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★ タシケントで気づいたこと |
(1)実に緑が多く歩道が広い |
国際空港から街の中心地までバスで20分弱である。お世辞にも道路整備がされているとは言えないほどに振動したが、車窓からの緑は見事としか言えない。大阪や東京、杜の都・仙台などでも遠く及ばないほどに緑でいっぱいである。中央分離帯でも幅が数メートルのものまであり、そこもすべて芝や草花で覆われている。いたる所に公園があり、広葉樹は静かな日陰を作り、そこでは30℃近い暑さであってもほとんど汗をかかない。空間という空間が緑で、まさに緑で覆いつくされた町という感じだ。歩道と車道の間には文字通り緑のじゅうたんが敷きつめられている。250万人もの人が住む大都会そのものがオアシスである。 |
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ただ、道路・歩道に面した樹木には、その大きさにかかわらず、全て1m程度の高さまで、幹を真っ白に塗ってあるのが残念である。これは夜間の照明(街路灯・防犯灯)が不十分なため、車の事故などを防ぐためにしてあるもので、中国でも同様のものが多くあった。 |
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(2)警察官が異常に多い |
中国でも警察官は多いと思ったが、その比ではない。また多くの人達が利用する施設(ホテルなど)には警備員で溢れ返っている。私達の宿泊したホテルでも10人近い警備員が道路からホテル敷地へ入る、または出る際に、いちいち車を止めてチェックする。道路を朝夕に散歩して前後左右を見ると、必ずどこかに警察官の顔が見えるくらいだ。これでは大阪で多い「ひったくり」など、誰かが大きな声を出せば、近くの警察官らが走ってきてすぐに「御用」になるだろう。しかし、これは雇用対策の一環であるようだ。 |
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(3)信号が少なすぎるが事故は少ない |
多い緑とは逆に、交差点に信号はほとんどない。よくこんなことで事故が起こらないのかと不思議である。さらに道路の幅が広く、大抵は片側3〜4車線はある。従って、車は平行に停めず、縦に停めているのが多い。それでも日本のような渋滞にはならない。
それと驚くのは信号の3色ライトの大きさが同一ではないことだ。写真のように、一番上の赤ランプが他の約2倍ある。当然よく目立つ。我が国でも事故多発地点では、早速取り入れてはどうかと思う。 |
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(4)市場経済化への道程は大変だ |
旧ソ連時代からのシステムはなかなか改善されていない。むしろ、国民は変わらない方が良いと思っている人が多いという。政府はあと5年程度で完全に市場経済へ移したいようであるが、国民はそうではない。
(例)住居費は電気・ガス・水道など光熱費込みで毎月2,000円程度だという。
これを市場化経済に向け、家賃を1,000円〜1,500円にし、光熱費は別というアパートが最近できたが、光熱費を請求してもそのまま支払う人が少ないという。また請求自体もいいかげんで、ガス代が500円では高いと言われると、平気で300程度円におまけすることがよくあるようだ。
しかし、この制度の導入によって、エネルギーへの考え方が少しずつ良くなってきているようで、些細なことからでも意識改革を進めなければならない。 |
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(5)日本へ行きたいと言う若者が多い |
日本からの情報はUZ国になかなか入ってこないようであるが、日本へ留学し、日本で働きたいという若者が相当いるとのこと。日本の戦後の驚異的な経済発展と古代からのシルクロードとの一体感が強く、さらに3年余り日本で働くと、UZ国で小さなアパートを一棟建てるだけのお金が貯金できるらしい。
・UZ国 )1人平均所得 |
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1万円余/月 → 年間約15万 |
・日本 ) 〃 |
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年間300〜400万円 |
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(6)日本車は一台もない |
欧米では数多く走っている日本車も、ことUZ国では1台も見られない。UZ国・ロシア・韓国車ばかりである。高級車は時々メルセデスを見るくらい。
以前は韓国企業との合併で自動車が大量に生産されたが、その後、UZ国単独で生産ラインを整え安く売り出しているようである。欧米車、日本車は欲しくても高額なために手が出ないようだ。
さらに、もうひとつ驚くべきことに、ここでは自転車・バイクをほとんど見ないのである。中国は街中が自転車・バイクの洪水なのに、どうなっているのかと尋ねると、夏は40℃を超え、冬は−20℃にもなるため、長距離通勤などには使用できず、軽四輪がもっぱらのようだ。
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