活き活きと働ける職場環境づくりを進めていくよう求めました。
また、最近の悪質な法人格濫用と偽装請負、業務委託による脱法的雇用関係が広がりを見せています。これを排除していくため、就業するまでにワークルールを学ぶ機会を保障していくことも要請しました。

万博

 カジノ解禁に向けた議員立法・統合型リゾート(IR)問題が国会審議で大きく動き出しました。知事はぜひ大阪に誘致したいと意欲を示していますが、刑法の賭博罪、ギャンブル依存症対策、マネーロンダリング、周辺環境問題等整理すべき課題が山積です。さらに世論調査でも「カジノ反対」が過半数を占めていると言われています。
 中村議員は、「カジノを含むIRは断念すべきだ」と指摘しました。

万博の経費は?

 また、2025年万博を大阪でという動きも活発になってきました。先頃終了した府議会でも、大阪万博誘致へ議会決議が出されました。民進党は万博の開催そのものを反対するわけではありませんが、2020年の東京オリンピック開催で出てきた問題をしっかりと整理しなければならないと考えています。当初の計画をはるかに超える費用の負担や、国・地方・組織委員会などの役割分担がいかに不明確であるのかなどが大きく報道されています。それだけに、大阪府にとって万博開催は大きな負担とならないこと、国・地元・経済界の役割などをしっかりと決めなければなりません。安易にイケイケドンドンであってはなりません。
 また、このIRを大阪万博の開催候補地だという場所に設置したいというのも大きな問題で、万博の陰に隠してしまおうということではないかという指摘もあります。

【これ以外の主な項目】

@公募制度の見直し
A市町村との連携
B差別撤廃と環境整備
C保育の充実
D認知症高齢者対策
E感染症・がん対策
F医療体制の充実
G私学助成の見直し
H通学安全対策
I消費者被害対策
J生活困窮者対策
K公契約・商店街の振興
L国家戦略特区対策
M自殺・自己放任対策
N公共交通の充実
O空き家対策
P警察力の充実策       などです。
   提言・要望の全文はこちらをご覧下さい。(PDF形式)

2.定例府議会が終わる
 9月から始まった定例府議会は12月20日、閉会しました。この議会は10月後半までの前半と11月下旬からの後半に分かれ、それぞれ前半・後半ともに本会議での一般質問が行われるなど、様々な課題が議論されました。
 中でも、後半議会で特に注目を集めたのは、
@万博の大阪への誘致
Aカジノを含むIRの誘致問題
B民泊制度の宿泊数を短縮する条例案
C福祉医療費の助成制度の見直し
D特別顧問等の見える化問題
などです。
 中村議員は所属する健康福祉常任委員会に付託された民泊問題について、質問しました。この変更条例案に対しての質問は維新の会と民進党の中村議員だけでした。
 中村議員は、「この問題は、どうすればもっと利用しやすくなるか、どうすれば利用者が増えるかなど、利用する側からだけの議論になっているのではないか。施設の近隣住民にとって、もし民泊ができてドンドン増えれば、平穏な暮らしが脅かされないかなど、多くの不安を抱えており、この点を疎かにしてはならない」と指摘しました。

「委員長!」と発言を求める中村議員
 また、今議会でも、自民党議員団が提案している「特別顧問」等の見える化問題で、「いつ、どこで、誰が、何を」調査したり、協議したりしているのかがしっかりと分かるように条例で定めようとする議案に、維新の会が対案として提出した条例案がともに今後への閉会中審査となりました。

3.林業対策と葉っぱビジネスを視察

 中村議員は徳島県を訪問し、上勝(かみかつ)町で展開されている「葉っぱビジネス」の視察、また徳島県庁の農林部関係者から、地産地消の推進や林業の活性化などを学びました。
  • 視察先  徳島県議会/県農林水産部/鰍「ろどり(彩)、葉っぱビジネス
  • 視察日  12月12~13日
 大阪府が今年度から新たに導入した「森林環境税」に関しての調査をしていた時、ディー・ファイルで、いわゆる「葉っぱビジネス」という言葉を初めて知りました。これを読み、「これは凄いな」と思い、一度現地を訪問してみたいと考えていたところ、議会の休会中、丁度訪問する時間が取れ、先方の受入もOKとなり、今回、上記のとおり管外視察を行ったものです。

●12月12日

 早朝、大阪からの高速路線バスで徳島へ向かい(復路も同様)、県庁の農林水産部関係者からの説明を前に、あらかじめ、「新風・民進クラブ議員団」を訪問したいと伝えていましたので、議会・委員会の開会中でありましたが昼休みに時間をとっていただき、3人の議員にお会いしました。そして、関西広域圏のこと、大阪万博やIRのことなどについて意見交換を行いました。
 次に、徳島県議会の東端事務局長と廣田主任から、「VS東京」として様々な取組みを行っていると説明を受けました。VSは対決ではなく、「対比」という感覚に近いものですが、徳島県の意欲が感じられるキーワードです。
 次に、視察目的として、あらかじめお願いしていた項目、

@地産地消の現状と今後の方策
A県産材の新たな需要の創造について
B山林の保全活動の状況
の3項目について、順に説明を受けました。

 地産地消の現状と今後の方策では、地産地消の協力店をいかに増やしていくか、学校給食での可能な限りの取組み、「阿波ふうど」とした取組み、働くパパ・ママのための応援店(弁当惣菜店)を増やす取り組みなどが功を奏し、地産地消がかなり進んでいるとの説明を受けました。
 さらに、野菜たっぷり料理レシピコンクールの開催では、2,390作品もの応募があり 中でも中学校からは半分近い1,155作品で、主催者(県・県教育委員会・JA全農とくしま)も驚くほどで、地元産品を使っての食事へ意義のある取組みだったと説明を受けました。

 県産材の新たな需要の創造については、林業戦略課新次元プロジェクト推進室を立ち上げ、平成17年度から林業プロジェクトを展開してきたこと、さらに「木づかい県民運動」を進めるため、業種業界の枠を超えた連携を図ってきたこと、天然木を世界最薄水準に加工する独自技術を確立し、これが国土交通省の防火性能適合品として認定(不燃材認定)されたことによって、地元の内装クロス職人が施行可能なものとして、飛躍的に新製品の開発・販売が進んだようです。
 この他、県産材を使用した様々な施設の紹介や、阿波特産の藍染とのコラボなど、非常に興味深い取組みを伺いました。

 山林の保全活動の状況については、大阪府でも環境税導入の際、山林の保全のため、川下の木材利用と販売、川中での加工や流通体制、川上での生産基盤の充実と全体的な人材育成の重要性が指摘されていました。これが徳島県ではどのような状況であるのかを質問しましたが、別紙の「研修生募集」、「目指せ、山の仕事師」のリーフレットに見られるように、林業アカデミーで学び新世界へ踏み出した若者が多く輩出されていることに感心しました。現在11人が誕生し、平成29年度も10人以上を育てるということです。Uターン、Iターン、Jターンとさまざまですが、この世界で頑張れば生活が成り立つ、また生きがいを感じられるという制度であるからこそ、若者が集まってくるのだと思います。

別紙  研修生募集  山の仕事師(PDF形式)

●12月13日

 この日は、鰍「ろどり(彩) が運営する上勝町の葉っぱビジネスの視察です。私は前日、徳島県庁から 16:10徳島駅前 → 17:13横瀬西 → 17:37温泉入口 という順にバスで移動し、宿泊先であり、鰍「ろどり(彩) の本部である月の宿に来ていました。
 ここを選んだのは訪問先が宿泊場所と同じで便利ということもありましたが、月の宿というホテルは、写真のように、徳島県産の杉、地元産の木材をふんだんに使用しているということを聞いていたので、ここを利用しました。




 この施設は温泉が湧いていること、地域のコミュニティセンターにもなっていることから、地元の方々がお風呂(有料)に入りに来たり、忘年会を当施設のレストランで開催するなど、いろいろな方が利用していました。
 この日はあいにくと朝から雨で、豊かな自然の中を少し散歩でもと思っていたのができないため、朝食後、予約の時間よりかなり早かったのですが、同じ建物の施設ということで、事前見学を兼ねて鰍「ろどり(彩)のフロアを訪問しました。
すると、早速担当の粟飯原氏が、「少し早いですが、どうぞ」と迎えてくださり、時間前からのスタートとなりました。 横石社長にも挨拶した後、早速、パワーポイントを使って、どうしてこの事業が始まったのか、これまでの経過、現在の事業の状況などの説明を受けました。
 パワーポイントでは、わざわざ、「民進党大阪府議会議員団」という文字まで入れていただいていました。



 この中で、現在の「葉っぱ生産者」は女性・高齢者が中心で、平均年齢が70歳、200軒が参加し、全国シェアの大半を上勝町が占めているなど、素晴らしいことを説明されていましたが、後継者問題はどうなのか、また葉っぱは無尽蔵にそして勝手にできるというものではなく、一定の手入れと山林の保全を行わなければ長く続かないなどの問題もあり、この点が不安材料の一つではないかと思われます。

パワーポイントで「つまもの」を紹介する

 説明を受けた後、実際にこの事業の中心的な存在でもある、西蔭幸代さん宅をご案内いただいて、写真のように、実際の仕事を拝見しました。また、その仕事中に注文を知らせる呼び出し音が鳴ることもありました。





 ディー・ファイルでは、年商1,000万円を超える方もおられるということでしたが、最近は事業参加者が多くなり、競争も激しくなってきたので、なかなか期待するほどの売り上げにはいかないということです。 
 また、例えば、常に色の揃った「青もみじ」を出荷しようと思うと、ビニールハウスで常に室温を12度に保つ必要があるため、ボイラーを入れ、エアコンを作動して夏・冬の対策をしなければならず、運営経費もばかにはならないとのことでした。
大阪や東京などの一流レストランなどは、「◇p位の椿の葉を100枚、☆p程度の南天を200枚」などのように注文があり、その場合は相当な金額が示されますが、セリにかけられる一般的なものは半分程度になり、利益があがらないので、品質を高め注文を受けられるようにしたいとの意見です。

 社長の横石氏が、大阪のすし屋で食事をしたとき、近くの席の客が食事に添えられている奇麗な紅葉(つまもの)を見て、「きれいな紅葉だからもらっていこう」と、懐紙に挟んで持ち帰られる姿を見て、「こんな葉っぱなど私の住んでいる地域にいくらでもある、これが売り物になるのだったら商売に」と、考えたことからスタートしたということで、事業というものはいろいろな場にあるものだと、改めて感心しました。
 上勝町を中心とする一帯は昭和56年に−12度という猛烈な寒波に襲われ、主要作物のみかんが全滅しました。この時、農家は一体どうすればよいのかと途方に暮れ、その中で、再びみかんを育てることが難しく、地域を離れる人も多かったようですが、いまでは「葉っぱビジネス」がこの地域の主要な産業になっています。
 さらに我々が学ぶべき点は、高齢者が中心で、最初はパソコンなど触ったこともないという方が多かったのに、今では事業に参加しようとすればこれが必須で、山の中に入っている時でもタブレットを持ち歩き、注文に直ちに応じられるようにしているという、積極的な姿勢です。0.1秒単位の、いわゆるタッチの差で受注できなかったという方が相当出てくるため、誰もがいろいろな工夫を凝らされているとのこと。ミカンの収穫の際には、相当重いものを持たなければならず、身体的疲労はすごかったが、今はその苦労はないものの、どうすれば受注できるか、それが大変だということでした。

 さらに、これの集荷場であるJAを訪問したところ、別の視察者も来られていて、JA職員から商品として出荷する「葉っぱ」の説明を受けていました。葉っぱを入れたトレーには、生産者の名前、日付などがすべて判読できるバーコードが付けられ、これによって商品への苦情などがあれば直ちに連絡できるなど、商品の品質向上にも役立てています。

 今回の管外視察は、大阪でも農林業の再生・活性化、起業への取組みを進めていく上での問題点など、多くを学ぶことができたと思います。


4.北陸新幹線のあり方で意見交換

 北陸新幹線の整備を推進する議員の会が開かれ、中村議員も参加しました。この会は北陸新幹線の沿線自治体の民進党系の府県会議員が参加して、勉強会・要望活動などを続けてきています。原則として、各府県会の幹事長が副会長に、政調会長が幹事になり、会を運営しています。
先頃、政府与党が新幹線の敦賀以西のルートを、小浜・京都ルートにすると決定したことから、懸案のルート問題が大きく前進したことで、今後の対応などを協議するために開催したものです。

 ・開催日  2016年12月22日
 ・会場   福井県庁・議会議事堂大会議室
A ― 当日の協議案件と要旨
 (1)北陸新幹線のルートと今後について
 (2)各府県の議会改革について
 (3)政務活動費のあり方について
(1)北陸新幹線のルートと今後について

 今回、政府・与党が小浜・京都ルートが好ましいとして、方向性を確認されましたが、沿線各府県がどのように受け止めているのか、また、実際にどれだけの費用等が発生するのかなどを福井県総合政策部の新幹線建設企画幹・成瀬公夫氏が説明され、これに対しての質疑が行われました。
   正式なルート決定まで、今しばらくの時間がかかりますが、早期建設着工などを促すため、議員の会として決議文を作成し、国土交通大臣や政党への働きかけを行うことで一致しました。福井県議団(事務局)が作成した原案(=別紙)をもとに各府県が持ち帰り、新年早々に要求行動を起こすことになっています。


福井県の担当者である成瀬・総合政策部新幹線建設企画幹が説明

(2)各府県の議会改革について

 各府県の議会改革の取組みが報告されました。とりわけ各府県の取組みとして注目されるのは、子ども議会や出前議会のような取組みで、京都府などは参加者数が500人〜600人などと、大変な関心を持たれているという報告がありました。
(3)政務活動費のあり方について

 昨今、政務活動費をめぐっての不適正な事案が多発したことから、各府県ともに、政務活動費の支出のありかた、報告の様式をどうすれば、住民により一層理解していただき易いものになるか、苦労しているとの報告がありました。
 また、現在、係争中の府県もあり、それぞれの現状が報告されました。大阪からは事務所費問題、人件費の扱い、費用の按分等に関することなどの報告を行いました。
 各府県それぞれ、支出されている政務活動費の金額には大きな違いがあり、また政務活動費の支出の用途、ルールそのものにも少しずつ違いがあり、同様な比較は難しいこともありますが、疑惑を持たれない支出、住民が常に我々の活動を注視しているということを忘れずに活動することが大切だと確認しました。


正面真ん中に成瀬氏、右へ大阪(中村)、福井と、府県別に着席

5.ベトナムの代表団が府議会を訪問

 11月下旬から12月上旬にかけて、ベトナムの首脳が相次いで来阪され、府議会を訪問されました。
ベトナム共産党の政治局関係者は11月28〜29日、大阪を訪問され、知事や議会関係者らと懇談しました。代表団のファム・ミン・チン代表は、ベトナム共産党の政治局員・書記局員、ベトナム日本友好議員連盟の会長も務めておられ、28日の歓迎昼食会では「閣下」という尊称がつけられていました。同氏らは29日に大阪府庁を訪問され、議長や日越友好親善議員連盟会長の中村議員らが出迎え、意見交換を行いました。チン会長は、最近の日本のベトナムへの投資に感謝されるとともに、今後もいっそうの海外投資策を進めてほしいと語られました。
 また、12月2日には国会の司法委員会が腐敗防止対策の取組みとして、日本の優れた制度などを学びたいということで、共産党中央委員で国会司法委員会委員長のレ・ティガ氏ら9人が訪問されました。中村議員は議長とともに、ベトナム友好議員連盟の会長として意見交換を行いました。その後、一行は府庁で腐敗・汚職防止のためにどのような仕組みを作っているのかなどを学ばれました。
 両代表団ともに和やかな意見交換でしたが、特に、友好議連が中村議員を団長として2016年8月にベトナムを訪れているだけに、ベトナムの事情も一定理解できていることから、関空との直行便のこと、水に関する設備投資のことなど、非常に有意義な場となりました。

意見交換が終わり全員で記念撮影
(前列左から駐大阪総領事、ガ司法委員長、今井議長、中村議員)


6.各種団体から相次いで要望を受ける

 年末は来年度予算編成を控え、多くの団体などからの要望などが多く寄せられます。特に今年は、府の福祉医療費助成制度の再構築問題があるだけに、この問題での要望が多く寄せられています。
 さらに最近の要望・指摘を集約すると、
@福祉医療費助成制度の再構築について
A交通安全対策としての信号機の設置
B防犯灯とカメラの設置
C鉄道各駅への転落防止柵の設置
D新名神と淀川渡架橋について
E特別養護老人ホームなどへの入所問題
F親が入院する病院の転院問題について
G認知症高齢者対策を充実し、孤独死などに至らないようにしてほしい
H年度末になぜ道路舗装工事などが集中するのか
IIRカジノを誘致してはいけない
Jコンビニなどの深夜営業を自粛することは出来ないのか
K駅周辺の道路に長時間自転車をとめて出勤する人を取り締まってほしい
などです。
 これらの中には、政策課題としては実に思い問題や、むしろモラルに関することもありますが、声を出される方にとってはいずれも真剣であり、しっかりと対応しなければと思います。

福祉医療費問題で要望書を受取る

7.府庁本館の耐震工事が終わる

 府庁本館の耐震工事がこのほど終わり、工事後の現場などを視察しました。実際の工事にあたっていた関係者と府の庁舎担当部局職員から工事の実施方法、その効果などを順に聞きましたが、写真のように想像を絶するような重量を支えている柱が途中でこんな形で切断され、スプリングのようなものでよく支えることができるのだなと感心してしまいます。
 庁舎の耐震工事中は、職務を執行しながらの工事でしたから、今回は1階部分の南半分、次は北半分というように、エリアを決めて順に工事を進めていたため、所々の廊下を通行止めにすることが度々で、時折府庁へお越しになる方が「どうすれば控室に行けるのか」と問われることもよくありました。
 今後、大阪城側の部分と議会棟を残して、西側部分は撤去することになっています。また、中村議員の民進党議員団の控室(現在は撤去予定の西館2階に仮移転)、共産党(現在は撤去予定の西館2階に仮移転)、公明党(現在1階へ仮移転)、自民党(現在1階へ仮移転)のそれぞれの控室は来年1月下旬に元の場所へ戻ることになっています。
 西館が撤去されることにより、現在第1委員会室~第4委員会室などはすべて1階へ移動することになります。これによって、議会の委員会室が整備され、これまでは間接傍聴になっていた委員会もすべて公開となり、議会の透明化が一歩前進します。

地階で工事担当者から説明を聞
く中村議員(中央・グレーのスーツ)


免震構造の仕組みを聞く

柱がなくなって、これで大丈夫?

8.府議会の傍聴ルールを改善

 前項目でもお知らせのとおり、来年2月定例府議会から、本会議の代表質問、一般質問とともに、8ある常任委員会の一般審査も一般傍聴が始まります。委員会室の広さとの関係もありますが、それぞれの委員会の傍聴定員は約20人です。

 大阪府議会議員 中村哲之助ホームページ