民主党無所属ネット議員団・スペイン行政調査団
大阪府議会議員  中村哲之助


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スペインの農業と歴史を知る(3月28日)


 28日も朝6時頃に目を覚ましました。しかし、28日の深夜・午前2時をもって「夏タイム」に入ったため、昨日までの時刻でいけば、まだ午前5時です。寝る前に時計の針を1時間進ませたため、何か1時間丸々損をした気がします。
 添乗員が夏タイムの時間調整から、「もしも」のことを考えて、ホテルにモーニングコールを依頼しておいたので、7:30に電話機が鳴ると思っていたのに無音。ホテルの男性がそれぞれの部屋を、リストを見ながらノックして早足で回っている姿を見て、何事かと聞くと、電話システムの故障とか。
 この日はセビリヤ(セビージャ)から来たガイドの北原氏が、アンダルシア地方の案内と様々な問題を説明します。スペインは農業大国で、この地域ではオリーブが主要生産物です。途中、オリーブ一筋で生計を立てている「バエナ村」を視察し、1本の木には平均約80〜100kgの実を付けることを知らされました。スペインのオリーブ生産量は世界の約45%程度を占め、世界屈指です。移動中、車窓からの風景は見渡す限り、オリーブ、オリーブの畑です。
 このオリーブの収穫には毎年多くの労働力が必要になり、収穫期には大変な数の外国人労働者が出稼ぎにやってきます。東ヨーロッパや北アフリカが中心で、時間給は約600円です。生食用は10〜11月に収穫し、色は緑色。黒色の油用は12月以降に収穫します。
 オリーブをめぐっては、収穫時の外国人労働者の問題だけではなく、4〜5月にかけての「花粉症」が、最近では大問題になり、特にひどいときは室内でも「メガネ」が曇ってしまう時があるようです。

 約2時間でコルドバに着き、ロンドン橋を見学した後、「旧ユダヤ人街」を訪れ、かつての迫害の歴史の説明を受けました。余りに激しい迫害のため、今では誰一人この地には住んでいないようで、心が痛みます。
 コルドバといえば「メスキータ=コルドバ大聖堂」です。ここはかつて、イスラム教寺院として建設されたものですが、今ではキリスト教の教会として、多くの観光客が訪れます。

いっぱい実を付けたオレンジの木で埋まっている中庭などを見学した後、私たちはこの町の人たちが町をあげて観光客を誘致するために取組んでいる「花いっぱい」運動の現場を視察しました。
 写真のように、それぞれの家がベランダや壁・庭に思い思いの花を常に育て、観光客の目を楽しませ、そのことで町の美化を進めるもので、「美しい花の町並み」として、世界各地の雑誌などでも紹介されているそうです。わが国でもこれにならって、観光資源を大切にし、地域を上げてそれを盛り立てていく取組みがもっと必要だと痛感します。


 午後3時過ぎにコルドバを発ち、一路セビリアへ。170km、約2時間の移動です。セビリアには午後5時に到着し、世界遺産のセビリア大聖堂を見学しました。この遺産は、イスラム風の部分、キリスト的な部分が混在し、往時を偲ばせます。さらに、ここには1492年、アメリカ大陸を発見したコロンブスの棺も安置されています。日本人観光客も結構多く、大聖堂を熱心に興味深く見学していました。
 ホテルへ向かう途中、車中から「セビリア万博」が開かれた時の建築物と、スペイン広場を見学しました。広場では、よくアメリカ映画のロケが行われるようで、最近では「スターウォーズ・エピソードU」が撮影されたようです。なお、万博当時のポルトガルのパビリオンは現在、自国の領事館として使用されています。この日は一日、激しい雨でぐっしょり、本当に疲れました。ホテルはOccidental Sevilla 、部屋は広く、隣室の音が響くこともなく、快適な部屋でした。


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