’08.03.29.〜 04.05.
中村哲之助議員の訪問記
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ザグレブで気づいたこと
<1> トラムの充実はすばらしい
 以前に訪れたフランスのストラスブールと同様にZAGも中心部はトラムが走り、多くの利用者で満員だ。16系列あり、CR国の色である青が基調。道路からの段差もなく、ノンステップの電車が縦横に走る様はすばらしい。時々赤いボディーのトラムもあるがこれは3段のステップがついている。チケットはキオスクで8Kn、乗車の際に購入すると10Knで90分間乗り放題になっている。しかし、やはりこの国にも無賃乗車をする不心得な人がいるようで、それが見つかると、4〜5倍の罰金を取られるようである。
 ストラスブールでは完全に都心へ入ってくる車を締め出していたが、ここでは締め出しは していないので、車も数多く走っており、都市計画の上ではまだまだのように思う。
 
<2> ゴミと駐車問題
 CR国へ来て感心するのは「ゴミ」が路上にほとんどないということである。ZAGの市民のモラルも大きく影響していると思うが、写真のように歩道上にゴミ箱を積んで走る車もある。路上駐車は本当に多く、イタリアなどの隣接国と変わらない。
 
<3> 落書きがヒドイ
 ゴミがなく、すばらしい国だと思っていると、何と大切な建築物に日本で見られるような落書きがいっぱいある。そして不思議なことに、日本で見る落書きと実によく似た「字体」なのである。落書きする者同士が申し合わせたとは思えないのに、なぜか同じである。
 
<4> 物乞い
 どこの国へ行ってもいわゆる物乞いに会う。ZAGの中心地の大聖堂前を歩いている時に何人かが「プリーズ!」と言って受皿のようなものを目の前に出す。国友さんが「スリですよ」と注意するし、私達も全員が「ノー」と言うと、「◇◇◇」と何の意味か分からないが捨てゼリフのようなことを叫んで別の人の方へ行く。
 しかし、フランスやスペインなどで出会った人達のように、見るからに酷いというような服装ではない。そして大聖堂前を離れるともう見られない。
 
<5> 食事のボリューム
 ヨーロッパの街の特徴であるが、ここZAGも街中いたるところに(道路脇、広場など)レストラン・カフェのテーブル、椅子が置かれ、多くの人達で賑わっている。そしてこんな時にと言う時間帯に、年齢層も若者から老人まで多彩である。組み合わせも家族、友人、恋人など様々であるが、驚くのはそのボリューム。スパゲッティやリゾットなど、どれをみても、日本のレストランで出される量の2倍くらいはあると思う程のボリューム。それを20才前後の若い女性がしっかりと食べている。通行しながらパクついているハンバーガーのようなものでも、私達が時々口にするマックの2〜3倍はあるかな?というくらいにデカイ。
 
<6> 高校生のタバコ
 ZAGでは高校生の多くが喫煙している。大聖堂を訪れた際、集団で来ていた高校生の多くがタバコを吸っている。そして、女子生徒にそれが多い。当然、タバコは禁止されているが、他に遊びもなくこの程度はまだまだマシとのこと。教師も見ているが注意さえしない。
 
<7> 消火栓は一杯 でもポストはどこにある?
 不思議なことにZAG市内では一つも郵便ポストを見かけない。どこの国でも郵便ポストは必ず目にするものだ。日本のように赤色とは限らず、ウズベキスタンでは青色だったが、色や形は違っても、町の中を移動していると必ず目にするものであるのに、ZAGにはない。散歩しながら2日目の朝は注意深く探してみたがやはりなかった。そのかわり青色の消火栓がいたるところに用意されている。水が豊富にあるという証明だが、ポストは一体どこに?
 
<8> 箱物の維持管理
 CR国はサッカーとともにハンドボール、水球がすごく人気のあるスポーツのようで、今、ハンドボール大会を開催するための大きな競技場を建設中である。しかし、ほんの一時の大会が終われば、その後の維持管理などはどうするのか?と、ZAG市の市民は不安に思っているとのこと。我が国でもオリンピック施設などがその後の維持管理に多額の費用を要して頭が痛いのと同じことが、この国でも生じていることに「どこもよく似ているな」と思う。
 
<9> ザグレブのホテル考
 私は国内でも海外でも、ホテルに泊まる際は必ずバスタブに一杯お湯を張り、一晩中湯を流さずそのままにしておく。そうすると部屋の乾燥を防ぐことができるし、万が一火災などがあってもシーツを水に浸け、それを被って難を避けるころができるからである。
 国内のホテルや排水事情のよいホテルは朝方に栓を抜いて空っぽにするが、「ZAGでは一気に水を流すと逆流してカーペットを濡らすことがよくあるので、チョロチョロと流してください」と言われたため、排水はルームキーパーにまかせることにした。ところが視察を終えて帰ってみると、バスタブの底などには髪の毛や石鹸の泡などがそのまま残り、ただ水を流しただけ。2日目の朝などはまだ部屋にいるのに「メイクアップ? クリーンOK?」などと言って入ってくる。コンセントも部屋に入ったドアのところに1つあるだけ(これはルームメイクの際、掃除機を使うためのものだと思う)。洗面所に1つだけあるコンセントもShaver Onlyと書かれ、湯沸し器などを使えない。A議員にいたっては、トイレに入っている時、「待て」と言っているのに勝手に入ってこられたという。従業員のマナーや教育はどうしているのだろうかと思う。
 政務調査費のホテルの料金設定で、甲地・乙地などのいろいろな決め方はあるにしても、まもなくEUに加盟しようとする国の首都のホテルで、パリやロンドンのように数多くのホテルが有るところの約80%の宿泊費が基準というのは無理なことだ。