2010.04.15.〜 04.22.
中村哲之助議員の訪問記
※各写真をクリックしていただくと拡大版をご覧頂けます。
 
Flights are back (4月21〜22日)
 アウトバーンを元気よく走っていたバスが少しスピードを落としたなと思うと、ドライブインに入った。もう日付が変わり01:30になっている。2時間半以上も女性の運転手が頑張ってくれたようである。みんながトイレへ行こうとするが、国友さんが「トイレへ行くには0.5ユーロ 要りますよ」と言う。硬貨を入れないとバーが動かず、トイレに入れない。ドイツはユーロ圏であるのに、誰もユーロ通貨を持っていない。日本を出る時には不要と思って用意してないし、BERでは列車からバスに乗り換えただけで、誰もがPOL国のズロチしか持っていない。カードでも入れない。
国友さんがみんなに「はい、1ユーロ」と言って、みんなに小銭を出してくれた。そして、「みなさん、お釣りと一緒に必ず領収証のような薄いチケットが出てきますから、必ず受け取ってくださいよ」と言う。トイレの利用だけなら0.5ユーロ取られるが、トイレ利用の後、売店で飲料水などを購入する際に先程の0.5ユーロを内金として使えるようだ。よく考えた制度で、そんなに飲みたいと思っていなくても、0.5ユーロがもったいないからやはり何か飲もうになる。ちなみに、このドライブインの飲み物は写真のように少し高いように思う。
コーヒーを飲みたかったが、睡眠の妨げになると思って私はジュースを飲んだ。客がほとんどいない中で、30分の休憩は結構ゆっくりする。全員が2時前にバスに戻り、また深夜の走行になった。
 バスの中は少しひんやりしているなと思っていると、誰かが「少しだけ暖房を入れてほしい。足下が寒い」と言う。今まで余り気にならなかったが、やはり深夜の2時を過ぎると少し冷える。どの議員もトイレ休憩の際に水分補給をしたのか、水を飲む人もなく、車内は静かなもの。私達のバスは先ほどと同様にアウトバーンをひた走る。04:00にまたドライブインへ入る。ここでは少しお腹の減った人が、トイレを済ませた後、サンドウィッチやビスケットのような物を求めているが、私は朝方に近いので、コーヒーだけを一杯いただいた。約30分でまたバスに戻り、いよいよラストスパートだが、誰もが静かに座っている。車窓の眺めもまったく変わらない。いま私達が走っているアウトバーンは、日本でいえば名神・東名のようなものであるが、走行している車は段違いに少ない。

 06:00 計ったようにきっちりFRAマイン空港に到着である。私達はそれぞれの荷物をまたゴロゴロと転がしながら、「疲れたなあ!」と空港へ。早朝であるが、多くの人で賑わっている。空港の再開を心待ちしていた人達や1日でも早く帰国したい人達が座席確保のために早くから待っているのだろう。私達は飛行機さえ飛ぶとなれば、この日の予約があるので大丈夫だが、何日もの間待ち続けた人達は本当に気の毒だ。しかし、まだKIX行きが飛ぶという表示は出ていない。
 国友さんが、「受付で確認したが、担当者はまだ飛ぶかどうかは分からないと言っている。しかし、昨日のKIX行きは間違いなく先ほど大阪に着いたわけだから、大丈夫だと思う。もう少しまってください」と言う。


 7時過ぎ、国友さんが、「みなさん、OKです。チケットを用意してください。搭乗手続きを開始すると言っています」と連絡。私達はそれぞれ、パスポートとチケットを用意し、並んで手続き。20分以上も並ばされたが、私達の到着が早かったこともあり、「希望の席はあるか」と聞かれる。2・4・2の配席であるから、私は「窓側」と言うと半田議員と並びの28Cの席になった。重いトランクを預けると、ものすごく身軽になった気がする。 私達の横ではドイツの何というTV局かは分からないが、写真のように「空港の様子」をライブで伝えている。時計を見て、いま07:32だと言っている。この人達も毎日、空港の様子を伝えているのだろう。

 「さあ、これで手続きが済んだから、みんなそろって食事にしてはどうか」と、レストランに入る。ここは、トレーにそれぞれの希望の品を選んで載せ、レジで生産するというセルフ方式である。ここでも、私達は「ユーロ」を持っていないので、全員の分を国友さんが精算。私は、野菜サラダ・ポテト・ソーセージ・卵・コーヒーを選んだ。卵料理は3種類の方法がOKと示しているので、「2eggs , sunny side , pleas」と、目玉焼きを作ってもらった。窓際に陣取って、みんなで「良かったな、いろいろあったけれど予定どおりに帰られる」と笑顔でワイワイ言ってると、何と窓際に長蛇の列が出来ている。みんな座席を求めている人のようだ。優に100メートルは超えているだろう。この内の何人が搭乗券を手にすることが出来るのか、少し気の毒な気がする。
 朝食をとった私達は08:20 いつもどおりの検査を受け、構内に入る。搭乗口のB46近くのエリアに行き、電話をかけたり、ウトウト。

私は暫く寛いだ後、事務所に電話をしておこうと立ち上って、国際電話の辺りに行くと、どこかから、「中村議員」という声がする。「哲ちゃん」という声もある。誰が呼んでいるのかと声の主を探すと、驚いたことに、地元枚方市の桝田市議と電機連合の石橋氏である。何故こんなところで?とお互いにびっくり。両氏らは電機連合の研修会で、ヨーロッパに来ていたところ、突然空港が閉鎖され、5日間も足止めされ、ホテルを2回も変わって苦労したようである。私達は予定どおりの便で帰れるのだというと、「エーッ、ラッキーだ」と言う。毎日毎日、今日こそはと思い、そして滞在費は自分持ち、本当に大変な目に合われた。

 私達は本当にラッキーだ。空港内に置かれている新聞も、Flights are back;ash‥‥と大きく伝えている。聞くと、私達がFRAに着いたLH741便の後の成田からの便は、FRAはもちろん、近隣の空港にも着陸できず、20時間余りかかって成田へ引き返したという。来る時もラッキー、帰る時もラッキーで、感謝・感謝である。
 また、昨日の国葬の様子も(写真左下)のように大きく伝えられている。電機連合の皆さんに国葬のこと、AUSのこと、地下岩塩坑のことなど、この1週間のことをいろいろと伝える。私達は午前6時にここに来てから出発の14:10まで、実に8時間待ち。時間がありすぎる。

 丁度10時ごろ、国友さんが「皆さん、やはりWAWからFRAへのLH3301便は飛んでいない。夜も寝ずにお疲れだったと思うが、陸路でここへ来て正解だった」と述べた。近くの案内にも、写真(右上)のように大半がキャンセルとなっている。近距離国際線をはじめ、すべての便が元のようになるのはもう少し時間がかかるのだろう。空港内の売店なども元気がない。こんな状況が長く続けば「世界経済が」大打撃を被ることになる。一日も早い復帰を願う。
 正午少し前、私達は搭乗口に近い「食堂街」の中華レストランに入り、みんなで久しぶりに「ラーメン」を食べることに。しかし、出てきたラーメンは約1,500円も取りながら、まったくひどいものだった。細巻き寿司はそんなにひどくはなかったが、この店は一人でやっているため、並んでいる品がなくなれば終わり。みんなに少しずつしか当たらない。久しぶりに麺類を食べたというだけのことになった。

 13:35 搭乗手続きを開始するとの案内が入り、私達はとうとう機内へ。8時間以上も待たされた。14:10離陸のはずが、10分遅れで出発。ベルト着用サインが消えて暫くすると、至る所で、「ああ、やっと帰れるなあ」とのつぶやきやおしゃべり。何日も待たされた人が結構いるようである。15:05その声に合わせたように、ドリンクのサービスが始まった。飲み物が一通り行き渡った頃、今度は食事のサービスに。先程ラーメンを食べてそんなに時間が経たないのと、帰国した直後から仕事が待っていることもあり、私はアルコール類を一切避けて、りんごジュース1杯だけにし、食事は「No, thank you」と断った。50分余りでこれらが終わり、少し静かになると、ウツラウツラの姿が見える。私はここで、時計とカメラの時差を日本時間に戻した。一気に時間は進み、日本ではもう夜の11時だ。テレビを見ている人が多いが、私は少しでも体を休めようと、マスクをして目を閉じる。そのうちにウトウトとしたのだろうか。時計はもう深夜の1時を指し、4月22日になっている。
 座席の前のモニターには飛行高度が11,500mと出ている。FRAへの往路は10,668mと出ていたから、約1,000m近く上を飛んでいることになる。復路は通常この高さなのか、火山灰を避けてこのような高さになっているのか分からないが、何かそんなことを考えていると、あまり眠くならない。それも当然で、POL時刻ではまだ夕方。私達の体も1週間ほどでこの国の時間に慣れてきているからだろう。
 多くの乗客が立ち上がったり、トイレへ行くのが見える。私も気分転換に2時間おきにトイレへ行くが、時計の針はゆっくりでなかなか進まない。後部へ行き、CAに今度はオレンジジュースを頼んだ。大分お腹がすいてきたが、我慢我慢と横に置いてあるおにぎりにも手を出さない。5時を回ると大半の人が起き出し、洗面用具を持って立ち上がる。

 05:30窓の外を見ると遥か彼方にオレンジ色の線のような明るさが見える(写真上)。間もなく日の出の時刻だ。大空に昇る太陽の姿は荘厳なものである。06:01 天体ショーが始まった。横の半田議員もカメラを構えている。私も5回シャッターを押した。毎日毎日繰り返される自然現象ではあるが、何度見ても神々しい。
 06:45 朝食が配られる。喫茶店などでよく出される「モーニングサービス」のような感じである。夜の食事を完全に抜いているので、おなかはペコペコ。コーヒーとともに美味しくいただいた。結構水分は取っていたつもりでも、機内は相当乾燥しているのだろう。マスクをして気を付けていたつもりでもやはり足らないのか、コーヒーのお代わりをする。
 07:20 食器類の片づけが始まる。いよいよ到着が近づいた。ベルト着用、テーブルを元になどの放送が流れる。07:55 私達の乗ったLH740便は静かにKIXに着陸した。入国手続きなどをするが、KIXは私たち以外の客はいないのかと思うほどに空いている。ハブ空港にはほど遠い姿だ。それぞれのトランクを取り出し、全員が揃ったところで、冨田議員から「長い旅をお疲れだった。今回の視察調査は実にいろいろなことがあったが、そのような中で多くの収穫があったと思う。この成果を府政にしっかりと反映していこう」と解散の挨拶があって、視察調査は終了。ご苦労様でした。