モノづくりの町=大阪の再生を果たさなければと思い、このウチムを選択した私たちは、イタリアの工作機械産業の状況とその成功の秘訣などを熱心に学びました。
イタリアの工作機械産業(工作機械・ロボットなどを製造)は、生産・輸出ともに世界第3位で、企業の大半が70人程度の従業員を擁する中小企業で占められています。海外への進出も含め、その成功の秘訣は、
- フレキシビリティ(柔軟性)
工作機械そのもののみではなく、これを作るメーカー自身に、市場の要求に具体的に対応できる柔軟性を備えている
- 先進的テクノロジー
世界的なレベルでも、特に機械部品の分野では開発力がある
- 問題解決への高い能力の保持
顧客が抱えている問題に共同で解決策を示し、設計・製作まで一貫して担い、満足を得ている
ことにあると、同氏は力強く語られました。
これに対して調査団からは、
- TLOという大阪が進めている制度をイタリアではどのようにしているのか
- 日本では成熟社会となった今、教育・福祉などの分野での投資が進んでいる。イタリアはどうなっているか
- 中小の各企業が共同で研究・開発を進めていくことは素晴らしいことであるが、知的財産の所有などについてはどうか
- ロンバルディア州と大阪の今後の交流のあり方
などについて質問するとともに、逆にウチム側からは、
- 日本経済の動向、とりわけ大阪経済は現在どのような状況なのか
- 日本における各企業の現在の就労形態
- 年金問題などへの将来の不安
などが尋ねられ、調査団からこれらを説明するということがありました。
今回の訪問を受けていただいたロスマ氏は、「私の会社も実は工作機械を製作しています。そして日本にも少しですが、輸出しています。だから、日本経済にも大変な関心を持っています」と言われ、大変な親近感を持ちました。
私たちはこの後、昼食をとり、バスでプラート(フィレンツェの近く)へ向かいます。バスは現地まで、約4〜5時間かかるとのこと。大変な行程です。私たちが3日間滞在するフィレンツェの高台にあるホテル・ビラコーラに到着したのは何と、午後7時。本当に疲れました。荷物を受け取り、部屋で着替えを済ませ、ホテルの地階で夕食。終わったのは9:30を過ぎていました。 |