民主党無所属ネット議員団・ウズベキスタン調査団
中村哲之助議員のウズベキスタン訪問記

 
★ 苦言を一言

 私たちがタシケントのナボイ劇場で、白鳥の湖を鑑賞した時のこと。入場料金が3,000スム(約300円)で、このような金額で、良い芸術鑑賞ができるのは素晴らしいことだと思って、指定の席に着き、開演を待っていた。ところが、開演前にトイレにとA議員が席を立った途端に、3人の家族連れがやってきてパッと座ってしまった。「ここは違う。この席は私たちの指定された席だ」と言ってもガンとして聞き容れない。通訳を呼んで説明しても応じない。おまけに「劇場の○×に了解を得て座っている」と言う始末である。
 ところが、通訳は「この国ではよくこんなことがある。開演直前で、周囲の人達が何事かとこちらを見ているし、近くに空席があるので、そちらへお願いする」と言う。仕方なしに私達は席を譲ったが、こんな芸術を楽しむ場所で、袖の下やコネ、あるいは出鱈目を言って、正規のチケットを持っている善良な者から席を奪い、平然としていられる感覚が理解できないし、周囲にいる者が誰も、大したことではないという顔をして見ている。席を奪った者と通訳は現地の言葉でしゃべっているわけだから、「それは君たちの席ではない」と周囲が言えば、座っていられるはずはない。こんな光景は珍しいことではなく、当たり前になっているのだろうか。周囲の人達もこんなことを時々しているから黙っているのだろうか。もし、通訳の言うとおり、これが日常茶飯事だとすれば、この国は本当に病んでしまっている。バレーを鑑賞に来ているのに、入口で警官が立ち会って、航空機と同様に金属探知機を通り、おまけにバッグの中まで検査する体制をとりながら、一方でこんなことがまかり通って、許されるはずがない。
 さらに心配なことは、このような際に口出しをすると、席を奪った者が本当に警察官たちと友人であったりすれば、後で仕返しをされると思って「知らん振り」を決め込んでいることである。傍若無人に振舞う者はどの国にもいるから、仕方がない部分もある。しかし、無法行為を警察官たちが知って放置しているとすれば、これほど深刻なことはない。
 


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