大阪府議会ヨーロッパ行政調査団メンバー
大阪府議会議員  中村哲之助


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ルネッサンスの文化に感動(22日)

 今朝は、繊維博物館を訪問する予定になっていましたが、昨日の日程の関係で変更になり、午前中、かつてのフィレンツェの名門貴族・メディチ家の事務所を改装した「ウフィッツィ」美術館を訪れました。土曜日のお休みで、大勢の人たちでいっぱいです。私たちも予定変更ということでの訪問のため、入場するのにかなりの時間を待たされました。

ウフィッツイ美術館の前は観光客が一杯。
中も外も正に美術館です
このウフィッツィでは公平性を保つために、早くから予約をしている人たちが来ていても、一般客として並んでいる多くの方々を順番に少しずつ入場させるため、予約をしてあるからといっても、そのとおりには入場できないようです。日本人のツアー客も相当おられ、日本語で解説されている風景があちこちで見られました。好きな人で時間があれば1日中でも飽きのこない美術館だと言われていますが、私は時間の関係で、入場したときに解説本を購入し、おぼろげながら記憶にある「春・ヴィーナスの誕生・受胎告知など」、ダ・ヴィンチやボッティチェルリ、ラファエロなどを、解説書の案内図のとおりに急いで回り、ミケランジェロのダビデ像も鑑賞しました。

 その後、ホテルへ帰り、帰国に備えての荷物と書類整理などを行いました。数多くの場所を訪れ、様々な方々から沢山の資料をいただいたため、バッグがパンパンです。

 イタリアでの最後の夕食は、フィレンツェの人たちが自慢する「TAVERNA DEL BRONZINO」へ。これまでのレストランとそんなに変わることはなかったのですが、初めて家族的な雰囲気の店にあたった気がします。
 今夕の食事は、全員で食事する最後ということで、大前団長が、全員に「この1週間、大変ご苦労様。最初の2日間はAグループ、Bグループの2班に分かれての調査であったが、ともにハードスケジュールの中を本当にお疲れのことと思う。今回の調査は、当初の計画以上に大きな成果が上がったことと確信している。この成果を大阪へ持ち帰り、府政の中に生かしていこう」と挨拶されました。
 私も本当に、何か疲れたという感じと、ホッとしたというのが混ざり、調査団全員で感じたことを語り合いながら、国情の違い・国民性・文化など、盛り沢山の話題で、お互いに「ご苦労さん」でしたと、楽しく懇談しました。


フィレンツェで気付いたことを少し

  1. 自動販売機がない
     ミラノでもプラート、フィレンツェでも、日本の町の中や道路沿いに置かれている「自動販売機」が全くといってもいいほど置かれていません。ペットボトルを出来るだけ使用せずガラス瓶を使い、デポジット制を推進する動きも復活しているようです。人と人が対面して会話の中で物品の販売をすることが文化だと自負していることと、かつて自動販売機が置かれだした頃、設置すれば破壊されるということが続き、被害が大きく、次第に自動販売機を敬遠するようになったことも原因のようです。

  2. タバコがやたらと高い
     日本でも喫煙者が次第に減少してきていますが、ここイタリアでは、何とタバコ1箱が平均600円程度します。調査団にもヘビースモーカーがいましたので時々、現地で日頃慣れているタバコを購入するのを見ていると、何か気の毒な気さえします。そして、ガイドがイタリア語で書かれた注意書きを見せて、「タバコのケースには、日本のように、『健康を害する恐れがあるため吸いすぎに注意しましょう』などというぼかした書き方ではなく、『がん』『死亡』などの明快な言葉で注意することが義務付けられているんですよ」と説明。どちらが良いか一目瞭然です。

  3. ドゥオモよりも高い建物がない
     神様の家・ドゥオモ(カテドラル)が町の中心にあります。古い由緒ある建物も時には建て替えられたりしますが、建物のこれまでのことが分かるように残していることと、高さはその地域のバランスを守り、異常なほどの高層ビルは建てません。日本でよく揉めている建築物の高さ・日照権問題などはまったく起こらないようです。キリスト教の教義がイタリア国民の日常生活の中にしっかりと溶け込んでいるのでしょう。

  4. 食事の時間が長く、客が注文したメニューを出さない 
     イタリアの食事スタイルは、正直言って合いません。私たち日本人は、とりわけ関西人はあれほどの時間をかけて食事をすることなど、「無理」です。そして性格的にも合わないでしょう。食事に対する考え方と文化の違いといえばそれまでですが、私は本当に「間」が持ちませんでした。  そしてもう一つはっきりしているのは、イタリア人の仕事への誇りと性格を、客に対してもストレートに表現することです。例えば、私たち調査団のメンバーのA氏がメニューを見て「X・Y」を頼むと注文し、他のB・C各氏もそれが美味しそうだからとそれを依頼します。日本なら同じ物を注文されたら手がかからずに楽だと思うはずですが、こちらは様子が違います。自分たちの自慢の料理を「披露」できないからと、P・Qも食べてみよと注文変更を求め、我々が変更せず同じ物でよいといっても、試しに食べてみてほしいと違う物を出してきます。こんなところがイタリア人と日本人との違いでしょう。日本でなら「何だ、これは」となるでしょうが、不思議に腹が立ちません。
     しかし、これとは別に、イタリアの人は本当によく食べます。ラテン系ですから、イギリスやドイツのように大きくなく、背丈も日本人とそんなに変わりません。だけど食事量だけは別。とてもついてはいけません。

関空からフランクフルトへ(16日)ストラスブールでLRTに乗車する(17日)総領事館へ EUへの理解が深まった(18日)
ロンバルディア州政府を訪問(19日)現地日本企業関係者との懇談(19日夜)UCIMUイタリア工作機械協会を訪ねる(20日)
プラートの繊維産業振興策を学ぶ(21日)ルネッサンスの文化に感動(22日)多くのことを学んで帰国(23〜24日)|
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