中村議員はこの政調会の場とともに、この前後に各部局とさまざまな課題で質問・意見交換を行いましたので、これらをお伝えします。
◆大規模事業等
◇IRの会場予定地の夢洲に、今後どれだけの整備費を必要とするのか、またその前提である河川の浚渫土や道路掘削等に伴う残土はどのような見通しか。
◇淀川左岸線、うめきた、北陸新幹線、リニアなど、巨大プロジェクトが目白押しとなっているが、その財源の枠組みはどうなっているのか。
◆都市整備
◇相次ぐ大規模災害で、都市インフラの老朽化対策が一段とクローズアップされた。府はこれまで、新規から更新、長寿命化へと舵を切り、予算も長期計画に基づいて、年間260億円余りを計上しているが、これで府民の不安を払拭できるのか。20〜30%程度の予算枠を増やし、計画の前倒しを行い、スピードアップが必要ではないか。
◇公共交通の維持・活性化はますます重要だ。高齢化や、大型店舗の郊外への展開などで、「交通難民」という言葉も出ている。市町村と十分な連携を図り、交通関係事業者や関係労組なども加わった「協議会」で方向性を示していくべきだ。
◆住宅まちづくり等
◇管理不全分譲マンションへの対策はどの程度進んでいるか。
◇府営住宅を市町村に移譲していく計画は現在どのような状況か。
→ 大阪市へは61団地1万2千個を移管済み。大東市へは3団地、門真市へは10団地を3回に分けて来年度から移管予定。
◆教育と子ども
◇府内の公私立学校でのエアコン設置状況はどこまで進んだか。
→ 府立高校の普通教室は100%、特別教室は39%、小中学校の普通は約80%、また認定こども園を含む幼稚園の教室は52%。
◇頭髪指導を巡って、校則が大きく取上げられた。最近、府立の全学校での校則の見直しが行われたが、結果はどうか。またどの部分が最も対象となったか。
→ 社会通念上逸脱している、今の時代にそぐわないなどがあった。主なものは頭髪、服装、遅刻対策の3項目だった。7月末から全校の校則がホームページで掲載している。
◇WHOが新たな疾病としたゲーム障害にしっかりとした取り組みが必要だ。家庭の問題が多いのは事実だが、小学校入学段階から子ども達への指導とともに、保護者にも十分に問題点を説明し理解を求めていく必要がある。早急に対策を講じる必要がある。
◇部活動は週に1度は休日を設けるという方針を打ち出したが、その後各学校現場では守られているのか。
→ 昨年から完全実施を始めた。効果は出ている。今年3月にスポーツ庁からガイドラインが発表された。府県はこれに基づいて方針を策定することになる。
◇学校での暴力事件やいじめなど、最近の実態はどうなっているか。
→ 暴力行為は大幅に減少しているが、「いじめ」は逆に認知件数が増加している傾向にある。特に小学校が顕著だ。
◆福 祉
◇介護現場での事件・事故が多発している。また利用者やその家族から職員が危害を加えられる場合も出ている。府内の状況はどうなっているのか。
◇介護現場にロボットを導入し、介護従事者の負担軽減を図ることにしたが、府内の事業所の導入の動きはどのようになっているか。
→ 今年度は基金事業で、30万円を上限とした支援を行い、10月1日を申請期限とし、申込多数の場合は抽選とする。補助枠を国が決めているので、金額の変更はできない。
◇保育所の待機児童の状況はどう変化しているか。また国が認めた企業主導型の保育施設が相当設置されているが、その施設に余裕があれば、定数の半分まで地域の方々に利用してもらえることになっているが、地域枠は現時点でどの程度利用されているか。
→ 待機児は700人弱となっている。企業主導型に地域の方は約260人入所している。
◇放課後等ディサービスの報酬体系が変更されたことによって、相当の事業所が撤退を余儀なくされ、入所者に混乱が生じるのではないかと議会でも指摘してきたが、現時点でどのようになっているか。
→ 4月から4ヶ月で21施設が廃止された。配置人員などが基準どおり出来ない等が理由だ。
◇岸和田の子ども家庭センターは相当広いスペースに生まれ変わるが、他のセンターはどこも狭隘な状況に置かれている。取扱件数の増加とともに、国の強化プランで専門職の配置基準が見直されると、大幅な人材不足になる。これにどのように対処していくのか。
◆医 療
◇医師の長時間労働がいま大きな社会問題となっている。前回もこれを委員会で取上げ、まずは実態の把握が必要で、保健所の立入調査の際に実態把握できるようにしていくとの答弁があった。
- 病院勤務医の半数以上が健康不安を抱えている、
- 大学病院の5%強しか医師の労務管理ができていない、
- 公立病院の半数が労基法違反などの新聞報道がなされている中、実態をどう把握したのか。
◇医療機関への入院の際、保証人を義務付けているところが大半だ。府立の5病院では今後、どのように扱っていくのか。保証人を立てられない患者にはどのような対策を講じるのか。
◇熱中症で医療機関へ搬送される方が激増し、死亡される人も増えている。保育・教育の現場でもこれにしっかりと対応しなければならないが、現状は大丈夫なのか。
◆宿泊税・消費生活
◇宿泊税が導入されて1年以上が経つ。この間の税収の実績はどうか。また、課税対象者を1万円から7千円とする方向だが、民泊はもっと低い価格帯だ。知事は議会の答弁で、「今後は民泊も宿泊税の対象にしていきたい」と考え方を示したが、7千円では事実上民泊は除外されることになる。どうするつもりか。
◇高額商品や粗悪品を騙して購入させる等の被害が後を絶たない。消費生活相談はどれくらいあり、どの程度解決したか。
→ 昨年度、府内での相談件数は7万件を超えた。この中で、助言だけで終了したのは約5万件。他機関への紹介などもあるが、センターが直接斡旋したのは約6千件で解決率は約90%となっている。
◆環境農林
◇精神障害・知的障害者の農業分野での就労状況はどのようになっているか。
◇森林環境税の導入後、この税によって渓流の倒木対策や治山ダム工事などがかなり進み、今回の台風や大雨にも大いに貢献したと聞くが、今後の計画はどうなっているのか。また、今度は国が同様の税を全国民にかけるということになっている。当然、府民には二重に税を取られるという思いが出てくる。そのような不満を解消するのは、事業の中身と成果がしっかりと見えるか否かだ。「見える化」に努めよ。
◇建設発生土の適正処理に関しては、発生者側の対策が不十分であるとともに、埋立てまでを一元的に管理する仕組みがなく、問題が多い。最近の府内の状況はどうなっているか。
◆商工労働
◇中小企業の承継問題が真剣に取組み始められ、商工会議所などの尽力で相当の事業所を訪問してもらっているが、現在どのようになっているか。
◆公安委員会
◇最近、訪日外国人旅行者らが悪質な違法行為を続けていると伝えられている。全般的にどのような特徴があり、これにどう対応しているのか。
→ 短期滞在や出張名目で来日し、偽造クレジットカードで高額商品を購入し、これを国外に持ち出そうとする犯罪が最多。また金塊、薬物犯等なども多く、税関とともに全力を挙げる。
◇富田林警察の接見室からの逃走事件が大きく取上げられているが、府内の全警察署で同様のことが起きる心配はないか。その後どのような点検を行ったか。
→ 府民にご心配をかけ申し訳なかった。全67署の点検を行い、他には異常がなかった。今後は、施設だけではなく、人的な対応も行う。
◇府内の小中高校での補導事件や非違行為は現在どうなっているのか。
→ 昨年1年間の刑法犯少年の検挙・補導は3千人余りで、前年に比べて630人減少した。最も多いのは窃盗で、学職別では中学生、次いで高校生となっている。
◇高齢者の運転免許の自主返納状況はどうか。
→ 65歳以上の免許保有者は約90万人で、返納は約7万6千人となっている。
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