2010.04.15.〜 04.22.
中村哲之助議員の訪問記

 私は2010年4月15日(木)〜22日(木)の8日間、ポーランド共和国(以下、POL国)を訪問し、教育・福祉・都市計画・平和・人権などの視察調査を行った。この視察調査は会派(民主ネット議員団)の調査活動として行ったものであり、後日、公式の報告書を提出することになっているので、現地で体験したことを中心に旅日記風にまとめた。ご一読いただき、感想をお寄せいただければ幸いである。

  ……… 目次 ………  各項目へリンクしてご覧いただけます。
 クラクフで感じたこと  POLで気づいたこと
 視察調査を終えて  訪問日程予定表(出発直前)  お世話になった皆さんに感謝 

PDF版 / 【悲しみのポーランド】 ・ 1012K   ※プリントアウトされる場合はPDF版がおすすめです。(A4用紙/49頁)

< はじめに >
 私達は去年の夏から会派の海外視察調査の検討を始めた。そのテーマとして、私達が取組んでいる福祉制度や危機管理、教育制度などを中心に、
  1. 躍進著しいヴェトナムやブータン
  2. 自然災害の多発するアイスランド
  3. EU加盟後も資本主義体制への移行で苦労の絶えないPOL国
  4. 近隣国との関係や国際平和問題でのイスラエル
など、数カ国にしぼり、課題や受入れ先の状況などを検討し、9月に参加予定者全員の判断でPOL国に決定した。
 POL国はドイツ、フランス、イタリアなどのように日本の海外ツアーに馴染みのある国ではなく、あまり知られていない。それだけに海外調査で官庁や大手企業がよく利用しているエムオーツーリスト(以下、MO)に具体的な調査項目と日程を提示し、視察調査が可能かなどの打診を行い、昨年12月最終的な日程調査を依頼した。
 MOからは新年早々、古都クラクフ(以下、KRK)における有名高校の「ヤンソビエツキV世高校」の新しい教育プログラムや国際交流、KRK郊外のアウシュビッツ(以下、AUS)強制収容所の視察、首都ワルシャワ(以下、WAW)での下院議会訪問やWAW市でのEU加盟後の経済と福祉行政の調査など、大半が受入れOKであると連絡があった。
 これによって私達は調査日程を確定するとともに、視察補助員として前回の海外調査の際にも同行していただいた「国友美紀さん」の派遣を要請し、快諾いただいた。さらに、参加予定者はPOL国の概要などをあらかじめ関係者からお聞きするとともに、案内本などを購入し、海外調査の準備を整えた。
 
< 予期せぬ出来事 >
 私達のPOL国への出発直前に、「大統領機墜落」の衝撃的なニュースが飛込んできた。レフ・カチンスキ大統領はじめ政府要人多数が乗り、首都WAWからロシア西部のスモレンスクに向かっていたPOL国政府専用機が4月10日、墜落・炎上して97人全員が死亡したという事故はわが国でも大きく取上げられ、私達の訪問計画も一部を変更せざるを得なくなった。
 第2次世界大戦中、ソ連(スターリン時代)の捕虜となった2万人以上のPOL国人が銃殺されて埋められた「カチンの森事件」は、今なお歴史に深い傷を残しているが、あれから70年、追悼式典に向かっていた大領領ら一行に再び悲劇が訪れた。憲法の規定によって大統領代行に就任したコモロフスキ下院議長は全国民が7日間の喪に服するよう宣言し、首都WAWはじめ各地で追悼行事が行われることになった。そのため、すべての役所、博物館などは通常のオープンではなく、入場にも制限がかけられるとの連絡が入り、私達の訪問や意見交換の場所・時間の変更などが生じてきたため、現地の受入会社との間で協議を繰り返した。
 また、これより先の3月下旬に、私達が利用予定のルフトハンザ航空がストライキに入るかも知れないとのニュースが外務省から伝えられた。旅行代理店からは「もし、ストライキが行われたとしても、国内線と近距離国際線だけで、アジア便などの長距離国際線はストライキがないと思うが・・・」とのことであったが、確実なものではなく、ストライキが実施された場合は取り止めざるを得ないと思っていた。これについては4月2日に「ストライキなし」の連絡をもらってホッとしたところだっただけに、驚きは強かった。