大阪府議会ヨーロッパ行政調査団メンバー 大阪府議会議員 中村哲之助 |
ホテルに帰ると、ミラノで通訳をされる矢作泰子さんが来られていました。私たちは徒歩で、ロンバルディア州政府の建物へ向かいます。 ロンバルディア州では、州議会理事(3)のADAMOLI氏やPEZZONI氏、TURTURIELLO氏らが応対されました。 | |
開会冒頭に訪問団を代表して大前団長が、「イラクにおけるテロの犠牲となられた兵士とその遺族の方々に対して心からのお悔やみを申し上げる」と述べるとともに、今回の訪問の趣旨を説明し、併せて、「大阪とロンバルディア州との友好がさらに深まることを期待している」と挨拶しました。 アダモーリ氏は、歓迎の言葉の後、今イタリアでは国の権限を州や自治体に相当委譲していること、そのために法制度や税制面でも多くの改革が行われ、自治権が大幅に拡大してきていること、そしてそのことによって、地域の安全対策が大変進んだと述べられました。また、州は仕事の大半を住民のより身近な県・コミューン(市町村など)に委託し、州は立法機関的なものになってきていると説明されました。 |
![]() bRのアダモーリ氏らの歓迎を受ける |
例えば制度改革の中で、州自身の決定権を尊重するように税制面でも大改正が行われ、これまで国にだけしか入らなかった付加価値税の内、38.55%が州の財源となるようにされ、さらにガソリン税でも70%が州の財源になりました。そしてすごいなと思うのは、州同士でも地域によっては大きな較差があるため、財政的に強い州から弱い州へ援助金を出していることです。ちなみにロンバルディア州は60億ユーロを出しています。 このようなことから、権限委譲の中で、保健・教育・地域安全の3点は国ではなく、州が最高責任を持つようになっています。
一方、調査団の議員からは、
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◆ スローフード運動を学ぶ
この後ホテルへ一旦帰り、気軽な服装に着替え、イタリアにおける「スローフード運動」の調査に出かけます。 | |
![]() スローフードのレストラン |
![]() 食材にはレンズ豆をよく使うようです |
現在の食生活、ハンバーガーなどのファーストフードを見直そうとして始まり、「ファーストVSスロー」からスローフードと呼びはするものの、食事の時間をゆっくりというよりはむしろ、自然の食材を生かし、環境に優しい「食」文化をどのように築くのかということの方が主になっているとのことです。中でも、次代を担う子どもたちには、より一層の理解を深めてもらうため、教育の観点からも働きかけをしているとのことです。 今日、わが国では、子どもも大人も朝の食事を抜いたり、手の込んだものを作らずに簡単なものを食べるという風潮が強まっているだけに、イタリアから始まったこの運動を、ぜひ日本でも本格的に進められないものかと感じます。普段は何とも思わずに済ませている食生活のことを、私たちはもっともっと深く学び、実践していかなければならないと思います。大阪府が呼びかけている「野菜バリバリ……」の運動は、その意味では極めて重要なものです。 ホテルへの帰路、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を15分間、見学しました。あれだけ有名なものだけに、どれだけ大きな建物の中にあるのかなと思っていましたが、案内していただいたのは、「エ-っ、これが?」と言うほどに質素で小さな建物です。サンタマリア・デッレ・グラーツェ教会の修道士の食堂に使われていたものとか。何度も何度も修復工事を繰り返してやっと完成し、往年のレオナルドの表現したものと大差ないようになったとのことです。少し暗めの部屋の中で、僅かの時間では有りましたが、緊張しながら鑑賞しました。レオナルドの遠近法をはじめとする描写法にはただただ感心の一言です。 |
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関空からフランクフルトへ(16日)|ストラスブールでLRTに乗車する(17日)|総領事館へ EUへの理解が深まった(18日)| ロンバルディア州政府を訪問(19日)|現地日本企業関係者との懇談(19日夜)|UCIMUイタリア工作機械協会を訪ねる(20日)| プラートの繊維産業振興策を学ぶ(21日)|ルネッサンスの文化に感動(22日)|多くのことを学んで帰国(23〜24日)| 苦言を一言 / 最後にもう一言 / 事務局やお世話いただいた皆さんに感謝 ![]() |