’08.03.29.〜 04.05.
中村哲之助議員の訪問記
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ザグレブの福祉・教育(3月31日) ・・・ 
予定の時間を少しオーバーしてしまったため、私達は急いでトンチ タディッチ氏との懇談会場のレストラン VINODOLへ徒歩で向かった。同氏はかつて、大阪府池田市にある「通商産業省 工業技術院 大阪工業技術研究所の材料物理部 量子ビーム研究室に在籍された理学博士である。同氏は帰国後、日本の優れた工業製品のように自国のレベルを上げる努力をされるとともに、国会議員になられ2期8年を務められた。もちろん、日本語も相当なもの。同氏は私達が日本を出発する少し前に、懇談できるとの連絡をいただいていたので、どんな方かと思っていたが、気軽に対応していただいた。
 同氏は日本での暮らしや思いを語られるとともに、CR国の政治制度や現在の政党の動きなどを説明された。CR国は完全比例代表制で全国を10ブロックに分け、ドント式で議席を決めていくとのこと。有権者は党名を書くが、無所属候補の場合は個人名を記載する。任期中に政党が変わったりしても議席は守られるとのこと。同氏は2007年の前回選挙で落選されたが、2011年に予定される総選挙で是非当選したいと強い決意を語られた。
 同氏との懇談では、日本へのマグロの輸出とそのための養殖で海水の汚染などが一時問題になったこと、エネルギー政策としての天然ガスのパイプライン計画、情報インフラ整備についての法案整備などを中心に、熱心に語られた。 食事をとりながらの懇談・意見交換は14時ごろまで和やかに行われ、議員団から用意してきた記念品(扇子)をお送りし、最後に全員が記念撮影をして終了した。同氏とのコンタクトをとっていただいた、在クロアチア日本大使館の外交官と長束氏に心から感謝申し上げる。
 この日の昼食はZAGで名物と言われるロールキャベツだったが、私には味付けが、とりわけ塩味が濃すぎて半分ほど残してしまった。


 私達は長束氏やZAG市関係者から、「視察の際、市内の主要な施設、国会議事堂や政府庁舎、市議会所、各国大使館などの公的施設とともに、大聖堂や聖マルコ教会などをご覧いただくと、CR国とZAG市がよく理解できるし、国民の暮らしや習慣を理解いただくのに役立つ」と言われていたのでこの後、市内の主要施設を視察した。ガイドにMissアナが付き、グラデッツ地区でバスを降り、まず、聖マルコ教会を訪れた。屋根に写真のように群青色と赤茶色のタイルでZAG市の紋章と、クロアチア・ダルマチア・スラボニア王国の紋章が美しく輝いている。
 私達が驚いたのは、すぐ近くに政府庁舎や国会議事堂があるのに、警備がほとんどされていないことである。「ここに並んでいるのは国会議員が乗ってきた車ですヨ」と説明され「エーッ」と思う。改めて国民性・文化の違いを感じる。このような説明と見学こそ、本当に価値がある。
 続いて、石の門へ。ここは18世紀に木造から石造りにされ、現在まで残されているが、1731年の大火の際、城門が焼け落ちた時に門の内部にあった聖母マリアの肖像が無傷で残ったという。そのことから、当時のままの肖像が収められている礼拝堂前で、ロウソクや花を捧げてお祈りする人が絶えないとのこと。私も早速、ロウソクを求めてお祈りした(ロウソクは1.5Kn)。この後ZAGのシンボルの大聖堂に入り、ルネッサンス様式とバロック様式の混在する内部を見学し、祭壇前で10$寄進した。神聖な静かさの中、ステンドグラスが実に美しかった。さらに古い大砲が置かれたロトルシャチャク塔、フニクラのケーブル、イエズス会の聖カタリナ教会なども見学した。
 
 私達がイエラチッチ広場(共和国広場)を見てホテルへ着いたのは16:20である。移動中の時間を含めても2時間足らずの短い市内視察だったが何か少しCR国を理解できたような気がする。今日でZAGは終わって明日は次のスプリット(以下SPL)へ移動するので、早めに荷物整理をして欲しいと国友さんが言う。国内線であっても手荷物などは国際線と同様の検査を受けることになるので、電池やバッテリーもトランクに入れず手荷物にするように…など、明日のことを詳しく注意。さらに、府庁の控室から送られてきたFax(新聞の府政に関する重要記事の切抜き)のコピーを預かる。日本の文字を見るのは何か久しぶりという気さえする。
 
部屋に入るとベッド横の小テーブルの上に、クリーニングに出しておいたカッターシャツが置かれている。私はクローゼットに吊るしておいたスーツなどを取出してトランクに仕舞うとともに、ZAG市からいただいた資料などを整理した。トランクには今夜使うパジャマやスリッパ、洗面用具、湯沸し器などを入れておくわけにはいかず、ある程度の片付けで終了し、今日の出来事を少しメモする。この日の夕食はホテルではなく、外に出て行くことになっていて18:30集合だ。まだ少し時間があるがお風呂に浸かってゆっくりという程の時間もないので、小説の続きを読む。
 専用バスは18:40に出発し、レストランZLATNIMEDOは午後ZAG市内の視察で見た近所にあり、ここで野菜サラダ・スープ・子牛の肉料理+ポテト等をいただく。味は昼と同様に非常に濃いため、少し残念だ。この国の人はいつもこんな辛口・濃味で大丈夫なのだろうか。肉は釜で蒸すようにして調理されているので少しスカスカの感じだが、油分は相当に抜けていて食べやすいのだから、もう少し薄味であればいいのになあと思う。20:10に終了し、ホテルへ帰る。
 ホテルに帰ると国友さんが明日のスケジュールメモを渡す。明日はZAGからSPLへ移動するが、飛行機の出発時刻が比較的ゆっくりとしているため、ありがたい。8:00モーニングコール、9:00荷物回収、10:00出発予定である。
 
 少しCR時間に慣れてきたとは言ってもまだ少し体がダルイ。部屋へ帰ってゆっくりと風呂に入って寛ごうとするが、どうもこのホテルは馴染めない。当初の計画ではホテルを市内中心部のヒルトンに決めていたが、政務調査費の旅費の支出基準の内、宿泊費等(1泊2食)の上限が定められている関係でグレードを落としたことと、従業員のマナーの悪さで満足感がない。結局ここで3連泊したわけだが、もし、次回このZAGを訪問する機会があっても、余程のことがない限りここを選ばないと思う。