’08.03.29.〜 04.05.
中村哲之助議員の訪問記
 
 
★ 視察調査を終えて
 クロアチアと言えば、大抵の人はサッカーや格闘技が盛んな国で、著名な選手も多いと思っている。私達は今回の視察で、クロアチアの様々な話を聞き、また直接現地を見聞し、この国がこれまでの歴史の中でどのような位置に置かれてきたのか、そして激しい内戦の末に手にした今の国情がどうなのか、おぼろげながらに理解できたと思う。さらに、市場化の流れが国民の暮らしをどの様に変えようとしているのかも知ることができた。
 ザグレブでもスプリットでも、そしてドブロブニクでも、関係者は「これまでの列強による支配と内戦で、多くの人々が命を落とした」という説明をするが、それ以外の悲しい出来事にはやはり言葉を濁しているなと思う。長束氏の説明などによって、今なお続く困難な問題は理解できるが、戦争はいかに人権を踏みにじり、複雑で悲惨な結果をもたらせるかを改めて学ぶことになった。ぜひ、多くの国会議員がこの地を訪れ、私達と同じ思いを持つことができれば、いま何をなすべきかを理解できるだろう。これらを私達に理解しやすく説明された長束氏の、ユーゴスラビアとクロアチアの歴史への認識の深さには敬服する。行く先々で同氏に、知人と思われる人達から笑顔で声がかかる姿を見ていると、同氏がしっかりとこの地に根付いていることが分かる。
 この国に滞在したのは僅か1週間のことであったが、美しい風景と貴重な歴史的遺産、そしてこの国の人達の価値観は長く記憶に残ると思う。