大阪府議会中国友好訪問団
中村哲之助議員の中国訪問記

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古都・南京を知る(10/27)中山陵,明孝陵などを視察・南京市人大を表敬訪問 /
                  トラブルに直面する・江蘇省政治協商会議を訪ねる・誕生パーティの好意に感謝

トラブルに直面する


 いろいろと珍しい料理をいただき、有名な夫子廟を40〜50分ほど視察し、この後、南京市の国体施設と緑の博覧会場を訪問する予定になっていましたが、ここでトラブルが発生。議員団とともに参加している府議会事務局長が私に、「団長、大変なことを旅行社が言ってきました。今朝方から上海と南京の間の高速道路が霧のために閉鎖されているようです。そして、このままでは明日も閉鎖はたぶん間違いなく行われるだろうとのことです。そうなれば、上海発の予定の飛行機では帰られなくなってしまいます」と言うのです。
局長との話で、
  1. 今晩中に上海市へ移動する、
  2. 翌朝の移動を列車などの別の移動手段で行う、
  3. 南京からの飛行機を手配する、
のどれかしか選択の余地がないことが分ります。
 しかし、どれを選択してもうまくいくかどうかは分りません。今晩中に上海市へ向かうにしても、果たして今からホテルが押さえられるのか、南京からの飛行機に空席があるのかなど、不確定要素があるからです。私は「必ず、金曜日中に大阪へ帰ることが第一だ。方法はどれでもよいから、バスに乗車した時、全議員に尋ね、一番多い方法をとるようにすれば良い」と伝えました。海外ではいつ、何が起こるかわかりません。この後、数時間ほどは事務局・旅行社ともに大忙しだったと思います。
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 14時40分、私達は国体が開催された会場に到着です。陸上競技場・プール・体育館・テニスコートなどの立派な施設が建ち並んでいます。メーン会場は座席だけで62,000人あり、8万人で満杯だと言います。
 この施設は全額を国(300億円)が負担し、後の維持管理は南京市で負担するようです。私はこれらを見て、中国の公共施設・中でもスポーツ施設の整備の必要性は一定分りますが、日常どのように運営されるのか、施設利用計画はどう立てているのだろうかと、他人事とはいえ心配してしまいます。

 私達はこの後、緑の博覧会場へ向かいますが、先ほどの日程変更の件が、南京からの飛行機に我々の人数分の座席が取れそうだということで、それでOKとしました。15時40分から緑の博覧会場の中を、2台の電気自動車で駆け足の視察。閉幕した後ですから、萎れてしまった草花も数多くありましたが、まだまだ美しい姿を残していました。


江蘇省政治協商会議を訪ねる


 私達はこの後、南京市の北京西路にある江蘇省政治協商会議へ向かいます。江蘇省政治協商会議は、愛知万博の終了する少し前の9月21日、呉 冬華・副主席を団長とする訪問団が大阪府庁を訪ねられ、議長・副議長・議会事務局長らが懇談しました。
 その際、呉・副主席が「南京へお越しになるのであれば、ぜひ政治協商会議にも来て頂きたい」と話され、私から「時間をできるだけ調整し、お伺いできるようにする」と答えていたものです。
 17時10分に到着すると、呉・副主席自らお出迎えいただき、早速、挨拶・懇談。その後、政治協商会議の開かれる議場の案内をしていただき、メンバー約800人の内、157人の常務委員がここで議論すると説明を受けました。
 常務委員にはいろいろな方がおられ、共産党以外の少数政党のメンバーや経済界の主要な役割を担う人もおられ、江蘇省の各界各層の意見を反映しているとのこと。ちなみに最初の主席が毛沢東氏で、次が周恩来氏だったと聞き驚きます。
 そして、何よりも驚くのは、2階へ上がるとマージャン・ビリヤード・カラオケ・バー・フィットネスルームなどの部屋があることです。ここでは政治協商会議のメンバーがよく利用されて楽しんでおられるようです。日本では考えられないことです。府庁2階の議員控室で私達がマージャンをし、酒を飲んだりしていれば一体どうなるでしょうか。国情、価値観、文化、歴史、政治風土……など、大きな違いがあり、何でも自分自身の経験則やスケールで測っていては、物事を正しく見ることができないと教えられたようです。

 さて、私達はその2階の一番奥の部屋へ。ここにはもうすっかり、「歓迎宴」の準備が整っていました。私達が着席すると、呉・副主席は「よく来てくださいました。中村副議長とは1ヶ月前にお会いし、もう古くからの友達のように思います。固い挨拶は先ほどの挨拶で十分なので、お酒を飲みながらゆっくりとやりましょう。今日の料理は全て私が選定しました」と述べられました。
 そこで私も、「この歓迎宴が中国での9回目の挨拶だと思っていましたが、私からの挨拶は省略させていただいて、呉・副主席の選ばれたご馳走をゆっくりといただくことにします」と述べ、「カンペイ」です。ここの料理人は福岡で長く日本料理を研究されたということで、私達がいつも口にする味と変わらない感じです。また、呉・副主席以外にも先月ご一緒された方が2人おられ、日本の印象や農業政策などに花が咲きました。
 さらに、呉・副主席らの大阪での食事は「がんこ寿司」だったことから、「大阪の食事はいかがでしたか」と尋ねると、「料亭やホテルの会席料理より気軽で良かったですね。今度はたこ焼き・焼きそばも食べてみたい」と、笑顔で語られました。



誕生パーティの好意に感謝

 またこの日、もう一つ大きなプレゼントがありました。それは、訪問団のK議員の誕生日が10月27日、正にこの日だったことから、呉・副主席に誕生パーティもやっていただいたことです。ウエディングケーキほどもある大きなケーキを作っていただき、みんなで「Happy Birthday to You……」と歌い、K議員が一気に蝋燭の火を消すというお馴染みの姿が登場し、大きく盛り上がりました。K議員は大感激し、一生の思い出になると喜んでいました。
【写真】中央:グラスを手に祝う中村議員
 そんな和やかな歓迎宴も20時20分に終了し、私達は政治協商会議を後にしました。これが最後の夜ということもあったとは思いますが、一番心に残る歓迎宴でした。

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 さて、お昼のトラブルの処理がようやくできたようです。それによると、当初は別表にあるように、朝7時にバスで南京→上海への移動でしたが、南京の禄口空港から明朝8時10分発のMU533便で関西国際空港へ向かうことに。従って、4時45分モーニングコール、5時には荷物をまとめ、5時20分までにチェックアウトしてロビーへ集合、5時30分には出発ということになりました。 私は朝方、「早朝の音が喧しく、部屋をできたら変えてほしい」と頼んでいましたが、こんなに早く起きるのならかまわないと連絡し、自室へ。朝は時間がないので、今晩中に片付けようと荷物の整理にかかりますが、中々うまくいきません。「まあ、朝でいいや」と、緑茶を飲んで一休み。今日も「53度」でヘトヘトです。何か、もうこれで挨拶などはしなくてもいいのかなと思うと、一度に疲れが出たように思います。


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