’08.03.29.〜 04.05.
中村哲之助議員の訪問記
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多くの思い出を胸に帰国(4月 4日〜 5日)
 今日はいよいよ帰国の日であるが、なぜか 3:00 に目が覚める。まだもう少し時間があるのでまた寝るが、4時にもう一度目が覚める。4:30 のモーニングコールまでそれほど時間がないので、起床する。パジャマや洗面具などをしまって荷づくりをし、ドアの外に出すとポーターが 5:05 に取りに来る。今朝の食事はサンドイッチとジュースのようなものと聞いているので、昨日もらっておいた完熟バナナを1本食べる。
 5:15 忘れ物がないかチェックしてフロントへ行き、チェックアウト。ロビーにはもう3人の議員がいる。長束氏と国友さんがそれぞれの議員に用意した朝食を渡すが、普通のサンドイッチだと思っていたのに、大きなフランスパン1/2にトンカツをはさんだカツサンドとオレンジジュース、みかん、水である。さっそく私達はこれにパクつく。こんな大きなパンが用意されているんだったら、バナナなど食べなくっても良かったくらいだが、2/3くらい食べた。アゴがだるくなるほどに固くて大きかったが、割合においしい。朝の5時過ぎからこれだけ食べられるのは健康な証拠と自分で納得。
 
 5:40 にバスは出発し、5:55 にDBV空港着。ここにはポーターがいないので、自分で荷物を運ぶ。チェックインカウンター前で国友さんから航空券を受取り、トランクを預け、搭乗手続きに行く。するとそこで何か聞かれるが、CR語なので、さっぱり分からない。Idon't understandと言うと、言い直したのが「Window?」と聞こえるので、窓側か通路側かということだろう。国友さんに確認するとそうだというので、来る時は通路側だったから、今度は窓側と言うと「OK」という。ところが渡されたチケットは、FRA行きKIX行きの両方とも通路側。これは違うというと、無視して返事をしない。また国友さんも「間違っていても、この人達は絶対に変えないですヨ」という。これなら何も聞くことはない。こんなところが日本と大違いだ。私自身、長旅の時は自由に動ける通路側の方が好きだから、これでよいのだが、すっきりしない。欧米ではしょっちゅう出くわす事だが、これは本来、日本のすべてのツアー関係者がしっかりと言っておかなければならないことで、煩わしいことには関わりたくないとか、これがこの国では普通だからと放置してきた責任であろう。お客のため、「日本ではそんな態度は理解されない。こうしなければいけない」と、しっかりと対応する姿勢を常にとっていれば、相手の対応は変わってくる。ただ、この場で急にどうにもならないことは理解できるし、「おかしいではないか」などと言うと、長束氏も国友さんもいやな思いをするのはわかっているので、これで終わりに。こんな時にしっかりと対応させられるよう、ホテルや航空会社などに働きかけ、改善への努力を行っていく旅行会社こそ信頼され、これからの成長株になるだろう。
 
 さて、私達はCR国へ来た時と同様にセキュリティチェックを終えて中へ入り、出国手続きへ。IMIGRATIONの標示もないし、係官が一人ポツンと座っているだけで、ロープなどの仕切りもされていない。あれだけの戦争が続いていたのに、大らかなものである。7:00 搭乗手続き開始と示しているので、もう少しだけ時間がある。 CR国のテレホンカードで大阪へTELするとお昼の2時で、1回の通話で8Knしか減らない。7:15 搭乗開始のアナウンスが流れ、自分で歩いて飛行機へ。私の席は21・A。機内は空席が半分以上ある。7:30 離陸し、30分ほどすると軽食が運ばれ、固めのヨーグルトを食べる。コーヒーを注文してくつろいでいると、すぐにドイツのFRA空港に着く。丁度 9:20 であるが、ここで出発時と同様に5時間待ちとなる。FRA空港はアメリカのブッシュ大統領の到着を目前にして厳戒体制が叱れているため、私達はC13ターミナルへ。このターミナルは1週間ほど前にオープンしたばかりのようである。
 休憩する場所もほとんどないため「しまった」となったが、仕方なくトイレの隣の待合室へ。ビールでも飲んで時間つぶしと思うが、朝の10時頃からそんなに飲めるものではない。

 ドイツ名物の大きなソーセージをみんなで分けて口にするが、なかなか時間は経たない。反対側に1つだけある免税店へ行き、妻と娘らに化粧品でもと思って国友さんについてきてもらう。そんな時間はわずか30分くらいなので、椅子に座って仮眠する事にする。昨夜の睡眠が少なかったのか不思議にウトウトできるもの。

 13:40 ようやく「まもなく搭乗手続きを始める」というアナウンスがあり、待ちかねた人達がワッーと並ぶ。自分自身の座る席は決まっているのだから慌てなくても良いのにと思うが、気持ちはよく分かる。14:00 から次々に乗り込んでいく。私の席は来た時とほぼ同じで54・C。ただ、このLH 740便は1週間前と違って、個人用のTVがなく、天井から一定の間隔でTVがぶら下がっているという旧型。だから、映画なども自分で自由に選択できるものではないだけに、退屈する人も多いだろう。14:30 に離陸。
 機内放送は、独・英・日本語があり、映画を3本上映するという。英・独・仏・韓・中・スペインとともに日本語吹き替えもある。FRA−KIXで、なぜ韓国語や中国語、スペイン語などがあるのかわからないが、この飛行機自体、いろいろな国へも行っているのだろうと思う。
 
 16:00 に昼食を配り始める。前菜は切干大根、肉じゃが、茶そばなどで、メインが豚肉か鶏肉を選んでほしいというので、「チキン」と言うと鶏肉、ハッシュドポテトなどが入っている。「ポーク」と言った人には黒胡麻ご飯が出ているので、隣の半田議員と「これは腹がふくれないナ」と話す。ドイツビールを飲んで、日本はもう夜の11時だから寝ておこうと思うが、体が1週間ほどの間にヨーロッパ型になってしまっているので、なかなか眠くならない。立ち上がって、機内をウロウロとすることに。私の席が最後尾部分なので、前まで行くと、何と途中で2席、私の2つ後ろに1席、合計で3席しか空席がない。300人以上乗れる機でこんなにと思う。しかし、考えてみると、3月29日の出発の時もそうだったが、春休みを利用して旅行をという人達が家族連れも含めて多かった。帰国便も家族やグループの人が多い。FRAでほとんどが乗降というのは、ロマンチック街道やスイス、イタリア、スペインなどの旅行だったのだろう。
 
機内をウロウロしても10分くらいなので、私は会派の政調会で橋下知事のプロジェクトチームに対する検討チームの出資法人・総務部会を担当しているため、ぶ厚い資料を取り出して読むことに。時計はちょうど17:00 になったので、日本時間に合わせる。いま日本は4月5日 0:00 である。KIXまでの飛行はまだ8時間半ほどある。CAにコーヒーを頼んでもってきてもらい、2時間余り読み続ける。
 2時間ほど経つと立ち上がって、またトイレへ。ちょうどこの時間帯は多くの人が目を閉じてお休み中。後方のトイレ前の少し広くなった所で手足を伸ばして体をほぐしていると、横にお握りがたくさん並んでいる。「これ、もらうよ」と言うと、「どれでもどうぞ」と返事があるので、鮭のお握りをもらっていく。席に戻って、TVも見ないし、もう役所の資料を読む気もしないので、少し休もうと目を閉じる。
 
 1時間程度もウトウトしただろうか、後ろを見るとU議員も暇を持て余した風で、N議員は目を閉じている。T議員が熱心に資料を見ながらメモをしている。そうこうしているともう午前5時で、1週間滞在したCR国では今ちょうど4日の夜の10時になる。なかなか休もうとしても休めないのは当然だ。しかし、帰国後の日程を考えると、少しは体を休ませなければいけないと考えながら外を見ると、まだ真っ暗である。6時過ぎの日の出までは少し時間がある。
 周囲に何もない真っ暗な空の一角から太陽が昇る様子は、何度見ても感動する。6時を過ぎると、窓の外に少しだけ青紫色の線がおぼろげに見えてくる。そしてこれが次第に白みを増してくると、太陽の頭が見える。いつも思うことだか、地平線、水平線があるんだからこれを天平線と呼べばどうだろうか。

 6:27 ついに太陽の端っこが出てくる。次第にそれが上に姿を現し、段々と丸く大きくなっていく。毎日毎日繰り返される当たり前の光景であっても、美しく神々しい。同じように見ている議員も「こりゃスゴイ」と感心している。大きくなる様はまるでスロービデオを見ているみたいで、私は一気に20枚余りの写真を撮った。 6:32 明るくなりすぎて、もうカメラには収められない。わずか5分ほどの天体ショーだが、10分ほどするとCAが朝食を配り始める。チキンのシチュー・パン・フルーツ・コーヒーを残さず食べる。
 周囲は一気に朝になり、動きが出始める。CAも40分足らずで片付けにくる。暫らくすると、あと20分程度で「KIX到着」という表示が画面に映る。飛行機の高度も随分と下がってきたのが分かる。窓際の議員が、「ウワー、ひどい赤潮だ」と言う。私も窓から下を覗くと、茶色の幅広い帯が海面に際立っている。気持ち悪いほどの色で、空港に近づくにつれて色が赤みを増す。今の時期からこんなことだったら、大変だなと思ってしまう。
 8:25 にKIX 到着。再入国手続きをし、荷物を受け取り 9:45 に解散。6泊1機中泊のクロアチア訪問はすべて終了である。